「原価率は30%前後で管理できているのに、資金繰りが苦しい」
この状態は、人件費の見え方が実態より軽くなっているケースで起きやすい。特に多いのは、仕込み・片付け時間の未計上と、オーナー自身の労働を無料扱いにしているパターンだ。
先に結論
- 人件費率 = 人件費 ÷ 売上(税抜)× 100
- 時給・月給だけでなく、社会保険料・手当・残業代・オーナー労働まで含める
- 目標はFL比率(食材費+人件費の割合)から逆算する
- 令和7年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円
計算式
人件費率(%)= 人件費 ÷ 売上(税抜)× 100
消費税を含む売上で割ると比率が実態より低く見える。必ず税抜売上を使うこと。
人件費に含める項目
- アルバイト・パートの時給
- 正社員給与
- 残業代
- 社会保険料・労働保険料(事業主負担分)
- 交通費・各種手当
- 現場に入るオーナー労働(時給換算)
「給与だけ」で計算すると、ほぼ必ず実態より低く出る。
最低賃金の確認(2026年2月時点)
厚生労働省の令和7年度改定で、全国加重平均は1,121円(前年度比+66円)。
代表例:
- 東京都:1,226円
- 神奈川県:1,225円
- 大阪府:1,177円
人件費計画は、店舗所在地の最新最低賃金を前提に更新すること。
5分でできる月次計算(例)
ある店舗の1ヶ月データ:
- 売上(税抜):380万円
- 時給スタッフ賃金:86万円
- 月給スタッフ:24万円
- 社会保険・手当(事業主負担分):11万円
人件費合計 = 86万 + 24万 + 11万 = 121万円
人件費率 = 121万 ÷ 380万 × 100 = 31.8%
この数字を原価率と合わせてFL比率を見れば、適正範囲に収まっているか判断できる。
目標はFL比率から逆算する
目標人件費率 = 目標FL比率 − 目標原価率
例:
- FL比率目標:60%
- 原価率目標:31%
目標人件費率 = 60% − 31% = 29%
この形で設定すると「人を減らすかどうか」ではなく**「どの時間帯・工程を改善するか」**を具体化しやすくなる。
人件費率が悪化する典型パターン
- 仕込み時間がシフトに反映されていない。 営業時間外の労働が計上漏れ
- 閑散時間帯に人数を固定で置いている。 14時〜17時に3人必要か?
- 残業が毎日積み上がっている。 30分の残業×20日=10時間。時給1,121円なら月11,210円×人数分
- オーナー労働を無料扱いにしている
今月やること
- 先月の税抜売上を確定する
- 給与・残業代・保険料・手当を合算する
- オーナー労働を時給換算で追加する
- 人件費率とFL比率を同時に確認する
- 閑散時間帯の配置を30分単位で見直す
関連ガイド
参考資料
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