出前館のお店価格で店頭と同額にするなら、最初に見る数字は1注文粗利です。食材費だけでなく、包材、追加オペ工数、決済・配達関連コスト、プロモ負担を入れても残る商品だけを同額販売の候補にします。
店頭と同じ価格に見せるほど、利用者の納得感は上がります。ただし店側では、店頭では黒字の商品がデリバリーでは薄利になることがあります。
このページでは、出前館のお店価格を前提に、飲食店が見るべき採算ラインを1注文単位で整理します。
まず確認する数字
- 対象: 出前館のお店価格で店頭同額を検討している飲食店
- 問題: 注文数は増えても、包材・追加工数・配達関連費で利益が残らない
- 計算式:
必要売価 = デリバリー変動費 ÷ (1 - 目標利益率) - 例: 変動費845円、目標利益率12%なら必要売価は960円
- 今日やること: 上位5商品だけ、店頭注文と配達注文の1注文粗利を横並びにする

採算を見る順番
| 順番 | 見る数字 | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | デリバリー変動費 | 食材、包材、決済、配達関連、プロモ負担を合算 |
| 2 | 必要売価 | 目標利益率から逆算 |
| 3 | 注文利益 | 実際の注文で残る金額を確認 |
| 4 | 商品構成 | 単品、セット、最低注文を調整 |
お店価格は、利用者にとっては「店頭と同じで安心」という文脈です。店側にとっては、同じ価格で売れる商品と、同じ価格では守れない商品を分ける作業です。
計算はこの2式で十分
デリバリー変動費 = 食材 + 包材 + 追加オペ工数 + 決済コスト + 配達関連 + プロモ負担
必要売価 = デリバリー変動費 ÷ (1 - 目標利益率)
店頭原価だけを見ていると、包材と注文ごとの追加工数が抜けます。ここが抜けると、「売れているのに月末に残らない」状態になりやすいです。

実例: 唐揚げ弁当を店頭同額で残せるか
前提は説明用の例です。実際には自店の仕入れ単価、容器単価、チャネル別条件で置き換えてください。
| 項目 | 1食あたり |
|---|---|
| 食材 | 410円 |
| 包材 | 95円 |
| 追加オペ工数 | 60円 |
| 決済コスト | 20円 |
| 配達関連 | 220円 |
| プロモ負担 | 40円 |
| デリバリー変動費 | 845円 |
目標利益率を12%に置くと、必要売価は次の通りです。
必要売価 = 845 ÷ (1 - 0.12) = 960円
店頭価格が980円なら、紙の上では成立します。ただし、天候、作り直し、返金、食材高騰が重なるとすぐ薄くなります。実務では、成立ラインぴったりの商品を「安全」とは見ません。
価格を動かせない時は構成を動かす
1. 単品は入口、利益はセットで作る
価格感度が高い看板商品は、無理に上げるとクリックも注文も落ちやすいです。副菜、ドリンク、大盛り、トッピングを組み合わせて、注文単価を上げる方が現場では動かしやすいです。
2. 包材をデザインではなく注文利益で選ぶ
容器が1個20円違うだけでも、1日200食なら月12万円前後の差になります。高級感だけで選ぶのではなく、漏れ、温度、クレーム率、原価を同じ表で見ます。
3. 最低注文で低単価赤字を止める
低単価注文は、包材と固定的な手間の比率が重くなります。単品注文を完全に切るのではなく、セット推奨や最低注文の設計で、赤字になりやすい注文帯を減らします。
週次で見る運用表
| 商品 | 注文利益 | 判断 | 次の打ち手 |
|---|---|---|---|
| 看板弁当 | 余裕あり | 残す | 露出維持 |
| 低単価丼 | 薄い | セット化 | サイド追加を標準導線に |
| 揚げ物単品 | 返金多い | 説明修正 | 写真、提供時間、包装を見直し |
| 高原価主菜 | 変動大 | 条件付き | 販売時間、在庫、価格を分ける |
KitchenCostでは、同じ商品でも店頭、テイクアウト、デリバリーで原価項目を分けて見るのが安全です。手数料率だけではなく、注文ごとの変動費と残る金額を並べると、残す商品と直す商品が見えます。
まとめ
出前館のお店価格は、単純な値下げ施策として見ると危険です。飲食店側では、店頭同額にできる商品を選び、薄い商品はセットや構成で守る必要があります。
見る順番は、デリバリー変動費、必要売価、注文利益、商品構成。
この順番を守るだけで、「注文は増えたのに残らない」状態をかなり早く見つけられます。
参考
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