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麻辣湯専門店、お客さんが具材を選ぶのに利益が読めない——量り売りの原価設計

麻辣湯はお客さんが具材を自由に選ぶから、1杯ごとに原価が違う。肉と海鮮ばかり選ばれたら赤字になりかねない。スープベースの原価固定と、具材のg単価設計で利益を守る方法。

更新 2026年2月18日
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目次

麻辣湯専門店のオーナーに「1杯の原価はいくら?」と聞くと、答えに詰まることが多い。

当然だ。お客さんが具材を選ぶから、1杯ごとに原価が違う。

肉と海鮮ばかり選ぶ人もいれば、野菜と豆腐で済ませる人もいる。前者の原価率は40%超、後者は20%台。同じ売値なのに利益が倍以上違う。

だからこそ、麻辣湯の原価管理は**「どんな組み合わせでも利益が残る設計」**にすることが前提になる。スープベースの原価を固定し、具材はg単価でルールを作る。

先に結論

  • スープベースは「1杯○円」で固定する。 仕込み品として管理し、ここはブレさせない
  • 具材はg単価で3段階に分ける。 低原価(野菜・豆腐)、中原価(練り物・麺)、高原価(肉・海鮮)
  • 高原価具材は量を制限するか別料金にする。 肉と海鮮を無制限にすると原価率が崩壊する
  • 「基本スープ料金 + 具材量り売り」が利益を守る設計

麻辣湯1杯の原価を分解する

例:量り売りモデル(具材200g・税抜850円)

項目原価
スープベース(鶏ガラ+豚骨ベース)60円
麻辣スパイスオイル20円
具材(混合200g)120円
麺 or 春雨25円
容器(テイクアウト)15円
合計240円

原価率:240 ÷ 850 = 28.2%

ただしこれは「平均的な具材構成」の場合。肉と海鮮が多い客だと原価が倍近くなることもある。

スープベースの原価管理

スープは麻辣湯の命だけど、原価は比較的安い。ここを固定できると、具材の価格設計がやりやすくなる。

スープベース1バッチの例(50杯分)

材料原価
鶏ガラ2kg400円
豚骨1kg200円
ネギ・生姜・にんにく適量150円
花椒100g300円
唐辛子(乾燥)200g400円
豆板醤200g200円
その他スパイス各種350円
食用油(スパイスオイル用)500ml200円
合計2,200円
1杯あたりのスープ原価 = 2,200 ÷ 50 = 44円
スパイスオイル追加分 = 約20円
合計 = 約64円/杯

具材のg単価設計

量り売りの利益は、具材ごとのg単価で決まる。

3段階の具材カテゴリ

カテゴリ代表的な具材仕入れ原価売価目安(10gあたり)目的
低原価白菜、もやし、ほうれん草、豆腐、きくらげ3〜6円/10g10〜15円/10g利益の柱
中原価練り物、はんぺん、麺、春雨、うずら卵8〜14円/10g15〜20円/10gバランサー
高原価豚バラ薄切り、牛肉、海老、つみれ18〜30円/10g25〜35円/10g客単価UP

低原価具材をたっぷり置いて、自然と手に取ってもらう設計が大事。 ショーケースの手前に野菜・豆腐を並べて、肉・海鮮は奥に配置する——これだけで具材構成の平均原価率が2〜3ポイント変わることもある。

肉・海鮮の量制限ルール

肉と海鮮を無制限にすると、原価率が40%を超えるリスクがある。対策は2つ。

  1. 「肉類3種まで」のルールを設ける — 具材ケースに表示する
  2. 肉・海鮮は別料金にする — 基本料金(スープ+野菜具材)+ 肉トッピング+100〜200円

廃棄ロスの管理

麻辣湯の具材は仕込み済みで冷蔵ケースに並べるので、当日売れ残ると翌日使いにくいものが多い。

特に注意すべき具材:

  • 葉物野菜(ほうれん草、白菜) — しなびると見た目が悪くなる
  • 薄切り肉 — 変色すると出せない
  • 豆腐 — 水分が出て崩れやすい

対策は、曜日別の仕込み量を過去4週のデータで決めること。金曜に多めに仕込んで月曜も同じ量を仕込んでいたら、月曜の廃棄は避けられない。

月次の利益シミュレーション

前提

  • 営業日数:25日
  • 1日の平均杯数:60杯
  • 平均客単価:900円
月間売上 = 60杯 × 900円 × 25日 = 1,350,000円

原価率28%の場合(具材構成が良い):
原価 = 378,000円
粗利 = 972,000円

原価率36%の場合(肉・海鮮比率が高い):
原価 = 486,000円
粗利 = 864,000円

差額 = 108,000円/月 = 年間1,296,000円

具材構成の管理だけで、年間130万円の利益差になる。

今週やること

  • スープベースを1バッチ単位で原価計算する
  • 具材をカテゴリ分けして、g単価を設定する
  • ショーケースの並び順を見直す(低原価を手前に)
  • 高原価具材の量制限ルールを決める
  • 1週間の具材廃棄量を記録する

関連ガイド


スープベースと具材を登録すれば、麻辣湯1杯の原価が自動で出ます。具材の仕入れ価格が変わっても原価率がすぐわかる。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

麻辣湯の原価率は何%が目安?

量り売りモデルなら全体で25〜35%を目標にします。野菜・豆腐中心なら20%台、肉・海鮮が多いと35%を超えることも。具材ごとのg単価を設定して、どんな組み合わせでも30%前後に収まる設計が理想です。

スープベースの原価はどう計算する?

1バッチの仕込み量(材料費の合計)を完成量で割り、1杯あたりの原価を出します。たとえば材料費3,000円で50杯分のスープなら1杯60円。スパイスオイルは別で15〜25円。合計75〜85円くらいが目安です。

お客さんが高い具材ばかり選んだらどうする?

具材をカテゴリ分けして、高原価(肉・海鮮)は量を制限するか、別料金にするのが現実的です。「肉3種まで」「海鮮は+100円」のルールを設けている店もあります。低原価の野菜・豆腐をたっぷり置いて、自然と選ばれる設計にするのもポイントです。

麻辣湯の具材廃棄はどう管理する?

具材は仕込み済みで冷蔵ケースに並べるので、当日売れ残ると廃棄になりやすい。特に葉物野菜と薄切り肉は翌日使いにくい。1週間の販売データを見て、曜日別に仕込み量を調整するのが基本です。

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