日本語
ブログ

かき氷の原価計算|歩留まり・廃棄込みの1杯原価表

かき氷1杯の原価を、氷・シロップ・フルーツに分けて計算します。歩留まりと廃棄を織り込んだ実質単価の出し方、記入用の原価表、テイクアウトの税率差まで、そのまま自店の数字で再現できる手順にしました。

著者 KitchenCost
·
更新 2026年8月3日
かき氷 原価かき氷専門店原価計算価格設定歩留まりテイクアウト
目次

この記事の記入例では、かき氷1杯に使う氷は8円です。ブロック氷1kgを40円で仕入れ、200g使う条件で計算しています。

同じ記入例で、いちご練乳かき氷1杯の原価215円のうち氷は8円。残りの207円がいちご、シロップ、練乳です。

だから「かき氷は氷が安いから儲かる」という感覚は、原価表を作った瞬間に消えます。決めるべきなのは氷の量ではなく、フルーツを何g乗せて、いくらで売るかです。

いちご練乳かき氷1杯の原価215円の内訳。氷8円、いちご147円、シロップ30円、練乳30円で、氷は全体の4%にとどまる

この記事で決めること

主力のかき氷1杯を、今シーズンいくらで売るか。

そのために、次の順で計算します。

  1. フルーツの実質単価を出す(歩留まりと廃棄を含める)
  2. 1杯の原価を積み上げる
  3. 目標原価率から売価を逆算する
  4. テイクアウトを容器代と税率で別立てにする

まず記入する:1杯の原価表

自店の伝票を横に置いて、この表を埋めてください。金額欄は空です。埋める順番は左からです。

材料仕入単価歩留まり廃棄率実質単価使用量原価
 円/g100%0% 円/g g 円
フルーツ① 円/g % % 円/g g 円
フルーツ② 円/g % % 円/g g 円
シロップ 円/ml100% % 円/ml ml 円
練乳・クリーム 円/g100% % 円/g g 円
合計** 円**

実質単価の欄は、この式で埋めます。

実質単価 = 仕入単価 ÷ 歩留まり ÷ (1 − 廃棄率)

歩留まりは「仕入れた重さのうち、実際に器に乗る重さの割合」です。いちごならヘタと傷んだ部分を落とした後の重さ。廃棄率は「その日仕込んで、翌日に使えなくなった割合」です。どちらも1週間だけ実測すれば、感覚より正確な数字が出ます。

実質単価を出す

伝票の単価をそのまま使うと、原価は必ず低く出ます。

仕入単価1.5円/gを歩留まり75%で割ると2.00円/g、さらに廃棄率5%を差し引いた0.95で割ると端数処理前は約2.105円/gになり、70g使うと147円になる計算手順

記入例で追います。いちごを1パック300g・450円で仕入れているとします。

仕入単価   = 450円 ÷ 300g = 1.50円/g
歩留まり75% → 1.50 ÷ 0.75 = 2.00円/g
廃棄率5%   → 2.00 ÷ 0.95 = 2.105…円/g
1杯70g使用 → 端数処理前の2.105… × 70 = 147円

伝票の1.50円/gで計算すると1杯105円です。実質147円との差は42円。この42円は、ヘタを落とすときと、閉店時に捨てるときに、すでに払っています。

歩留まりと廃棄を外したまま原価率を出すと、記入例では23.1%と表示されます。実際は28.7%です。5ポイント以上の差が、原価表の上だけで消えています。

1杯の原価を積み上げる

いちご練乳かき氷の記入例です。売価は税抜750円としています。

材料仕入単価実質単価使用量原価
ブロック氷40円/kg0.04円/g200g8円
いちご450円/300g2.11円/g(表示丸め)70g147円
いちごシロップ1,200円/L1.20円/ml25ml30円
練乳260円/130g2.00円/g15g30円
合計215円
原価率 = 215円 ÷ 750円 = 28.7%

この215円は、この単価と、この歩留まりと、この使用量のときの数字です。仕入先が変われば全部変わります。市場の相場ではありません。

サイズを上げるときの計算

いちごを70gから90gにする場合。

追加原価 = 端数処理前の2.105…円/g × 20g = 42円
新しい原価 = 215 + 42 = 257円
売価が750円のままなら 257 ÷ 750 = 34.3%

氷を100g増やしても原価は4円しか増えません。増えるのはフルーツ側です。だからサイズ展開は、氷の量ではなくフルーツの量で価格差を付けるほうが、原価率が安定します。

目標原価率から売価を逆算する

原価に何割か足す方法だと、目標にした原価率になりません。割り算で戻します。

必要売価 = 原価 ÷ 目標原価率

記入例の215円で計算します。

目標原価率必要売価(税抜)メニュー表の価格丸めた後の原価率
25%860.0円880円24.4%
28%767.9円780円27.6%
30%716.7円750円28.7%
35%614.3円620円34.7%

丸めた後にもう一度原価率を出すところまでが手順です。切り上げても切り下げても、狙った率からは動きます。

なお、ここで見ているのは食材原価だけです。人件費、家賃、決済手数料はまだ引かれていません。原価率が低いことと、手元に残ることは別の話です。店全体で見るならプライムコスト(FLコスト)の計算方法のほうが近い内容です。

テイクアウトは別の計算になる

かき氷の持ち帰りは、容器代と税率の両方が店内と違います。

容器代を足す

資材1杯あたり
断熱カップ 円
 円
スプーン 円
保冷材 円
合計** 円**

記入例では合計45円としています。すると持ち帰り1杯の原価は 215 + 45 = 260円 です。

税率が違う

店内で食べてもらう提供は「外食」にあたり、標準税率10%です。持ち帰りは飲食料品の譲渡として軽減税率8%が適用されます(国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度、確認日 2026-08-03)。どちらになるかは、提供する時点で判定します(国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編))。

ここで起きやすいのが、店内とテイクアウトを税込で同じ価格にすることです。

店内       税抜750円 → 税込825円(10%)  原価215円 → 原価率28.7%
持ち帰り   税込825円 → 税抜763.9円(8%) 原価260円 → 原価率34.0%

税込で揃えると、持ち帰りの税抜売価は750円から763.9円へ13.9円増えます。ただし、容器代45円の増加のほうが大きいため、原価率は5.3ポイント開きます。同じ比率を保ちたいなら、丸めた28.7%ではなく元の比率を使い、260 × 750 ÷ 215 = 907円、税込では約980円です。

容器込みの計算をもう少し細かく詰めるなら、テイクアウトの原価計算と容器代イートインとテイクアウトの消費税と原価にも分けて書いています。

仕込み量は前日の実績から決める

フルーツの廃棄率は、仕込み量の決め方で変わります。かき氷は天気と気温で出数が動くので、固定の仕込み量では合いません。

現実的なのは、記録を取ってから決める順番です。

  1. 2週間、日別に「気温・天気・曜日・出数・廃棄したフルーツのg数」を書く
  2. その2週間の実績から、自店の出数の幅を出す
  3. 仕込み量を出数の下限側に寄せて、足りない日は当日カットで足す

一般的な係数表は載せません。立地と客層で幅が違いすぎて、他店の数字を借りても廃棄は減らないからです。自店の2週間分のほうが、はるかに正確です。

廃棄率の出し方そのものはロス率の計算ガイドに、歩留まりの測り方は歩留まり計算ガイドに分けています。

今週やること

  • いちごなど主力フルーツの歩留まりを、1回だけ秤で実測する
  • 主力3品の使用量をグラムで決めて、スタッフ全員に同じ計量器を使わせる
  • 実質単価の式で、主力3品の原価を出し直す
  • 目標原価率から必要売価を逆算して、メニュー表の価格と比べる
  • テイクアウトの容器代を1杯あたりで出して、税率8%で売価を別に決める
  • 1週間だけ、廃棄したフルーツのg数を記録する

KitchenCost で続ける場合

実質単価と使用量をレシピに登録しておくと、いちごの仕入値が変わったときに、そのフルーツを使う全メニューの原価が一度に更新されます。旬の入れ替わりで単価が動く商材ほど、手計算より差が出ます。

KitchenCost(無料ではじめる)

関連ガイド

参考

制度の確認(確認日: 2026-08-03)

この記事の金額はすべて記入例です。仕入単価、歩留まり、廃棄率、容器代は店ごとに違うので、業界平均としては使えません。

よくある質問

かき氷の原価は氷の値段で決まりますか?

決まりません。ブロック氷1kgが40円なら、1杯200gで8円です。この記事の記入例では1杯215円の原価のうち氷は8円で、全体の4%にとどまります。原価を動かしているのはフルーツとシロップの量です。

果物の原価はどう計算すればいいですか?

伝票の単価をそのまま使わず、実質単価 = 仕入単価 ÷ 歩留まり ÷ (1 − 廃棄率) で計算します。1g1.5円のいちごでも、歩留まり75%・当日廃棄5%なら端数処理前の実質単価は約2.105円/gです。70g使うなら105円ではなく147円です。

サイズを大きくするとき、価格はいくら上げればいいですか?

増えるグラム数に実質単価を掛けて、追加原価を出してから決めます。記入例ではいちごを70gから90gに増やすと原価が42円増え、売価が同じなら原価率は28.7%から34.3%に上がります。

テイクアウトを店内と同じ税込価格にしてよいですか?

容器代を足したうえで、税率が違うことを確認してください。店内飲食は外食として10%、持ち帰りは軽減税率8%です(国税庁 No.6102)。税込を同額にすると持ち帰りの税抜売価は13.9円増えますが、記入例では容器代45円の増加のほうが大きく、原価率は28.7%から34.0%に上がります。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・原価率・粗利率・販売価格を自動計算します。