デザートの採算は、1台の材料費だけでは分かりません。切り分けた数、販売できた数、包装や作業にかかった費用まで確認します。
以下は架空例です。市場価格、標準原価率、売上改善の実績ではありません。すべて同じ税抜基準で計算し、自店の仕入れ値と実測量へ置き換えてください。
ケーキ1台の材料費を計算する
| 材料 | 購入・使用の仮定 | 1台の材料費 |
|---|---|---|
| クリームチーズ | 1,000g・2,000円から400g使用 | 800円 |
| 生クリーム | 1,000ml・1,000円から200ml使用 | 200円 |
| 卵 | 1個40円を3個使用 | 120円 |
| 砂糖 | 1,000g・400円から150g使用 | 60円 |
| 薄力粉 | 1,000g・300円から50g使用 | 15円 |
| バター | 450g・900円から100g使用 | 200円 |
| ビスケット | 200g・400円から100g使用 | 200円 |
| その他の材料 | 使用分の合計 | 5円 |
| 合計 | 1,600円 |
材料の計算式は 購入金額 ÷ 使用できる購入量 × 使用量 です。重量と体積を混ぜず、gで測った量にはg単価、mlで測った量にはml単価を使います。
切り分け数と販売数を分ける
1台を8ピースに分け、すべて販売できる仮定なら、1ピースの材料原価は 1,600 ÷ 8 = 200円 です。600円で売る場合の材料原価率は約33.3%、材料費を引いた残額は400円です。
同じケーキを大きく6ピースに切れば、1ピース約266.7円になります。レシピが同じでも提供サイズで原価が変わるので、型の大きさだけでなく実際に取れる数量を記録してください。
8ピース作って6ピースしか売れなかった場合
8ピースに切り、6ピースを600円で販売し、残る2ピースを廃棄したとします。
売上 = 600円 × 6 = 3,600円
材料費 = 1,600円
材料費率 = 1,600 ÷ 3,600 × 100 = 約44.4%
材料費を引いた残額 = 2,000円
販売した6ピースの分だけを原価1,200円とすると、廃棄分400円が抜けます。一方、1台分1,600円をすでに原価に入れた後で同じ廃棄率を重ねて掛けると二重計上です。
包装と焼成費用を加える
持ち帰り用に販売時だけ1ピース30円の包装を使い、1台の焼成に配分する電気代を80円と置きます。80円は計算用の仮定で、オーブンの標準消費額ではありません。
| 1台分の比較 | 8ピース完売 | 6ピース販売・2ピース廃棄 |
|---|---|---|
| 売上 | 4,800円 | 3,600円 |
| 材料費 | 1,600円 | 1,600円 |
| 包装 | 240円 | 180円 |
| 焼成の電気代 | 80円 | 80円 |
| 上記費用を引いた残額 | 2,880円 | 1,740円 |
残額には人件費・家賃・決済手数料などをまだ含めていません。先に全ピースを包装する運用なら、廃棄した分の包装代も加えます。焼成費を別に引いた場合、月の光熱費から同じ金額をもう一度引かないようにしてください。
コーヒーとセットにする場合
ケーキ600円・材料200円、コーヒー400円・材料50円の架空例です。店内提供で、包装は使わない条件とします。
| 販売方法 | 売上 | 材料費 | 材料費を引いた残額 |
|---|---|---|---|
| ケーキだけ | 600円 | 200円 | 400円 |
| コーヒーだけ | 400円 | 50円 | 350円 |
| 両方を定価で販売 | 1,000円 | 250円 | 750円 |
| 900円のセット | 900円 | 250円 | 650円 |
セットの材料原価率は 250 ÷ 900 × 100 = 約27.8% です。ケーキ単品の33.3%より低くても、両方を定価で売る場合より残額は100円少なくなります。どの購入が増え、どの購入がセットへ置き換わったかを分けて見ます。
コーヒーだけの注文にケーキが追加される場合、この例では残額が350円から650円へ300円増えます。ただし、追加の仕込み・提供作業や廃棄も含めて判断します。すべての客がセットを買う、客単価が一定倍率になるといった前提は置きません。
価格設定の公式
自分で選んだ材料原価率から価格案を出す式は次のとおりです。
価格案 = 1ピースの材料原価 ÷ 選んだ材料原価率
例:200円 ÷ 0.35 = 約571.4円
35%は仮の目標で、カフェの標準ではありません。円単位でこの率以下にするなら572円へ切り上げますが、その価格で費用を回収できるか、販売できるかは別に確認します。包装や人件費を含めるなら、費用範囲も変えて計算し直してください。
日々の原価を更新する
KitchenCostに材料の購入価格・容量とレシピの使用量を登録すると、材料費の確認に使えます。1台から何ピース取れるかをそろえ、販売価格は自分で決めて原価と比較します。ダウンロード案内から対応ストアを確認できます。廃棄数、包装、焼成費、人件費は上の表などで別に管理してください。
今すぐやること
- 1台の材料費と販売できるピース数を測る
- 製造数、販売数、廃棄数を分けて記録する
- 包装と光熱費を重複なく加える
- セットの値引きと販売数を確認する