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飲食店の給料明細|食事手当が同額控除なのはなぜ?整理法

給料明細の食事手当と同額控除について、税務、賃金控除、給与記録の3つを分け、現行ルールと月次照合の手順を整理します。

著者 KitchenCost
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公開 2026年2月17日
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更新 2026年8月17日
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目次

給料明細に食事手当と同額の控除があっても、その表示だけで正しいとも誤りとも判断できません。税務、賃金控除、給与記録は別々の確認です。

先に要点:3つを独立して確認する

  1. 税務の確認:現物か現金か、食事価額、本人負担、会社負担を確認する
  2. 賃金控除の確認:労働基準法24条の全額払いと、必要な書面協定を確認する
  3. 給与記録の確認:提供台帳、支給欄、控除欄、対象月、差額を照合する

同じ金額が支給欄と控除欄にあることは、金額が一致しているという事実しか示しません。非課税、適法、正しい給与処理の証明にはなりません。

まかない税務・給与記録ワークブック(Excel)で、100件の提供記録、30人分の月次集計、30人分の給与明細照合ができます。判定欄は「確認補助」であり、法務・税務の結論ではありません。実運用は税理士・社会保険労務士等へ確認してください。

なぜ同額が表示されるのか

給与システムでは、従業員へ提供した食事などを支給・利益の欄へ表示し、本人負担や控除を別欄へ表示することがあります。たとえば次のような表示です。

食事手当・利益表示  +4,800円
食事代控除          -4,800円
差額                      0円

これは表示上の差額が0円というだけです。実際に何を提供したか、食事価額はいくらか、本人からどの根拠で控除したかは別資料で確認します。

確認1:税務は提供実態で見る

国税庁 No.2594「食事を支給したとき」は、令和8年4月1日現在法令等として、現物の食事を給与課税しない扱いに次の2条件の両方を求めています。

  1. 従業員が食事価額の半分以上を負担している
  2. 食事価額から本人負担を引いた会社負担が、1人あたり月7,500円以下である

月7,500円の判定は消費税・地方消費税を除きます。どちらかを満たさなければ、食事価額から本人負担を引いた金額が給与扱いです。

食事価額も確認する

  • 購入した食事:業者へ支払う購入価格
  • 自社調理の食事:直接の食材費と調味料費

給料明細の表示額を、そのまま食事価額とみなせるとは限りません。請求書、レシピ、提供食数と照合します。

現物と現金補助を分ける

会社が弁当業者等と契約し、会社から業者へ支払って食事を提供する形と、従業員が立て替えた食事代を現金で精算する形は分けます。現金による食事補助は原則として給与です。22時から翌5時の深夜勤務者で現物支給が困難な場合は、1食650円以下など国税庁の限定要件を個別に確認します。

確認2:賃金控除は全額払いの例外を確認する

労働基準法24条は、賃金を全額支払う原則を定めています。税務上の食事の扱いとは別の規定です。

法令に別段の定めがある場合を除き、食事代などを賃金から控除するには、事業場の過半数組合、または労働者の過半数代表者との書面協定があるかを確認します。個々の給与明細で同額になっていることは、この協定の代わりになりません。

給与照合では、正の控除額があるのに書面協定を「未確認」または「なし」とした行を、金額一致で通過させないようにします。

確認3:提供台帳と給与記録を同じ月で照合する

対象月ごとに次の記録を並べます。

記録確認する項目
食事提供記録日付、従業員ID、現物/現金、1食価額、本人負担、食数、証憑
従業員別月次食事価額合計、本人負担合計、会社負担、負担率、現金補助の有無
給与明細食事手当・利益表示、食事代控除、対象月
賃金控除資料過半数組合・過半数代表者との書面協定確認

本人負担の回収は次の式で確認できます。

本人負担回収差額 = 月次本人負担合計 - 給与控除 - 給与外回収

差額が0円でも、手当・利益表示、税務、賃金控除は別確認です。差額がある場合は、締め日、翌月控除、対象者、現金補助を照合します。手当・利益表示と給与控除が同額でも、その一致だけを正しさの証明にしません。

架空の照合例

架空従業員Aについて、提供台帳では次の月次合計だったとします。

  • 食事価額合計:10,000円
  • 本人負担合計:5,200円
  • 会社負担:4,800円
  • 本人負担率:52.0%
  • 給与明細の手当・利益表示:4,800円
  • 給与からの食事代控除:5,200円
  • 給与外での回収:0円
  • 賃金控除の書面協定:確認済み
本人負担回収差額 = 月次本人負担5,200 - 給与控除5,200 - 給与外回収0
                   = 0円

この場合に照合できたのは、台帳の本人負担額と実際の回収額です。手当・利益表示4,800円は会社負担との表示関係を別途確認します。結論は「本人負担回収額一致。手当表示・税務・労基法は別」です。食事価額の算定と提供実態を税理士へ、賃金控除の運用を社会保険労務士等へ確認します。

同額でも止めるケース

  • 現金補助なのに現物食と同じ判定をしている
  • 食事価額の算定資料がない
  • 本人負担率または会社負担月額を確認していない
  • 正の控除があるのに書面協定を確認していない
  • 提供月と給与控除月がずれているが説明がない
  • 従業員IDが台帳と給与明細で一致しない

判断できる範囲とできない範囲

  • ワークブックは記録と照合の補助です。
  • 金額一致は税務・労基法上の結論ではありません。
  • 源泉徴収、課税給与への算入、社会保険の扱いは専門家へ確認します。
  • 控除協定の内容、代表者選出、周知方法は事業場の実態に合わせて確認します。
  • 個人情報を含む給与ファイルは社内規程に従って保管します。

給与締め前のチェックリスト

  • 現物提供と現金補助を分けた
  • 食事価額の根拠を請求書または直接食材費・調味料費で残した
  • 本人負担50%以上を確認した
  • 会社負担月7,500円以下を税抜境界で確認した
  • 条件未達額を給与処理へ連携した
  • 正の食事代控除について書面協定を確認した
  • 提供台帳、月次集計、給与明細の対象月をそろえた
  • 同額表示を非課税・適法の証明として扱っていない
  • 税理士と社会保険労務士等へ必要箇所を確認した

食事原価の根拠を更新する場合

自社調理の直接食材費・調味料費を継続更新するときは、KitchenCostでレシピ原価の変更履歴を管理できます。給与・税務・賃金控除を確定するものではなく、食事価額の算定資料をそろえる用途に限って使ってください。

KitchenCostを確認する

公式資料

確認日:2026-08-17

関連ガイド

よくある質問

給料明細で食事手当と同額が控除されるのはなぜですか?

現物の食事などを支給欄と控除欄に表示し、給与記録上の動きを示す運用があります。ただし、同額表示だけでは税務上の扱いや賃金控除の適法性は決まりません。

同額控除なら非課税ですか?

いいえ。現物食の税務は、本人負担が食事価額の半分以上か、会社負担が月7,500円以下かという2条件の両方を実態で確認します。

食事代を給与から控除できますか?

労働基準法24条は賃金の全額払いを定めています。法令による場合を除き、過半数組合または過半数代表者との書面協定があるかを確認してください。

給与担当者は何を照合すればよいですか?

食事の提供記録、従業員別月次集計、給与明細の手当・利益表示、控除額、賃金控除の書面協定確認を同じ対象月で照合します。

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