
ケータリングでは、料理の原価に加えて、容器・仕込み・積み込み・配送・設営・回収の費用を確認します。食材原価率が同じでも、人数と作業条件が違えば残る金額は変わります。
30名の法人ランチを見積もる
以下は計算方法を示す架空例です。価格帯や業界平均ではありません。金額は同じ税抜基準にそろえ、料理を届けるだけで設営・回収はない条件にします。
| 項目 | 案件合計 | 1人あたり | 範囲 |
|---|---|---|---|
| 注文分の食材 | 18,000円 | 600円 | 30名分 |
| 容器・資材 | 5,400円 | 180円 | 容器・箸・袋 |
| 仕込み・配達の人件費 | 12,000円 | 400円 | この案件に割り当てる作業分 |
| 車両・燃料等 | 3,000円 | 100円 | 上の人件費を含めない |
| 予備分の食材 | 3,000円 | 100円 | 注文分18,000円には含めていない |
| 合計 | 41,400円 | 1,380円 | 上記の範囲のみ |
予備分を含む食材費は21,000円です。食材費に予備分や廃棄をすでに含めた場合は、もう一度「ロス」として足しません。
レシピの食材費を確認するなら
KitchenCostに材料の購入価格・容量とレシピの使用量を登録すると、食材原価を確認できます。案件の人数・配送費・人件費・全体の採算は、別の見積表で集計してください。
1人1,800円で販売した場合
売上 = 1,800円 × 30名 = 54,000円
上記費用の割合 = 41,400 ÷ 54,000 × 100 = 約76.7%
上記費用を引いた残額 = 54,000 − 41,400 = 12,600円
1人あたり残額 = 12,600 ÷ 30 = 420円
12,600円は、表にない家賃・保険・管理業務などを払う前の残額です。案件の最終利益と呼ぶには、必要な費用をさらに確認します。割り当てた人件費を月次集計でも再び引かないようにします。
注文分だけなら食材費率は33.3%ですが、予備分を含む21,000円では38.9%です。比較する際は「食材費」に含めた範囲をそろえてください。
目標から見積額を計算する
表の費用を引いた後に売上の25%を残したいと仮定すると、次の式になります。25%はこの例で選んだ目標であり、業界の推奨値ではありません。
必要売上 = 41,400 ÷ (1 − 0.25) = 55,200円
1人あたり価格 = 55,200 ÷ 30 = 1,840円
この目標で残る13,800円も、表にない費用を払う前の金額です。最終利益率を決める式として使う場合は、費用の範囲を変更する必要があります。
少人数では案件ごとの費用を分ける
別の架空例として、1人あたり変動費800円、案件ごとの費用15,000円とします。
| 人数 | 合計費用 | 1人あたり費用 |
|---|---|---|
| 10名 | 800円 × 10 + 15,000円 = 23,000円 | 2,300円 |
| 30名 | 800円 × 30 + 15,000円 = 39,000円 | 1,300円 |
同じ設備・人員で対応できる範囲の比較です。人数が増えて追加の車両やスタッフが必要になれば、案件ごとの費用も変わります。この計算から最低人数・注文金額・配送条件を検討し、一律の相場表にはしません。
予備分と変更条件を見積に書く
予備分は人数だけで機械的に決めず、提供方式、注文量の変動、追加調理の可否と過去の残食を見て設定します。仕込み係数と材料費に同じ予備分を重複して入れないでください。
受注時には人数の確定日、提供時刻、設営・回収、食物アレルギーへの対応範囲、容器や備品の条件を確認します。人数変更や追加作業の料金条件は、合意した見積に明記します。
次の見積前に確認すること
- 材料価格・使用量と予備分を更新する。
- 仕込みから配達・回収までの時間を見積もる。
- 車両費と人件費の重複を確認する。
- 案件の残額で、表にない固定費等をどこまで負担できるか確認する。
KitchenCostはレシピの食材原価の更新に使い、案件全体の見積と採算は上のような別表で確認してください。