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弁当・テイクアウトの原価計算|容器代込みで利益が出る価格設定

弁当屋・テイクアウト専門店の原価率の目安は?容器代・人件費・廃棄ロスを含めた正確な原価計算方法と、500円〜1,000円台で利益を出す価格設定を解説。

更新 2026年2月6日
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目次

要点まとめ

先に押さえる要点は、弁当屋の原価率は35-45%が目安だが、容器代込みで計算する、容器・箸・袋で1食あたり30-80円のコストがかかる、イートイン型と同じ原価率では利益が出ない、品数を増やすほどロスも増えるです。


弁当・テイクアウトは原価率の考え方がイートイン型とは大きく異なる

「弁当屋の原価率は40%でいい」と信じて痛い目にあう方が少なくない。


弁当・テイクアウトの原価率はなぜ高い?

弁当屋の原価率が**35〜45%**と高めなのには理由があります。

要因説明
品数が多い主菜+副菜2〜3品+ご飯で食材数が多い
容器代が発生弁当容器・蓋・箸・袋で1食あたり30〜80円
見た目が重要彩りのために原価率の高い食材を使いがち
保存性の制約傷みやすい食材が使いにくく、選択肢が限られる

ただし、弁当屋が40%で成り立つのはホールスタッフが不要、客席の家賃がないからです。飲食店がテイクアウトを「追加」する場合は、既存の経費構造があるため、同じ原価率では利益が出ません。


原価計算の基本:容器代込み

弁当の原価 = 食材費 + 容器代 + 調味料

イートインと違い、テイクアウトでは容器・箸・袋が毎回の消耗品コストとして加わります。


具体例:日替わり弁当(鶏の唐揚げ弁当)

食材費の内訳

食材使用量単価原価
鶏もも肉120g0.92円/g110円
片栗粉15g0.4円/g6円
揚げ油(使用分)30ml0.4円/ml12円
白米200g(炊飯前)0.6円/g120円
卵焼き(卵1個分)30円
きんぴらごぼう50g25円
ほうれん草のおひたし40g20円
漬物15g8円
醤油・にんにく・生姜10円
食材費 合計341円

容器・消耗品

品目単価
弁当容器(蓋付き)35円
割り箸3円
レジ袋5円
おしぼり3円
ラベルシール2円
容器代 合計48円

1食あたり総原価

食材費 341円 + 容器代 48円 = 389円

価格設定

販売価格原価率判定
650円59.8%❌ 赤字の可能性大
750円51.9%⚠️ 弁当専門店でもギリギリ
850円45.8%✅ 弁当屋なら適正ライン
980円39.7%✅ 飲食店のテイクアウトなら適正

弁当専門店なら850円前後、飲食店のテイクアウトなら980円前後が適正な価格帯です。


業態別の原価率目安

業態原価率の目安補足
弁当専門店35〜45%ホールスタッフ不要、家賃が安い
飲食店のテイクアウト28〜35%既存の経費構造を考慮
惣菜・デリカ35〜45%品数と見た目が原価を押し上げる
高級仕出し弁当40〜50%食材のグレードが高い、包装も豪華
デリバリー弁当28〜32%プラットフォーム手数料が別途15〜35%

原価率だけでなく、FLコスト(食材費+人件費)を60%以内に抑えることが重要です。弁当屋は人件費が低い分、原価率を高くできます。飲食店はその逆です。


飲食店がテイクアウトを始める場合の注意

やってはいけないこと

弁当屋の原価率(40%)をそのまま真似する

弁当屋が40%で成り立つ理由:

  • ホールスタッフがいない(人件費が低い)
  • 客席スペースの家賃がない
  • 設備投資が飲食店より少ない

飲食店はこれらの経費が既にかかっているため、テイクアウトでも30〜35%の原価率を維持する必要があります。

正しい考え方

テイクアウト価格 = (食材費 + 容器代) ÷ 目標原価率

食材費300円 + 容器代50円 = 350円350円 ÷ 0.33(原価率33%目標)= 1,061円

「1,000円の弁当」として販売すれば、原価率35%。飲食店のテイクアウトとしては適正です。


利益を上げる5つの工夫

1. 容器代を「見える化」する

容器代は1食30〜80円。月に500食売れば15,000〜40,000円の経費です。

容器タイプ単価の目安特徴
発泡スチロール15〜25円最安だが安っぽい印象
PP(ポリプロピレン)25〜40円電子レンジ対応、標準的
紙製・エコ素材40〜70円高級感があるが高い
木製折箱80〜150円仕出し弁当向け

容器で付加価値をつけるのも戦略の一つ。エコ容器を使って50円高く売れるなら、容器のアップグレード代(+20円)を上回る利益になります。

2. 副菜は共通化する

弁当の副菜を日替わりにすると食材管理が複雑になります。

おすすめ:副菜の2/3を固定メニューにする

  • 毎日同じ:きんぴら、漬物
  • 週替わり:おひたし類
  • 日替わり:主菜のみ

食材の発注がシンプルになり、廃棄ロスが大幅に減ります。

3. ドリンク・汁物をセット販売する

単品原価販売価格原価率
味噌汁25円150円17%
ペットボトル飲料70円150円47%
自家製ドリンク30円200円15%

弁当+味噌汁のセット販売で、全体の原価率を下げながら客単価を上げることができます。

4. ロスを最小化する

弁当は売れ残りリスクが大きい業態です。

  • 予約注文の比率を上げる(LINEや電話での事前注文)
  • 製造数を段階的に増やす(開業初月は少なめに設定)
  • 売れ残りが出やすい時間帯を把握して製造を調整
  • 廃棄ロス率を記録し、月次で改善

飲食店の平均廃棄ロスは3〜8%ですが、弁当の場合は予約比率が低いと10%を超えることもあります。

5. 原価計算を定期的に更新する

2024年後半から食材価格の上昇が続いており、原価率の平均は36%前後まで上昇しています。特に影響が大きいのは:

  • 米(2024年の「令和の米騒動」以降、価格上昇が続く)
  • 鶏卵(鳥インフルエンザの影響で不安定)
  • 食用油(輸入コスト上昇)
  • 野菜(天候不順による価格変動)

最低でも月1回は原価を見直しましょう。


テイクアウト弁当の価格帯別モデル

500円弁当(コンビニ対抗)

項目金額
食材費180〜200円
容器代20〜25円
原価合計200〜225円
原価率40〜45%

利益を出すには大量生産食材の共通化が必須。個人店には厳しい価格帯。

750〜850円弁当(個人弁当屋の標準)

項目金額
食材費280〜340円
容器代30〜45円
原価合計310〜385円
原価率38〜45%

最も競争が激しい価格帯。味と量のバランスが勝負。

1,000〜1,200円弁当(飲食店テイクアウト)

項目金額
食材費300〜400円
容器代40〜60円
原価合計340〜460円
原価率32〜38%

店の味をそのまま弁当にできる。ブランド力がある飲食店に適した価格帯。


まとめ

  1. 弁当の原価 = 食材費 + 容器代。容器代を忘れると原価が5〜15%ズレる
  2. 弁当専門店は原価率**35〜45%が目安、飲食店のテイクアウトは28〜35%**を目標に
  3. 飲食店が弁当屋の原価率をそのまま真似するのは危険。経費構造が違う
  4. 副菜の共通化、セット販売、予約比率の向上で原価率と廃棄ロスを改善
  5. 食材費の上昇が続く今、月1回の原価見直しは必須

今すぐやること

  • 主力弁当の食材費を計算する
  • 容器・箸・袋のコストを1食あたりで計算する
  • 調味料・油のコストを加算する
  • 目標原価率を決める
  • 販売価格を逆算する

関連ガイド


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参考資料

よくある質問

弁当の原価率は何%が目安?

店舗形態で変わりますが、35-45%の範囲で設計する店が多いです。まずは自店の目標を決めましょう。

容器コストはどこまで入れる?

容器・蓋・箸・袋は必ず1食あたり原価に含めます。小さな差が利益を左右します。

品数を増やすと利益はどうなる?

品数が増えるほどロスが増え、原価率が上がりやすいです。品数よりも歩留まりを優先します。

日替わり弁当の価格はどう決める?

主菜の原価を基準に価格を決め、固定の原価率で逆算します。副菜は規格化してぶれを抑えます。

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