「トマトソースを作るのに材料費だけで5,000円かかった…パスタ1皿にいくら分入っているんだろう?」
自家製のソース、出汁、生地の原価がわからないと、メニュー価格を感覚で決めることになります。
仕込み品の原価を体系的に管理する方法をまとめました。
要点まとめ
- 仕込み品 = 自家製で作り、複数メニューに使う材料
- 単位原価 = 総材料費 ÷ 生産量(g/ml)
- 材料価格が変わると連鎖的に全メニュー原価が変わる
- 完成後に必ず計量し、ロス込みの単価を出す
仕込み品とは?
仕込み品 = 自家製で作り、複数のメニューに使用する材料
- トマトソース → パスタ、ピザ、リゾットに使用
- 出汁 → ラーメン、うどん、煮物に使用
- カスタードクリーム → シュークリーム、クリームパン、タルトに使用
- パン生地 → 食パン、バゲット、ロールパンに使用
仕込み品の原価がわからないと、それを使うすべてのメニューの原価が間違います。
仕込み品原価計算の3ステップ
Step 1: 総生産量を測定
ソースを一度作ったら、何g(またはml)できるかを測定します。
例:トマトソース
完成量 = 2,500g(約2.5L)
調理過程で水分が蒸発すると、予想より少なくなります。完成後に必ず計量してください。
Step 2: 総材料費を計算
使用したすべての材料の原価を合算します。
| 材料 | 使用量 | 単価 | 原価 |
|---|---|---|---|
| ホールトマト缶 | 2缶(800g) | 350円/缶 | 700円 |
| 玉ねぎ | 300g | 0.3円/g | 90円 |
| にんにく | 50g | 0.8円/g | 40円 |
| オリーブオイル | 100ml | 1.5円/ml | 150円 |
| バジル | 20g | 2円/g | 40円 |
| 塩・こしょう | 20g | - | 10円 |
| 合計 | 1,030円 |
Step 3: 単位原価を計算
単位原価 = 総材料費 ÷ 生産量
= 1,030円 ÷ 2,500g
= 0.41円/g
これで、どのメニューにトマトソースを使ってもg単位0.41円で計算できます。
実践:メニュー別仕込み品原価の適用
トマトパスタ(トマトソース150g使用)
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| スパゲッティ 100g | 30円 |
| トマトソース 150g | 62円 |
| オリーブオイル 15ml | 23円 |
| にんにく 10g | 8円 |
| パルメザンチーズ 10g | 40円 |
| 合計 | 163円 |
マルゲリータピザ(トマトソース80g使用)
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| ピザ生地 1枚 | 100円 |
| トマトソース 80g | 33円 |
| モッツァレラチーズ 150g | 180円 |
| バジル 5g | 10円 |
| 合計 | 323円 |
同じソースを使うメニュー同士の原価が自動で連動します。
主な仕込み品別原価例
出汁類:鶏ガラスープ(10L分)
| 材料 | 原価 |
|---|---|
| 鶏ガラ 3kg | 900円 |
| 長ネギ 200g | 60円 |
| にんにく 100g | 80円 |
| 玉ねぎ 300g | 90円 |
| 生姜 50g | 30円 |
| 合計 | 1,160円 |
単位原価 = 1,160円 ÷ 10,000ml = 0.12円/ml
ラーメン1杯(スープ400ml) = 48円
ベーカリー類:カスタードクリーム(1kg分)
| 材料 | 原価 |
|---|---|
| 牛乳 500ml | 120円 |
| 卵黄 4個 | 100円 |
| 砂糖 100g | 20円 |
| コーンスターチ 30g | 6円 |
| バニラエッセンス | 30円 |
| 合計 | 276円 |
単位原価 = 276円 ÷ 1,000g = 0.28円/g
シュークリーム1個(クリーム40g) = 11円
ドリンクベース:バニラシロップ(750ml分)
| 材料 | 原価 |
|---|---|
| 砂糖 600g | 120円 |
| 水 400ml | - |
| バニラビーンズ 1本 | 400円 |
| 合計 | 520円 |
単位原価 = 520円 ÷ 750ml = 0.69円/ml
ラテ1杯(シロップ20ml) = 14円
自家製バニラシロップ:14円/杯 市販シロップ使用:約30円/杯
1杯あたり約16円の節約。1日50杯なら月2.4万円の差。
仕込み品管理のポイント
1. 生産量を正確に測定
「だいたい2Lくらいかな」→ ❌「正確に2,350gだった」→ ✅
調理過程で水分が蒸発すると、生産量は予想より少なくなります。完成後に必ず計量してください。
2. ロス率を反映
仕込み品に使う材料にもロス率があります。
玉ねぎ1kg購入 → 皮をむくと900g(ロス率10%)
実際の単価 = 300円 ÷ 900g = 0.33円/g
3. 賞味期限を考慮
ソースを作っても、使い切る前に廃棄すると損失になります。
| 仕込み品 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 |
|---|---|---|
| トマトソース | 5〜7日 | 3ヶ月 |
| 出汁 | 3〜5日 | 1ヶ月 |
| クリーム類 | 2〜3日 | 不向き |
| パン生地 | 1〜2日 | 1ヶ月 |
販売量に合わせて適量のみ生産するか、賞味期限内に消費可能な量を逆算してください。
材料価格変動時の対応
トマト缶の価格が350円→400円に上がったら?
手動管理(スプレッドシート)
- トマトソースの原価を再計算
- トマトソースを使うすべてのメニュー原価を再計算
- パスタ、ピザ、リゾット…すべて修正
アプリで管理
- トマト缶の価格のみ修正
- 終わり。連鎖的に自動更新。
仕込み品の仕込み品:多段階構造
複雑なメニューでは、仕込み品が何段階も重なります。
例:クリームパスタ
第1段階:ベシャメルソース(小麦粉 + バター + 牛乳)
第2段階:クリームソース(ベシャメル + 生クリーム + パルメザン)
第3段階:クリームパスタ(麺 + クリームソース + ベーコン)
各段階の原価が正確でなければ、最終メニューの原価も間違います。
ベシャメルソース 500g → 単位原価 0.5円/g
クリームソース 1kg(ベシャメル300g含む)→ 単位原価 1円/g
クリームパスタ1人前(クリームソース150g含む)→ ソース原価 150円
スプレッドシートでこの構造を管理すると、1箇所変わるだけで全体を手動で再計算する必要があります。
まとめ:仕込み品原価管理チェックリスト
✅ 生産量を正確に測定(gまたはml単位)✅ すべての材料費を合算(ロス率反映)✅ 単位原価を計算(原価÷生産量)✅ メニュー別使用量を記録(どのメニューにどれだけ使うか)✅ 材料価格変動時に更新✅ 賞味期限内に消費可能か確認
仕込み品原価管理をアプリで解決
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- 材料 → 仕込み品 → メニュー原価の自動連動
- 材料価格を修正すれば全体が自動更新
- 何段階の仕込み品でも正確な原価計算
今すぐやること
- 主要な仕込み品3品の完成量を計測する
- 仕込み品ごとの単位原価(円/g)を計算する
- 仕込み品を使うメニューの原価を再計算する
- 材料価格変動時の更新ルールを決める
関連ガイド
- ロス率計算ガイド — 仕込み工程でのロスを原価に反映する方法
- 食材原価率ガイド — 仕込み品が全体の原価率に与える影響
- ベーカリー原価計算ガイド — 生地・フィリング・トッピングの多層仕込み品管理
- ラーメン原価計算ガイド — タレ・スープ・チャーシューの仕込み品原価
- Excel vs アプリ 原価管理比較 — 仕込み品管理でアプリが優れる理由
- ピザ屋の原価計算ガイド