仕出し弁当は、1個あたりの食材費だけでなく、注文ごとに発生する配送や追加作業まで確認します。「原価率45%でも高単価だから利益が出る」とは限りません。
以下の金額・数量は架空の計算例です。仕入れ相場、業界平均、推奨価格ではありません。消費税を除いた同じ基準で計算しています。

2,500円弁当の食材費を分けて計算する
| 項目 | 1個分の金額 | 売価2,500円に対する割合 |
|---|---|---|
| 前菜 | 180円 | 7.2% |
| 刺身 | 320円 | 12.8% |
| 和牛料理 | 280円 | 11.2% |
| 海老料理 | 150円 | 6.0% |
| 炊き合わせ | 80円 | 3.2% |
| ごはん・漬物 | 65円 | 2.6% |
| 調味料・油 | 50円 | 2.0% |
| 食材費合計 | 1,125円 | 45.0% |
| 容器本体・蓋 | 200円 | 8.0% |
| 箸・おしぼり・袋 | 30円 | 1.2% |
| 食材・容器・付属品合計 | 1,355円 | 54.2% |
| ここまでの費用を引いた残額 | 1,145円 | 45.8% |
食材費だけの45.0%と、容器・付属品込みの54.2%は費用範囲が違います。残額1,145円は、配送費・追加人件費・家賃などを引く前の金額です。最終利益として扱わないでください。
容器だけを引いた1,175円を使うと、付属品30円が抜けます。見積書では、どこまで含めた金額なのかをそろえます。
配送費と追加作業は注文単位で確認する
10個の注文に対して配送費2,000円、追加作業費1,500円が発生する仮定です。材料や容器は上の1個分をそのまま使い、売れ残りはないものとします。
売上 = 2,500円 × 10個 = 25,000円
食材・容器・付属品 = 1,355円 × 10個 = 13,550円
注文ごとの追加費用 = 2,000円 + 1,500円 = 3,500円
残額 = 25,000円 - 13,550円 - 3,500円 = 7,950円
この7,950円から、まだ含めていない通常の人件費、家賃、光熱費などを賄います。決済・仲介手数料がある場合や、料理の仕込みロスがある場合は、それも加えます。
20個でも配送・追加作業費が3,500円に収まると仮定すれば、残額は 1,145 × 20 - 3,500 = 19,400円 です。ただし、数量が増えて人員や車両が増えるなら、追加費用は据え置けません。
最低注文数は「追加費用の回収」と「店全体の利益」を分ける
この例の追加費用だけを回収する数量は 3,500 ÷ 1,145 = 約3.06個 なので、切り上げて4個です。4個の残額は1,080円ですが、店の固定費や目標利益を回収できたという意味ではありません。
注文に割り当てる固定費の回収額と目標利益を合計5,000円と置くなら、必要数は次のように変わります。
必要数 = (注文追加費用3,500円 + 回収したい額5,000円) ÷ 1,145円
= 約7.42個 → 8個
追加費用の発生条件や1個あたり費用が同じ範囲に限る計算です。実際には配送距離、時間指定、容器の購入単位、追加スタッフが必要になる数量も確認します。費用の固定・変動を分ける考え方は日本政策金融公庫の解説を参考にできます。
標準弁当と比べるときも費用範囲をそろえる
| 1個分の仮定 | 800円弁当 | 2,500円弁当 |
|---|---|---|
| 食材費 | 280円 | 1,125円 |
| 容器 | 40円 | 200円 |
| 付属品 | 30円 | 30円 |
| 食材・容器・付属品合計 | 350円 | 1,355円 |
| 上記費用を引いた残額 | 450円 | 1,145円 |
高い方の残額が大きくても、同じ数を売れるとは限りません。作業時間や配送費も違います。率だけ、1個の残額だけ、どちらか一つで業態を選ばず、注文数と費用を合わせて試算します。
見積もり前に残す記録
- 食材の購入価格、使用量、仕込み後に取れる数量
- 容器・付属品の単価と購入単位
- 注文数、配送先、納品時間
- 配送・追加作業の費用と、数量が増えた場合の条件
- 値引き、決済・仲介手数料、変更・キャンセル時の扱い
毎日の材料価格の更新にはKitchenCostを使えます。レシピの原価を計算し直し、自分で決めた販売価格と比べて確認します。ダウンロード案内から始められます。配送・注文追加費用の見積もりは上の表で別に確認してください。
関連ガイド
計算と出典について
入力値は本記事の架空例で、式と内訳から再計算できます。計算方法の参考として上記の日本政策金融公庫の資料を2026-09-17に確認しました。