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新メニュー導入前の原価シミュレーション - 失敗リスクを減らす方法

新メニューを実際に作る前に、数字でテストする方法。5ステップのシミュレーションで収益性を確認し、在庫リスクと失敗の可能性を減らしましょう。

更新 2026年2月18日
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目次

要点まとめ

  • 新メニューを実際に作る前に数字でテストすれば、失敗リスクを0円で回避できる
  • 原価率は35%以下、周辺相場と合った価格、既存食材の活用がポイント
  • 新規食材が多すぎる場合は同じ食材で2〜3品を同時企画して在庫リスクを下げる
  • シミュレーションで問題があれば次のステージに進まない

新メニュー導入前の原価シミュレーション - 失敗リスクを減らす方法

「新メニューを出せば売れるだろう」

この考えで新メニューを出したら、食材だけが溜まっていった…そんな経験はありませんか?

新メニューはお客様を呼び込む武器になります。しかし、準備なしに出すと、かえって足を引っ張ることも

新メニューを出す前に**「このメニュー、利益が出るのか?」**を事前に確認する方法を解説します。


新メニューが失敗する3つの理由

1. 原価を把握せずに価格を決める

「似たようなメニューが800円だから、うちも800円で」

この決め方だと、より良い食材を使った場合に赤字になることがあります。

2. 既存食材を活用できない

新メニューに新しい食材ばかり使うと、在庫が増えます。売れなければ、そのまま廃棄になりますよね。

3. 調理時間を考慮しない

調理に20分かかるメニューをランチのピーク時に出したら?キッチンがパンクします。


原価シミュレーションとは?

新メニューを実際に作る前に、数字で先にテストすることです。

シミュレーションで確認すること:

  1. このメニューの原価はいくらになるか?
  2. 目標の利益率を達成するには、いくらで売ればいいか?
  3. 既存の食材をどれくらい活用できるか?

事前に計算しておけば、**「出してから引っ込める」**という事態を防げます。


5ステップ・シミュレーション・チェックリスト

ステップ1:レシピを整理する

まず、必要な食材と分量を書き出します。

例:クリームパスタ(新メニュー)

食材使用量単位
スパゲッティ100g
生クリーム100ml
ベーコン30g
玉ねぎ50g
にんにく10g
パルメザンチーズ15g
バター10g

💡 ポイント:「適量」ではなく、g・ml単位で記載しましょう。正確でないと計算ができません。


ステップ2:食材ごとの原価を計算する

各食材の単位あたりのコストを計算します。

食材原価表

食材仕入価格内容量単位原価
スパゲッティ300円1,000g0.3円/g
生クリーム400円200ml2円/ml
ベーコン500円200g2.5円/g
玉ねぎ150円1,000g0.15円/g
にんにく300円200g1.5円/g
パルメザンチーズ600円100g6円/g
バター400円200g2円/g

ステップ3:1人前の原価を計算する

1食分にかかるコストを合計します。

食材使用量単位原価原価
スパゲッティ100g0.3円/g30円
生クリーム100ml2円/ml200円
ベーコン30g2.5円/g75円
玉ねぎ50g0.15円/g7.5円
にんにく10g1.5円/g15円
パルメザンチーズ15g6円/g90円
バター10g2円/g20円
合計437.5円

ステップ4:販売価格をシミュレーションする

目標原価率に基づいて販売価格を計算します。

計算式:販売価格 = 原価 ÷ 目標原価率

目標原価率計算販売価格
25%437.5 ÷ 0.251,750円 → 1,800円
30%437.5 ÷ 0.301,458円 → 1,500円
35%437.5 ÷ 0.351,250円 → 1,300円

どの価格が適切?

検討ポイント:

  • 周辺の類似メニュー価格:1,200〜1,500円
  • 自店の他のパスタ価格:1,200円
  • 目標利益率:30%

➡️ 1,500円が適正!(原価率約29%)

もし周辺相場が1,000円なら?このメニューでは利益が出ません。食材を見直すか、導入を再検討する必要があります。


ステップ5:総合判断

最後に、このメニューが自店に合っているか確認します。

チェックリスト

項目結果判定
原価率35%以下?29%✅ OK
周辺相場と合う価格?1,500円(相場1,200〜1,500円)✅ OK
既存食材を活用?スパゲッティ、玉ねぎ、にんにく✅ 3品目
新規仕入れ食材?ベーコン、生クリーム、パルメザン⚠️ 3品目
調理時間?約12分✅ OK

総合判断:導入可能!ただし、ベーコンと生クリームは他のメニューでも使えるようにして、在庫リスクを下げましょう。


シミュレーションのコツ

1. 既存食材から考える

新メニューを考えるとき、発想の順番を変えてみましょう。

❌ よくある順番

「何を新メニューにしよう?」→レシピを探す→食材を発注

✅ おすすめの順番

「今ある食材で何が作れる?」→レシピを考える→足りないものだけ追加

2. 最低3パターンの価格で計算

1つの価格だけでなく、複数の原価率で計算しましょう。

1,200円なら?→原価率36%(注意)
1,300円なら?→原価率34%(ギリギリ)
1,500円なら?→原価率29%(良好)

3. 隠れたコストを忘れずに

食材費だけで計算してはいけません。

追加コスト
容器代テイクアウト容器50円
デリバリー手数料売上の35%前後
光熱費長時間煮込む料理は高くなる

デリバリー専用メニューなら、食材費+容器代+手数料をすべて含めて計算しましょう。


実践:こんな場合はどうする?

ケース1:原価率が高すぎる

問題:シミュレーション結果、原価率45%

解決策

  1. 高い食材の量を減らす(パルメザン15g→10g)
  2. 代替食材を探す(輸入チーズ→国産チーズ)
  3. 販売価格を上げる(プレミアム路線)
  4. 導入を見送る(赤字メニューは出さない方がいい)

ケース2:新規食材が多すぎる

問題:新メニューに新規食材が5品目以上必要

解決策

  1. 他のメニューでも使える食材を優先
  2. 同じ食材で2〜3品を同時企画
  3. 少量で仕入れられる業者を探す

:ベーコンを新たに仕入れるなら

  • クリームパスタ(新メニュー)
  • ベーコンサラダ(サイド)
  • 週末限定ブランチ

3つのメニューで使えば、在庫リスクが下がります。

ケース3:調理時間が長い

問題:シミュレーション結果、調理時間25分

解決策

  1. 仕込みで準備(ソース、スープストックを事前に作る)
  2. ピーク時間外のみ提供(ランチ以外、ディナーだけ)
  3. 事前予約制(電話やアプリで事前注文)

シミュレーション vs 実際のテスト

シミュレーションは数字の確認、実際のテストは現場の確認です。

ステージ確認内容コスト
1. シミュレーション原価、販売価格、利益率0円
2. 試作味、盛り付け、分量食材費のみ
3. 限定販売客の反応、注文数、オペレーション小規模
4. 正式導入全体運用全面導入

シミュレーションで問題があれば、次のステージに進む必要はありません。1段階目で判断すれば、損失は0円です。


まとめ:新メニューシミュレーション5ステップ

ステップ1:レシピ整理(食材、使用量)
ステップ2:食材ごとの単位原価を計算
ステップ3:1人前の原価を合計
ステップ4:目標原価率で販売価格を計算
ステップ5:総合判断(相場、食材活用、調理時間)

重要チェックポイント

  • 原価率は35%以下か?
  • 周辺相場と合った価格か?
  • 既存食材を活用できるか?
  • 調理時間は自店のキッチンで対応可能か?

原価シミュレーション、難しくありません

最初は計算が面倒に感じるかもしれません。

でも、一度やってみると感覚がつかめます。

「このメニューは1,200円では無理だな」****「この食材を減らせば100円下がる」

こういう感覚が身につくと、新メニュー導入に自信が持てます。失敗する確率もぐっと下がりますよ。


今すぐやること

  • 新メニュー候補のレシピを整理する(食材、使用量をg・ml単位で)
  • 各食材の単位原価を計算する
  • 1人前の原価を合計し、目標原価率で販売価格を計算する
  • 既存食材の活用度と調理時間をチェックする

新メニューの原価シミュレーションを素早く行いたい方は、KitchenCostをお試しください。食材を登録してレシピを作れば、原価と販売価格がすぐに計算できます。

関連ガイド

参考資料

よくある質問

新メニューの原価シミュレーションはなぜ必要ですか?

実際に食材を仕入れて試作する前に、数字で収益性を確認するためです。原価率が目標の30%を大きく超えるメニューは、試作前に材料や分量を調整できます。食材の無駄遣いと失敗リスクを減らせます。

新メニューの原価率はどのくらいを目指すべきですか?

既存メニューの平均原価率±3ポイント以内が目安です。原価率が極端に高いメニューを追加すると、全体の原価率が上がります。高原価のメニューを入れるなら、低原価のサイドやドリンクとのセット設計も同時に考えてください。

シミュレーション後、実際に導入する判断基準は?

原価率が目標内であること、既存の食材と調理設備で対応できること、1日の想定販売数が現実的であることの3つです。最初は週末限定など小さく始めて、2週間の実績を見てからレギュラー化するのがリスクを抑えた導入方法です。

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