デリバリーで売上は伸びたのに、月末の利益が残らない。 この状態は、売上不足ではなく「受取額の見誤り」で起きることが多いです。
ポイントはシンプルです。 売上金額ではなく、手数料控除後の受取額から粗利を計算すること。
このガイドでは、2026-02-11時点の公開情報を前提に、 Uber Eats・出前館を同じ計算軸で比較する方法をまとめます。
要点まとめ
- Uber Eats(日本)の公開料金は、Uber配達で35%、セルフデリバリー15%、お持ち帰り12%(2026-02-11確認)。
- 出前館の公開コストは、出店手数料10% + 配達代行手数料25% + 決済代行手数料(最大3%)が基本軸。
- 店内とデリバリーで同じ原価率目標を置くと、粗利設計が崩れやすい。
- 税込ではなく税抜基準で受取額と粗利を管理すると、比較が安定する。
1) まず「税抜受取額」を固定する
デリバリー採算で最初に崩れやすいのが税区分です。 日本の消費税は標準税率10%、軽減税率8%の区分があり、 テイクアウト・配達は軽減税率対象になるケースが一般的です。
運用ルールとしては、 税抜売上でPLを統一するのが最も実務的です。
2) 注文単位で使う計算式
税抜受取額 = 税抜売価 - (プラットフォーム手数料合計)
注文粗利 = 税抜受取額 - 食材原価 - 包材費 - 変動人件費
ここでいう変動人件費は、デリバリー対応で増える作業時間 (受注確認、盛り付け調整、梱包、受け渡し)に相当する分です。
3) 実例: 1,350円(税込)メニューの粗利比較
前提(試算用):
- アプリ売価(税込): 1,350円
- 税抜売価(8%想定): 1,250円
- 食材原価: 430円
- 包材費: 120円
- 変動人件費: 90円
Uber Eats(Uber配達 35%)
手数料 = 1,250 × 35% = 438円
税抜受取額 = 1,250 - 438 = 812円
注文粗利 = 812 - 430 - 120 - 90 = 172円
出前館(配達代行: 10% + 25% + 決済3%で試算)
手数料合計率 = 38%
手数料 = 1,250 × 38% = 475円
税抜受取額 = 1,250 - 475 = 775円
注文粗利 = 775 - 430 - 120 - 90 = 135円
同じ商品でも、契約条件と手数料構成で粗利は大きく変わります。 この差を見ないまま販促を増やすと、売上だけ伸びて資金が減る構造になります。
4) 価格設計は「目標粗利率」から逆算する
必要税抜売価 =
(食材原価 + 包材費 + 変動人件費)
÷ (1 - 手数料率 - 目標粗利率)
例:
- 食材+包材+変動人件費 = 640円
- 手数料率 = 35%
- 目標粗利率 = 25%
必要税抜売価 = 640 ÷ (1 - 0.35 - 0.25)
= 640 ÷ 0.40
= 1,600円
ここから税込表示価格を決めると、値決めの根拠が明確になります。
5) 今週の実行チェックリスト
- Uber Eats・出前館の直近30日明細から、実効手数料率を算出する
- 主力10商品を「税抜受取額→粗利」で再計算する
- 粗利が薄い商品は、価格改定かデリバリー専用品へ切り分ける
- 包材コストを商品別に再配賦する(サイズ違いを放置しない)
- 月次で損益分岐点を再計算する
関連ガイド
KitchenCostを使うと、食材単価更新後の原価率と粗利をメニュー単位で追跡できます。