からあげは回転が速く、売上が立ちやすい業態だ。一方で、鶏肉の歩留まりと油の吸収、そして弁当の包材が利益を削りやすい。
要点まとめ
鶏肉は歩留まりを反映し、衣は使用量、揚げ油は補充・交換を含む費用を確認します。弁当なら包材だけでなく、ご飯と副菜も別に加えます。材料価格が変わったときに同じ条件で計算し直してください。
からあげ原価がブレる理由
- 鶏肉の仕入れ単価が変動する
- 衣と油の吸収が人で変わる
- 弁当包材が意外に高い
- ソースやマヨの無料追加
原価は「鶏肉だけ」では決まりません。
原価計算の基本式
原価率(%) = 原価 / 価格 x 100
目標価格 = 原価 / 目標原価率
まずは1人前の原価を出し、そこから価格を逆算します。
鶏肉の歩留まり計算(例)
仕入れ例(鶏もも 1kg):
- 仕入れ価格: 780円(例)
- 可食歩留まり: 85%
歩留まり込みの原価:
780円 ÷ 0.85 = 918円 / kg
1人前 120g の鶏肉原価:
918円 x 0.12 = 110円
1人前の原価内訳(例)
| パーツ | 原価 | メモ |
|---|---|---|
| 鶏肉 | 110円 | 120g分 |
| 衣(粉・卵) | 35円 | 吸収分を含む |
| 揚げ油 | 15円 | 吸収+劣化分 |
| ソース | 20円 | マヨ・タルタル等 |
| 包材(弁当) | 30円 | 容器・箸・袋 |
| 合計 | 210円 |
この表は鶏肉のおかずと包材の例です。弁当全体を計算する場合は、ご飯・副菜などを加えてください。油15円も配分の仮定であり、実測した吸収量ではありません。
目標から価格を計算する
以下の単価・使用量は計算用の仮定です。食材・油・包材を含む目標比率を自店で30%と選んだ場合を考えます。税込・税抜の基準はそろえてください。
210円 / 0.30 = 700円
700円はこの仮定から求めた価格です。相場や推奨価格ではありません。700円から表の費用210円を引いた490円で、人件費・家賃など残りの費用を負担できるか確認します。
油コストの管理ポイント
- 揚げ油の交換ルールを固定
- 補充量・交換時の廃棄量と期間中の提供食数を記録
- 油の劣化で“捨て原価”が増えることを認識
油は「見えない原価」です。
人件費の現実チェック
人件費を1時間1,500円、1時間に8食を提供するという架空の配分例なら、1食あたり187.50円です。準備・片付けの時間や事業主負担を含める範囲も決めてください。この単価は最低賃金の案内ではありません。適用額と発効日は厚生労働省の一覧で確認します。
価格改定の目安
鶏肉・油・包材の納品価格と使用量が変わったら、1食あたり費用を更新します。消費者物価の総合指数を、そのまま自店の仕入価格や必要な値上げ率には使いません。
よくある質問
Q. むね肉に替えると利益は増えますか?A. 仕入れ価格・歩留まり・使用量・販売価格・販売数を比較します。仕入れ単価が下がるだけでは利益の増加を判断できません。
Q. 量売りは利益に有利ですか?A. 100g単価を固定できるため、原価コントロールがしやすい傾向です。
今すぐやること
- 鶏肉の歩留まりを計測する
- 補充・廃棄を含む油の費用を提供食数で配分する
- 弁当包材のコストを1食ずつ計算する
- ソース類の追加ルールを決める
- 月次の原価チェック日を設定する
関連ガイド
レシピの食材原価を更新する
KitchenCostでは材料の購入価格・容量とレシピの使用量を登録し、食材原価を確認できます。材料価格を更新して原価を計算し直し、自店で決めた販売価格と比べます。歩留まりの実測、油の配分、人件費、販売価格の判断は別途行ってください。
KitchenCostのダウンロード案内から対応ストアを確認できます。