アサイーボウルの原価は、ほとんどが最初の2行で決まります。
この記事の記入例では、1杯409円のうち冷凍アサイーピューレが180円、冷凍ミックスベリーが85円。合わせて265円で、原価の65%です。ここは輸入単価で動くので、店側で減らす余地はあまりありません。
動かせるのは、残りの35%と、その上に乗せるトッピングです。
この記事で決めること
トッピングを無料で乗せ続けるか、有料オプションに切り出すか。
そのために、次の順で計算します。
- トッピングなしの1杯の原価を積み上げる
- トッピング2種の追加原価を出す
- 無料と有料で原価率を比べる
- テイクアウトを容器代と税率で別立てにする
まず記入する:1杯の原価表
自店の仕入伝票を横に置いて埋めてください。冷凍品は仕入単位あたりの単価をそのまま使えます。
| 材料 | 仕入単位 | 仕入価格 | 単価 | 使用量 | 原価 |
|---|---|---|---|---|---|
| アサイーピューレ | g | 円 | 円/g | g | 円 |
| フルーツ① | g | 円 | 円/g | g | 円 |
| フルーツ② | 個 | 円 | 円/個 | 個 | 円 |
| グラノーラ | g | 円 | 円/g | g | 円 |
| 甘味(はちみつ等) | g | 円 | 円/g | g | 円 |
| その他 | g | 円 | 円/g | g | 円 |
| 合計(店内) | ** 円** | ||||
| 容器・スプーン | 円 | ||||
| 合計(持ち帰り) | ** 円** |
計算例:レギュラーサイズ
売価は税抜1,200円としています。
| 材料 | 仕入価格 | 単価 | 使用量 | 原価 |
|---|---|---|---|---|
| 冷凍アサイーピューレ | 1,800円/kg | 1.80円/g | 100g | 180円 |
| 冷凍ミックスベリー | 1,700円/kg | 1.70円/g | 50g | 85円 |
| グラノーラ | 2,400円/kg | 2.40円/g | 35g | 84円 |
| バナナ | 60円/本 | 30円/半本 | 1/2本 | 30円 |
| はちみつ | 1,000円/500g | 2.00円/g | 10g | 20円 |
| ココナッツフレーク | 400円/200g | 2.00円/g | 5g | 10円 |
| 合計 | 409円 |
原価率 = 409円 ÷ 1,200円 = 34.1%
バナナは1本60円を2杯で使い切る前提で30円としています。1本の半分だけ使って残りを捨てるなら、1杯の原価は60円です。皮を剥いて減る分は、1本あたりの価格にすでに含まれています。
この409円は、この仕入単価と、この使用量のときの数字です。ピューレの単価が変われば全部変わります。業界の平均原価ではありません。
トッピングを無料にするか、有料にするか
アーモンドスライス10gとチアシード5gを足す場合で比べます。
アーモンドスライス 3,000円/kg → 3.00円/g × 10g = 30円
チアシード 1,500円/500g → 3.00円/g × 5g = 15円
追加原価 = 45円
| 出し方 | 原価 | 売価(税抜) | 原価率 |
|---|---|---|---|
| トッピングなし | 409円 | 1,200円 | 34.1% |
| 2種を無料で乗せる | 454円 | 1,200円 | 37.8% |
| 2種を200円の有料オプション | 454円 | 1,400円 | 32.4% |
無料で乗せる 454 ÷ 1,200 = 37.8%
有料にする 454 ÷ 1,400 = 32.4%
差は5.4ポイントです。追加原価45円に対して200円もらえれば、その1杯は元のボウルより原価率が下がります。
判断材料はこれで揃います。無料で乗せ続けたいなら、その3.7ポイント分を回収する方法(売価そのものを上げる、トッピングの量を減らす)を別に決める必要があります。「無料のほうが注文が増えるから」で止めると、増えた注文ごとに45円ずつ出ていきます。
目標原価率から売価を逆算する
必要売価 = 原価 ÷ 目標原価率
| 目標原価率 | 原価409円のとき | 原価454円のとき |
|---|---|---|
| 30% | 1,363.3円 | 1,513.3円 |
| 33% | 1,239.4円 | 1,375.8円 |
| 35% | 1,168.6円 | 1,297.1円 |
| 38% | 1,076.3円 | 1,194.7円 |
メニュー表に載せる価格に丸めたら、もう一度原価率を出し直してください。1,200円に丸めるなら、原価409円で34.1%、原価454円で37.8%です。
テイクアウトは別の計算になる
容器代を足す
記入例では、容器とスプーンで1杯40円としています。
持ち帰りの原価 = 409 + 40 = 449円
原価率 = 449 ÷ 1,200 = 37.4%
税率が違う
店内で食べてもらう提供は「外食」にあたり標準税率10%、持ち帰りは飲食料品の譲渡として軽減税率8%です(国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度、確認日 2026-08-03)。どちらになるかは、提供する時点で判定します(国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編))。
税込で同じ価格に揃えると、税率が低い持ち帰りの税抜売価は1,200円から1,222.2円へ22.2円増えます。ただし、容器代40円の増加のほうが大きいため、原価率は店内より上がります。
店内 税抜1,200円 → 税込1,320円(10%) 原価409円 → 34.1%
持ち帰り 税込1,320円 → 税抜1,222.2円(8%) 原価449円 → 36.7%
容器代を回収したいなら、持ち帰りは税抜で 449 ÷ 0.341 = 1,317円 前後が必要です。税込では約1,422円になります。
くわしくはイートインとテイクアウトの消費税と原価とテイクアウトの原価計算と容器代に分けています。
仕入単価が動いたときにどこを触るか
アサイーピューレとベリーは輸入品で、単価が動きます。動いたときに触る順番を先に決めておくと、慌てて全メニューを上げずに済みます。
- グラノーラの量 — 単価が高く、見た目の印象が量ほど変わらない層
- 有料トッピングの価格 — 追加原価がはっきりしているので改定しやすい
- ボウルそのものの売価 — 最後。ここを触るときは全サイズを同時に見る
ピューレの量を減らすのは最後にしてください。ボウルの色と厚みが変わるので、量を戻しても評価が戻りにくい部分です。
仕入単価は月1回、同じ日に記録しておくと変化が追えます。廃棄が出ている場合の原価への織り込み方はロス率の計算ガイドに分けています。
今週やること
- ピューレ、ベリー、グラノーラの現在の仕入単価を伝票から書き出す
- 主力サイズの使用量をグラムで固定して、計量スプーンを決める
- トッピングなしの1杯の原価を出す
- 無料で乗せているトッピングの追加原価を出す
- 無料のままにするか、有料オプションに切り出すかを決める
- テイクアウトの容器代を足して、税率8%で売価を別に決める
KitchenCost で続ける場合
ピューレやベリーの単価を1か所で更新すると、それを使う全メニューの原価が同時に変わります。輸入単価が動く商材を複数のメニューで使っているほど、手計算との差が出ます。
関連ガイド
参考
制度の確認(確認日: 2026-08-03)
- 国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度 — 飲食料品の譲渡は8%、外食(飲食設備のある場所での食事の提供)は対象外
- 国税庁 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編) — 税率の判定は飲食料品を提供する時点で行う
この記事の金額はすべて記入例です。仕入単価も容器代も店ごとに違うので、業界平均としては使えません。