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かき氷専門店の原価計算——氷は8円、でも果物を乗せた瞬間に原価が跳ねる

かき氷の原価は氷ではなくトッピングで決まる。いちごかき氷の原価173円、マンゴーなら250円超。果物の歩留まり管理、シロップの計量ルール、テイクアウト容器のコストまで含めた価格設計をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

かき氷の氷は、1杯8円です。

「氷が安いから利益率が高い」——開業前にそう計算した人は多いと思います。

でも実際にメニューを組んでみると、果物を乗せた瞬間に原価が跳ね上がる。いちご70gで90円、マンゴー60gで120円。シロップ、練乳、ホイップまで足すと、1杯の原価は150〜250円になります。

氷は安い。でも「氷に何を乗せるか」で利益が決まる。それがかき氷専門店の原価構造です。

先に結論

  • かき氷の原価は氷ではなく、トッピングで決まる。 果物が原価の50〜70%を占める
  • 果物の歩留まりが利益を左右する。 いちごは仕入れ量の75%しか使えない
  • シロップの「ひと回し」をやめる。 計量で月2〜3万円変わる
  • テイクアウトは容器込みで+100円以上。 断熱カップだけで30円以上かかる
  • 仕込み量は前日ベースで決める。 果物の廃棄が利益を静かに削る

かき氷1杯の原価を分解する

例1:いちご練乳かき氷(税抜650円)

項目原価
氷(純氷ブロック)1杯分8円
いちご(カット)70g90円
いちごシロップ(自家製)25g30円
練乳15g20円
ミント1枝5円
合計153円

原価率:153 ÷ 650 = 23.5%

数字だけ見ると余裕がありそうです。でも問題はここから。

  • いちごのカットが雑で1杯80gになると、原価は+13円
  • シロップを「ひと回し多め」にすると、原価は+10円
  • 練乳を多めにかけると、+8円

合計で+31円。 1日50杯で月38,750円の利益減です。

例2:マンゴーかき氷(税抜900円)

項目原価
1杯分8円
マンゴー(カット)60g120円
マンゴーソース30g45円
ココナッツミルク20g15円
ホイップクリーム20g18円
合計206円

原価率:206 ÷ 900 = 22.9%

マンゴーは1個あたりの仕入れが高く、歩留まりも70%前後(皮と種で30%は廃棄)。1玉400円のマンゴーから取れる果肉は280g。 かき氷4〜5杯分です。

例3:宇治金時(税抜700円)

項目原価
1杯分8円
抹茶シロップ30g35円
小豆あん(自家製)40g32円
練乳15g20円
白玉3個15円
合計110円

原価率:110 ÷ 700 = 15.7%

宇治金時は原価率が低い。 抹茶と小豆は歩留まりが高く、ロスも少ない。果物系より利益が出やすいメニューです。


果物の歩留まりが利益を決める

かき氷専門店の原価で最もブレやすいのが果物です。

主な果物の歩留まり

果物仕入れ量使える量歩留まり
いちご1パック 300g225g75%
マンゴー1個 400g280g70%
1個 250g175g70%
キウイ1個 100g80g80%
バナナ1本 120g100g83%
ブルーベリー100g95g95%

いちごの歩留まり75%は、仕入れ値の25%が「使えない部分」に消えるという意味です。1パック400円のいちごなら、100円分が廃棄原価。

果物の廃棄がじわじわ効く

問題は歩留まりだけではありません。仕込んだ果物が売れ残ると、翌日には色が変わって使えなくなる。

  • カットいちご:当日中に使い切りが基本
  • マンゴーソース:冷蔵で2日が限度
  • 桃のコンポート:3〜4日は持つがピーク時の仕込みすぎに注意

仕込み量の決め方:

今日の仕込み量 = 前日の販売数 × 0.9(安全係数)

天気予報も見てください。雨の日はかき氷の注文が30〜50%減るのが一般的です。晴れの日と同じ量を仕込むと、その差がまるごと廃棄になります。


シロップの計量で月2〜3万円変わる

シロップや練乳は「感覚」でかける人が多い。でも「ひと回し」の量はスタッフによって10〜20ml違います。

シロップ1mlあたり = 約1.2円(自家製の場合)
10mlの差 × 50杯/日 × 25日 = 15,000円/月

練乳も同様に:

練乳1gあたり = 約1.3円
5gの差 × 50杯/日 × 25日 = 8,125円/月

合わせて月2万円以上。ディスペンサーか計量カップを使うだけで解決します。


テイクアウトの容器コスト

かき氷のテイクアウトは容器が重い。溶けるリスクがあるため、断熱性のある容器が必要です。

容器・資材1杯あたり
断熱カップ(400ml)20〜30円
5〜8円
スプーン3〜5円
保冷材5〜10円
持ち帰り袋3〜5円
合計36〜58円

1日30杯テイクアウトが出るなら、月27,000〜43,500円。

店内と同じ価格で出すと利益が確実に減ります。 テイクアウトは+100〜150円の設定が妥当です。


サイズ別の価格設計

かき氷のサイズ展開で失敗するパターンは、氷を増やしてそのまま価格を上げること。氷を増やしてもコストは2〜3円しか変わりませんが、果物やシロップも増やさないと見た目が貧相になります。

サイズ別原価の例(いちご練乳)

サイズいちごシロップ練乳原価売価原価率
5円50g 64円18g 22円10g 13円104円500円20.8%
8円70g 90円25g 30円15g 20円148円650円22.8%
10円90g 116円35g 42円20g 26円194円850円22.8%

サイズアップで氷は+2〜3円だけど、果物は+26〜52円。サイズを大きくするほど果物の管理精度が利益に効く。


季節と天気で仕込みを変える

かき氷は季節商売です。仕込み量の調整が利益に直結します。

条件仕込み係数
夏・晴れ・週末1.2〜1.5倍
夏・晴れ・平日1.0倍(基準)
夏・曇り0.8倍
夏・雨0.5〜0.6倍
春秋0.4〜0.6倍
冬(通年営業の場合)0.2〜0.3倍

天気予報と曜日の組み合わせで、前日に仕込み量を決める。記録を2週間続ければ、自分の店の傾向が見えてきます。


今週やること

  • 主力3品の果物使用量を秤で計測し、基準グラムを固定する
  • シロップと練乳をディスペンサーか計量カップに切り替える
  • テイクアウト容器のコストを1杯ずつ計算し、テイクアウト価格を見直す
  • 果物の仕込み量を「前日販売数 × 0.9」で決めるルールを試す
  • 廃棄した果物の量を1週間だけ記録する

関連ガイド


果物ごとの原価を登録すれば、かき氷1杯の原価が自動で出ます。旬が変わって仕入れ値が動いても、価格を更新するだけ。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

氷の原価は気にしなくていい?

氷自体は1杯8〜15円と安いです。でも氷が大きくなるとシロップや果物も増やさないと見た目が寂しくなる。結果的に原価が50〜100円上がります。氷単体ではなく、トッピング込みの総原価で管理してください。

果物系はどこで利益が削られる?

歩留まりと廃棄です。いちごは仕入れ1パック400gでも、ヘタ取り・傷み除去で使えるのは300g前後。歩留まり75%です。さらに仕込んだフルーツソースが売れ残れば翌日には色が変わって廃棄。仕込み量を前日の販売数ベースで決めるだけで、ロスが目に見えて減ります。

サイズ違いの価格はどう決める?

氷の量ではなくトッピング量の差で価格を付けます。氷を100g増やしてもコストは2〜3円ですが、果物やソースを増やすと50〜100円跳ねます。小サイズでも果物の量を確保して、大サイズはシロップとクリームで差をつけると利益が残りやすいです。

テイクアウトは容器コストが重い?

重いです。断熱カップ+蓋+スプーン+保冷材で1食35〜50円。1日30食出れば月26,000〜37,500円。店内価格と同じにすると利益が確実に削られるので、テイクアウトは+100円以上の設定が安全です。

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