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飲食店の変動費と固定費とは?例・分け方・計算表

飲食店の変動費と固定費とは?例・分け方・計算表の要点を整理。原価・ロス・人件費・手数料を計算式とチェックリストで確認し、価格判断に使えます。

更新 2026年5月10日
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目次

飲食店の変動費は、売れるほど増える費用です。固定費は、売上が少なくても毎月ほぼ出る費用です。まずはこの1本線で分ければ十分です。

変動費 = 食材費、包材、販売手数料、売上連動の時給人件費など
固定費 = 家賃、保険、リース、通信費、月額システム、固定給など

この分類ができると、原価率だけでは見えない赤字原因が見えます。食材費を下げるべきなのか、固定費が重いのか、売上が足りないのかを分けて判断できるからです。

飲食店の費用を変動費と固定費に分けるための会計ワークスペース

先に結論

費用基本分類迷ったときの見方
食材費変動費売れるほど増える
包材・容器変動費テイクアウト、デリバリーで増える
決済手数料変動費売上に率でかかる部分
家賃固定費売上ゼロでも発生する
通信費・サブスク固定費月額固定なら固定費
アルバイト時給分けて持つシフトで増減する分は変動費寄り
正社員固定給固定費毎月ほぼ一定なら固定費
光熱費分けて持つ基本料金は固定、使用量は変動

最初から完璧に分類する必要はありません。上位5費目だけでも、利益が残らない理由はかなり見えます。

変動費とは

変動費は、販売数や売上に連動して増える費用です。

飲食店では次のような費用が代表例です。

変動費の例なぜ変動費か
食材費料理が売れるほど増える
包材、容器、箸、袋テイクアウトやデリバリーの注文ごとに増える
決済手数料、販売手数料売上に対して率でかかる
ソース、トッピング、消耗品商品数に連動しやすい
時給スタッフの追加シフト来店数や営業時間に応じて増減する

ここで大事なのは、会計科目名よりも「売上に連動して動くか」です。たとえば人件費でも、固定給と追加シフトでは性質が違います。

固定費とは

固定費は、売上に関係なく毎月ほぼ出る費用です。

固定費の例なぜ固定費か
家賃売上が少ない月も発生する
リース料契約で月額が決まっている
保険料売上と直接連動しない
通信費、POS、会計ソフト月額固定のことが多い
固定給毎月ほぼ一定で発生する
光熱費の基本料金使用量に関係なく発生する部分

固定費は「削れない費用」ではありません。すぐに動かしにくい費用です。通信費、保険、サブスク、電力契約などは年1回見直す余地があります。

迷う費目は分けて持つ

変動費か固定費かで迷う費目は、どちらか一方に無理やり入れないほうが実務的です。

費目固定部分変動部分
光熱費基本料金使用量に応じた料金
人件費固定給、最低配置分追加シフト、繁忙日の増員
決済サービス月額基本料決済額に応じた手数料
デリバリー月額ツール費注文ごとの販売手数料、包材
広告費月額契約注文連動の販促費、クーポン原価

「全部きれいに分ける」より、「大きな費目だけズレないように分ける」ほうが早く役に立ちます。

5分で分ける計算例

月売上1,200,000円の小さな飲食店で見ます。

費目金額分類
食材費360,000円変動費
包材48,000円変動費
決済手数料36,000円変動費
追加シフト人件費180,000円変動費
光熱費の従量部分50,000円変動費
家賃210,000円固定費
固定給150,000円固定費
通信・サブスク24,000円固定費
光熱費の基本料金10,000円固定費

合計:

変動費 = 674,000円
固定費 = 394,000円
変動費率 = 674,000円 ÷ 1,200,000円 = 56.2%
固定費比率 = 394,000円 ÷ 1,200,000円 = 32.8%

この店は、売上の半分以上が売れるほど増える費用に使われています。次に見るべきなのは、食材費、包材、追加シフト、手数料のどれが重いかです。

損益分岐点に使う

変動費と固定費を分ける最大の理由は、損益分岐点が出せることです。

変動費率と固定費から飲食店の損益分岐点売上を計算する流れ

損益分岐点売上 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率)

先ほどの例で計算します。

固定費 = 394,000円
変動費率 = 56.2%

損益分岐点売上 = 394,000円 ÷ (1 - 0.562)
              = 約899,543円

つまり、この店は月売上が約90万円を下回ると赤字になりやすい構造です。詳しく計算したい場合は、損益分岐点売上の計算ガイドも参照してください。

原価率だけ見ていると危ない

飲食店では「原価率30%なら安心」と考えがちです。でも、変動費は食材費だけではありません。

たとえば売価1,000円、食材費300円の商品があります。

食材原価率 = 300円 ÷ 1,000円 = 30%

ここに包材80円、決済手数料30円、販促クーポン50円が入ると、変動費は460円です。

変動費率 = 460円 ÷ 1,000円 = 46%

見かけの原価率は30%でも、実際に固定費を回収する力は54%しか残っていません。この考え方は原価率30%だけでは危ない理由でも扱っています。

どこから直すか

分類したあとは、次の順番で見ます。

状態先に見ること
変動費率が高い食材、包材、手数料、値引き、追加シフト
固定費比率が高い家賃、リース、保険、通信、サブスク
どちらも高い売上上位商品の価格と販売チャネル
売上が落ちた月だけ赤字固定費を回収できる売上ライン

固定費比率の見直しは飲食店の固定費比率ガイドに分けています。限界利益率まで見るなら、限界利益率は何%ならよいかが近い内容です。

今週やること

  • 先月の費用を金額が大きい順に10個並べる
  • 上位5費目だけ変動費と固定費に分ける
  • 迷う費目は固定部分と変動部分に分ける
  • 変動費率と固定費比率を出す
  • 損益分岐点売上を1回計算する
  • 数字が大きい費目から1つだけ改善する

関連ガイド


変動費と固定費を分けておくと、KitchenCostでメニュー原価を見たときに「この商品は固定費を回収できる粗利を残しているか」まで判断しやすくなります。

Source Notes

この記事の数値は、飲食店の費用分類と損益分岐点を説明するためのモデルケースです。法令・税務判断ではなく、毎月の原価管理と価格判断に使う実務上の分類として整理しています。

よくある質問

飲食店の変動費と固定費の違いは何ですか?

売上や販売数に連動して増減する費用が変動費、売上が少なくても毎月ほぼ出る費用が固定費です。食材費や包材は変動費、家賃や月額サブスクは固定費として見るのが基本です。

飲食店の変動費には何を入れますか?

食材費、包材、販売手数料、決済手数料、注文ごとに増える消耗品、売上に連動する時給人件費などを入れます。まず売上上位メニューに関係する大きな費目から分けます。

飲食店の固定費には何を入れますか?

家賃、リース料、保険料、通信費、月額システム利用料、固定給、光熱費の基本料金など、売上に関係なく出る費用を入れます。

人件費は変動費ですか、固定費ですか?

分けて持つのが実務的です。売上やシフトで増減する時給人件費は変動費寄り、毎月ほぼ固定の給与や社会保険負担は固定費寄りで見ます。

変動費と固定費を分けると何が分かりますか?

損益分岐点、値上げの必要幅、売上が落ちたときに先に直す費用が見えます。損益分岐点売上は、固定費 ÷ (1 - 変動費率) で計算できます。

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