個人事業の飲食店では、「店主本人の食事」と「従業員へ支給する食事」を分けて記録します。食材が同じでも、税務上の確認目的は異なります。
No.2594は従業員向けの基準
国税庁 No.2594の「令和8年4月1日現在法令等」では、従業員に食事を支給する場合に次の2条件を両方確認します。
- 従業員が食事価額の50%以上を負担する
- 店側負担が従業員1人につき月7,500円以下(消費税・地方消費税を除く)である
条件を満たさない場合は、食事価額から従業員負担額を差し引いた額が給与として扱われます。
この従業員向け基準は、店主本人の食事や自家消費の取扱いを決める基準ではありません。店主本人分は、販売用商品を家事で消費したのか、事業上の試作・検食なのかなど、実態と記録によって税理士に確認します。
価額は根拠から計算する
- 弁当などを購入する場合: 業者へ支払う購入価格
- 店内で食事を作る場合: 直接の食材費と調味料費
店内調理食は、使用した食材・調味料の数量と仕入単価を残します。根拠のない概算だけで済ませず、仕入価格の改定時に更新します。
記録は店主分と従業員分を分ける
| 日付 | 食事の内容 | 区分 | 食事価額 | 従業員負担 | 目的・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/1 | カレー | 店主 | 480円 | - | 営業後の食事 |
| 8/1 | カレー | 従業員A | 480円 | 240円 | 当日勤務 |
| 8/2 | 新メニュー | 店主 | 520円 | - | 試作の内容を別紙記録 |
「誰が食べたか」だけでなく、金額の根拠と使用目的を残します。店主の試作と日常の食事を同じ区分にしないことが重要です。
月次の確認順序
- 仕入資料とレシピから食事価額を更新する
- 店主本人分、従業員分、試作・検食を集計する
- 従業員は1人ずつ50%以上の負担と月7,500円以下を確認する
- 店主本人分の使用実態と申告上の取扱いを確認する
- 仕訳、給与、消費税の判定が必要な項目を税理士へ共有する