弁当の原価率を確認するときは、食材費だけの率と、容器なども含む費用率を分けます。食材原価率が同じでも、容器代、売れ残り、販売数によって残る金額は変わります。
以下は計算方法を示す架空例です。価格・原価・販売数・固定費は市場相場や業界平均ではありません。すべて同じ税抜基準でそろえ、実際の運用では自店の数値に置き換えてください。

価格帯別に食材費と容器代を分ける
| 項目 | 500円の例 | 800円の例 | 1,000円の例 |
|---|---|---|---|
| 販売価格 | 500円 | 800円 | 1,000円 |
| 食材費 | 200円 | 304円 | 400円 |
| 食材原価率 | 40.0% | 38.0% | 40.0% |
| 容器・付属品 | 40円 | 60円 | 80円 |
| 食材・容器の合計 | 240円 | 364円 | 480円 |
| 売価に対する合計費用の割合 | 48.0% | 45.5% | 48.0% |
| 食材・容器を引いた残額 | 260円 | 436円 | 520円 |
食材原価率 = 食材費 ÷ 販売価格 × 100
食材・容器を引いた残額 = 販売価格 - 食材費 - 容器・付属品費
残額には、人件費、家賃、光熱費、販売手数料などをまだ含めていません。高い価格の例で残額が大きくても、同じ数量を販売できるとは限りません。
500円弁当の200円は何に使うか
1個分の食材費を、使用量と購入単価から集計した仮定です。
| 項目 | 1個分の食材費 |
|---|---|
| ごはん | 45円 |
| 主菜 | 90円 |
| 副菜 | 35円 |
| 漬物 | 10円 |
| 調味料・油 | 20円 |
| 合計 | 200円 |
ごはんは、炊飯前の米代と炊き上がり量を対応させて1食分を求めます。生の重さと調理後の重さで同じ単価を使わないようにしてください。まとめて作る副菜も、仕込み全体の原価と実際に取れる食数を記録します。
レシピ原価計算機は材料費の確認に使えます。容器や手数料、月の固定費は費用範囲を分けて採算表に加えてください。
1日100食・25営業日の月次試算
1日100個を作り、100個すべてを定価で販売し、月25日営業する仮定です。追加の変動費はなく、月固定費を60万円と置きます。
| 月次項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 販売数 | 100個 × 25日 | 2,500個 |
| 売上 | 500円 × 2,500個 | 1,250,000円 |
| 食材・容器 | 240円 × 2,500個 | 600,000円 |
| 固定費を賄うために残る額 | 260円 × 2,500個 | 650,000円 |
| 固定費の仮定 | 600,000円 | |
| この仮定での差額 | 650,000円 - 600,000円 | 50,000円 |
60万円は人件費・家賃などをまとめて置いた仮定です。実際には固定部分と販売量に応じて増える部分を分け、店主の報酬、決済手数料、追加人員などを漏らさず入れます。表に入れていない費用や税金まで引いた最終手取りを示すものではありません。
この条件での損益分岐点は 600,000 ÷ 260 = 約2,307.7個 なので、月2,308個が必要です。25日で均等に販売するなら1日約92.3個で、毎日の整数目標は93個になります。実際の販売数・費用が変われば目標も変わります。
固定費と変動費の分け方、損益分岐点の式は日本政策金融公庫の解説で確認できます。
100個作って90個売れた日は別に計算する
食材は100個分使い、容器は販売時に90個分だけ使った仮定です。10個を売れ残りとして廃棄し、値引き販売はしていません。
売上 = 500円 × 90個 = 45,000円
食材費 = 200円 × 100個 = 20,000円
容器費 = 40円 × 90個 = 3,600円
残額 = 45,000円 - 20,000円 - 3,600円 = 21,400円
同じ日が25日続けば残額は535,000円。上の固定費600,000円を引くと65,000円の赤字です。完成時点で容器も100個分使う店なら、容器費は4,000円となり、さらに400円/日少なくなります。
この例では廃棄分を作った数量に含めています。別の「ロス率」を同じ食材費へ重ねて加算しないでください。
見直す項目を一つ選ぶ
| 記録するもの | 確認すること |
|---|---|
| 購入単価・使用量 | 値上がりと盛り付け量の変化を分ける |
| 製造数・販売数・廃棄数 | 完売日と売れ残る日の違いを見る |
| 容器・付属品 | 袋・箸・仕切りの数量も数える |
| 値引き・販売手数料 | 表示価格ではなく実際の売上で比較する |
| 仕込み時間 | 材料費削減のために人件費が増えていないかを見る |
品数を減らす、仕込みを分ける、容器を変えるといった変更は、一度に全部行わず、自店の記録で効果を確かめます。「これだけで原価率が何ポイント下がる」という共通の数値は置きません。
日々の材料費を更新する
KitchenCostでは材料の購入価格・容量とレシピの使用量を登録し、単価更新後の原価を確認できます。販売価格は自分で決めて比較します。ダウンロード案内で対応ストアを確認してください。月次の固定費や廃棄数は上の採算表で別に管理します。
関連ガイド
計算と出典について
表の入力は本記事の架空例であり、業界平均の引用ではありません。計算方法の参考として上記の日本政策金融公庫の資料を2026-09-17に確認しました。