飲食店の回転率は、テーブルなら 来店組数 ÷ テーブル数、席なら 来店人数 ÷ 総席数 で計算します。たとえば20卓で60組を案内した日は、テーブル回転率が 3.0回転 です。
検索で「回転率 計算方法」を調べる人が本当に知りたいのは、式そのものよりも「今の数字は足りているのか」「売上にどれくらい効くのか」です。このページでは、計算式、業態別の目安、20席の売上例、急かさず改善する方法を順番に整理します。

先に結論
| 見たい数字 | 計算式 | 使いどころ |
|---|---|---|
| テーブル回転率 | 来店組数 ÷ テーブル数 | テーブルが何回入れ替わったか |
| 席回転率 | 来店人数 ÷ 総席数 | 席数ベースで売上余地を見る |
| 客席稼働率 | 着席人数 ÷ 利用可能席数 | 空席・相席・4人席の使い方を見る |
| 売上目安 | 来店人数 × 客単価 | 回転率改善の金額インパクトを見る |
回転率は高ければ高いほど良い数字ではありません。ラーメン店とコース料理の店では、目標にすべき滞在時間も客単価も違います。まずはランチとディナーを分け、自店の先週・前月と比べてください。
回転率の計算式
テーブル単位で見る場合:
テーブル回転率 = 来店組数 ÷ テーブル数
席単位で見る場合:
席回転率 = 来店人数 ÷ 総席数
例として、テーブル20卓の店でランチに60組を案内した場合:
60組 ÷ 20卓 = 3.0回転
40席の店で120人が来店した場合:
120人 ÷ 40席 = 3.0回転
同じ3.0回転でも、2人客中心なのか、4人客中心なのかで売上は変わります。テーブル回転率だけでなく、席回転率と客単価も並べて見ると判断を間違えにくくなります。
業態別の回転率目安
次の表は、店舗改善の初期チェックに使う実務上の目安です。公式な平均値ではなく、業態ごとの滞在時間と注文導線から考えるレンジとして使ってください。
| 業態 | 滞在時間の傾向 | 回転率の見方 |
|---|---|---|
| 立ち食いそば・牛丼 | 10-15分 | 高回転が前提 |
| ラーメン店 | 15-25分 | 提供時間と退店後リセットが重要 |
| 定食屋 | 20-35分 | ランチの席回転が売上を作る |
| カフェ | 30-90分 | 滞在時間と客単価のバランスを見る |
| 居酒屋 | 90-150分 | 回転率より客単価・追加注文が重要 |
| レストラン | 60-120分 | 予約枠とテーブルリセットを見る |
| コース・高級店 | 120分以上 | 回転率より席単価と体験価値を見る |
平均値だけを追うと危険です。カフェがラーメン店のような回転率を目指すと、客単価やリピートが落ちることがあります。反対に、ラーメン店や定食店で滞在時間が伸びているなら、注文、提供、会計、片付けのどこかに詰まりがあります。
20席の売上例
回転率は、金額に直すと優先度が見えます。20席、客単価1,200円の定食屋で考えます。
| 席回転率 | 来店人数 | 1日売上 | 25営業日の売上 |
|---|---|---|---|
| 3.0回転 | 60人 | 72,000円 | 1,800,000円 |
| 3.5回転 | 70人 | 84,000円 | 2,100,000円 |
| 4.0回転 | 80人 | 96,000円 | 2,400,000円 |
3.0回転から4.0回転になると、月商は約60万円変わります。ただし、ここで見るべきなのは売上だけではありません。原価率が高い商品ばかり出ているなら、売上が伸びても利益は残りません。
回転率を利益につなげる考え方は、回転率を上げても利益が増えない理由でも整理しています。
回転率と客席稼働率の違い
回転率は「何回使われたか」です。客席稼働率は「どれだけ埋まっていたか」です。
たとえば4人テーブルに2人客を案内した場合、テーブルは1回使われています。しかし、席は2席余っています。この状態が続くと、テーブル回転率は悪く見えないのに、席ベースの売上が伸びません。
| 状態 | テーブル回転率 | 席効率 |
|---|---|---|
| 4人席に4人 | 1回転 | 高い |
| 4人席に2人 | 1回転 | 低い |
| 2人席に2人 | 1回転 | 高い |
小さな店では、テーブル数よりも「2人席を増やす」「カウンター席を使う」「予約の人数配分を見る」ほうが効くことがあります。
回転率が上がらない原因
回転率を上げる前に、どこで時間が止まっているかを見ます。

| 詰まりやすい場所 | 見る数字 | 改善例 |
|---|---|---|
| 着席から注文まで | 注文確定までの分数 | メニュー数を絞る、QR注文、ランチセット化 |
| 注文から提供まで | 提供時間 | 仕込み、導線、同時調理しやすい構成 |
| 食後から会計まで | 会計待ち時間 | テーブル会計、決済手段追加、レジ導線 |
| 退店から次の案内まで | リセット時間 | バッシング手順、備品位置、担当分担 |
| 席の割り当て | 2人客・1人客の席 | カウンター、2人席、予約枠の調整 |
一番効きやすいのは、退店後のテーブルリセット時間です。お客さんを急かさずに改善できるため、レビューや満足度を傷つけにくいからです。詳しくはテーブルリセット時間を短縮する方法を参照してください。
回転率を上げる改善策
1. ランチの注文迷いを減らす
ランチでメニューが多すぎると、着席から注文までの時間が伸びます。おすすめは、日替わり、定番、軽めの3系統にまとめることです。選びやすくなるだけで、厨房の段取りも安定します。
2. 提供時間が長い商品を見直す
売れている商品でも、提供に時間がかかりすぎると席を止めます。原価率だけでなく、調理時間と粗利を並べてください。価格設計まで含めて見るなら、飲食店の値段の決め方が近い内容です。
3. 会計を詰まらせない
レジ待ちは、満席時にそのまま機会損失になります。レジ前で3分詰まるより、テーブル会計やQR決済で30秒に近づけるほうが、ランチの追加案内につながります。
4. テーブルリセットを標準化する
「気づいた人が片付ける」だと、忙しい日に必ず遅れます。下げる、拭く、セットする、次の案内を呼ぶ、という順番を決め、何分以内に戻すかを測ります。
5. 回転率だけでなく粗利も見る
高回転でも、粗利が薄い商品ばかり売れると利益は増えません。回転率、客単価、原価率、FL比率を一緒に見るなら、回転率とFL比率の同時管理が参考になります。
急かさずに改善する
回転率改善で一番やってはいけないのは、お客さんに「早く帰ってほしい」と感じさせることです。
避けたい対応:
- 食事中に何度も皿を下げようとする
- 空席があるのに会計を急がせる
- 追加注文の余地がある時間帯まで退店を促す
- スタッフが焦っている雰囲気を客席に出す
狙うべきは「急かす」ではなく「待たせない」です。注文を待たせない、料理を待たせない、会計を待たせない、退店後に次のお客さんを待たせない。この4つを分けて改善します。
7日間だけ測るシート
最初から複雑なダッシュボードは不要です。まず7日間だけ、ランチとディナーを分けて記録します。
| 日付 | 時間帯 | 来店組数 | 来店人数 | テーブル数 | 売上 | 客単価 | リセット平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | ランチ | ||||||
| 月 | ディナー | ||||||
| 火 | ランチ |
7日分そろうと、改善すべき場所が見えます。
- 回転率は低いが客単価が高い: 無理に急がせない
- 回転率も客単価も低い: メニュー構成と席運用を見直す
- 回転率は高いが利益が低い: 原価率・粗利メニュー比率を見る
- リセット時間だけ長い: 片付け手順を改善する
今週やること
- ランチとディナーを分けて、来店組数と来店人数を数える
- テーブル回転率と席回転率を両方出す
- 20席・40席など、自店の席数で売上差を計算する
- 注文、提供、会計、リセットのうち一番遅い場所を1つだけ選ぶ
- 回転率が上がった日に、客単価と粗利も落ちていないか確認する
関連ガイド
メニューごとの原価と粗利が見えると、回転率の数字にも意味が出ます。KitchenCostで売れ筋メニューの原価を先に出しておくと、回転率改善が「忙しくなるだけ」で終わりにくくなります。