仕出し弁当は、食材に加えて容器、蓋、箸、袋などを1食ごとに使います。食材費率だけを見て価格を決めると、こうした費用が抜けます。まず包材を1食単位に直し、売れ残りが出た日の残額まで確認しましょう。

以下はすべて架空の計算例です。相場や推奨原価率ではありません。金額は同じ税抜基準でそろえ、実際の納品書と使用数に置き換えてください。
容器は蓋と送料を含む1セット単価に直す
容器と蓋の100セットを4,500円、送料を500円で購入したと仮定します。破損はなく、100セットすべて使える条件です。
容器・蓋の単価 = (4,500円 + 500円) ÷ 100セット = 50円
蓋が別売りなら、その代金も足します。複数商品を同時購入した送料は、一定の配分方法を決めて各商品へ振り分けます。袋を1注文に1枚使う場合は、1食に1枚使う場合と区別してください。
| 1食に使う包材の仮定 | 原価 |
|---|---|
| 容器・蓋、購入送料込み | 50円 |
| 箸 | 5円 |
| おしぼり | 3円 |
| 袋 | 8円 |
| ラベル | 2円 |
| 合計 | 68円 |
食材費率と包材込みの率を分ける
売価500円、食材200円、包材68円の弁当で計算します。
食材費率 = 200円 ÷ 500円 × 100 = 40.0%
食材・包材の合計 = 200円 + 68円 = 268円
食材・包材を含む率 = 268円 ÷ 500円 × 100 = 53.6%
食材・包材を引いた残額 = 500円 - 268円 = 232円
232円から、まだ入れていない人件費、家賃、光熱費、決済手数料などを賄います。配達する注文には配送費も必要です。この残額をそのまま利益とは呼べません。
500円・800円・1,000円の価格別試算や月の固定費との関係は、弁当屋の原価率の計算方法で確認できます。
売れ残りは作った数と売れた数を分けて計算する
上の弁当を50食作り、すべて容器に詰めて付属品まで準備した後、45食を500円で販売し、残る5食を廃棄したと仮定します。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 売上 | 500円 × 45食 | 22,500円 |
| 食材 | 200円 × 50食 | 10,000円 |
| 使用した包材・付属品 | 68円 × 50食 | 3,400円 |
| 食材・包材を引いた残額 | 22,500円 − 10,000円 − 3,400円 | 9,100円 |
食材・包材を含む率は 13,400 ÷ 22,500 × 100 = 約59.6% です。50食すべてを販売できた場合の53.6%とは異なります。
この計算は廃棄した5食分も原価に含めています。同じ廃棄をもう一度ロス率として加算すると二重計上になります。受注後に容器へ詰める運用や、未使用の箸・袋を翌日使える運用なら、実際に使った包材数で計算し直してください。
原価表に残す項目
| 記録 | 確認すること |
|---|---|
| 仕入日・商品名・購入金額 | 食材と包材の単価がいつのものか |
| 購入量・使用できる量 | 単位、蓋の有無、破損分 |
| 1食の食材・包材使用量 | レシピと提供方法に合うか |
| 製造数・販売数・廃棄数 | 同じ日の数量がつながるか |
| 値引き後売上 | 定価でなく実際の売上か |
| 配送・決済などの追加費用 | 注文ごとか、食数に比例するか |
大口注文の最低食数を決める場合は、高級仕出し弁当の配送費を含む計算例へ進んでください。
まず1商品の記録をそろえる
レシピ原価計算ツールで食材原価を確認し、包材は上の表で別に集計すると、費用範囲が分かりやすくなります。日々の食材単価とレシピ原価を管理する場合は、KitchenCostも使えます。配送や月の固定費は別に計算し、アプリのレシピ原価だけで注文全体の利益を判断しないでください。