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カレー屋の原価計算|一皿の原価内訳と儲かるメニュー戦略

カレー1皿の原価率は25〜35%が目安。ルー・具材・ライス別の原価内訳、欧風vsスパイスvsインドカレーの比較、トッピング戦略まで具体的に解説。

更新 2026年2月18日
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目次

要点まとめ

  • チキンカレーの原価率は18%前後。カレー屋の最高利益メニュー
  • スパイス自体の原価は1人前15〜30円。原価の大部分は玉ねぎ・トマト・肉
  • 2種盛り+副菜で客単価1,200円以上。見た目の豪華さと利益率を両立
  • ワンオペ可能な業態。人件費率10〜15%で営業利益率15%以上も実現可能

カレーライス1皿の材料費は約180〜300円。販売価格800円なら原価率は23〜38%——メニューの作り方次第で利益が2倍以上変わる業態です。

カレー屋は「大量仕込み」「スパイスの低原価」「シンプルなオペレーション」の3つが揃う、飲食業の中でも開業しやすいビジネスモデル。しかし、2025〜2026年の食材価格高騰で、安易な価格設定では利益が残りません。


カレー屋の原価構造——他業態との比較

カレー屋は「まとめ調理」が最大の強みです。1バッチで20〜50食分を一度に仕込めるため、1食あたりのコストを極限まで下げられます。

指標カレー屋ラーメン店うどん屋カフェ
原価率(F)25〜35%30〜35%25〜30%25〜30%
人件費率(L)20〜30%20〜28%25〜35%25〜30%
FL比率48〜58%55〜63%50〜60%50〜58%
客単価700〜1,200円800〜1,200円500〜900円800〜1,500円
営業利益率8〜15%8〜15%5〜10%8〜15%

カレー屋のアドバンテージ:

  • 少人数オペレーション — 仕込みは1人、提供はライスを盛ってルーをかけるだけ
  • ワンオペ可能 — カウンター10席ならオーナー1人で回せる
  • 在庫リスクが低い — カレーは2〜3日保存可能。当日廃棄のリスクが少ない
  • 原価のスケールメリット — 大量仕込みで1食あたりコストが下がる

カレー1皿の原価はいくら?

全体像:ビーフカレー(売価 900円)の場合

要素原価目安割合
ルー(カレーソース)80〜150円材料費の40〜50%
ライス(200g)40〜55円材料費の20〜25%
具材(肉・野菜)60〜120円材料費の25〜40%
付け合わせ5〜15円材料費の3〜5%
合計185〜340円
原価率21〜38%

具材に何を使うかで原価率が大きく変動します。


カレールー(ソース)の原価

スタイル別の原価比較(1人前あたり)

スタイル主な材料1人前原価特徴
欧風カレーバター・小麦粉・市販ルー・ブイヨン50〜80円ルーを使えば簡単、コスト安定
スパイスカレー玉ねぎ・トマト・スパイス10〜15種60〜100円スパイス自体は安い、玉ねぎ大量使用
インドカレースパイス・ギー・トマト・ヨーグルト70〜110円ギー(澄ましバター)がコスト要因
グリーンカレーココナッツミルク・グリーンカレーペースト80〜120円ココナッツミルクが原価を押し上げ
キーマカレー挽き肉・玉ねぎ・トマト・スパイス90〜140円肉の量が多い分、原価高め

スパイスカレーの材料費内訳(20人前バッチ)

材料使用量原価1人前あたり
玉ねぎ3kg300〜450円15〜23円
トマト缶(400g)3缶240〜360円12〜18円
油(サラダ油orギー)200ml40〜100円2〜5円
にんにく100g50〜80円3〜4円
生姜80g30〜50円2〜3円
ターメリック30g30〜50円2〜3円
クミン20g40〜60円2〜3円
コリアンダー20g40〜60円2〜3円
チリパウダー10g20〜30円1〜2円
ガラムマサラ15g40〜60円2〜3円
40g5円1円未満
その他スパイス適量100〜200円5〜10円
合計935〜1,500円47〜75円

ポイント: スパイスそのものの原価は非常に安く、1人前あたり15〜30円。原価の大部分は玉ねぎとトマトが占めています。玉ねぎは飴色になるまで炒めるため、生の状態から重量が1/3〜1/4になる「歩留まり」を考慮する必要があります。


ライスの原価

ライスの量使用米の原価炊飯後の重量換算備考
普通盛り(200g)40〜55円白米約85g分標準的なカレーライスの量
大盛り(300g)60〜80円白米約128g分+100〜150円で提供可能
少なめ(150g)30〜40円白米約64g分ダイエット需要
ナン(1枚)20〜35円小麦粉100g分ライスより低原価

ライスのコスト管理:

  • 2025〜2026年の米価高騰で、10kgあたり5,000〜6,500円(前年比20〜30%増)
  • ターメリックライスにすれば「カレー専門店感」を出しつつ、コストはターメリック代の+2〜3円のみ
  • ナン提供ならライスより原価が安く、「インドカレー」としてのブランディングにもなる

具材別の原価

メイン具材の原価比較

具材1人前使用量原価原価率への影響
鶏もも肉80g25〜40円低め。チキンカレーが最も利益率が高い
鶏むね肉80g15〜25円最安。タンドリーチキン風にアレンジ可
豚バラ肉60g30〜45円ポークカレーの定番
牛すじ肉60g35〜50円長時間煮込み必要だが、安価で濃厚
牛切り落とし60g50〜80円ビーフカレーの定番。原価高め
国産牛(シチュー用)80g80〜130円高級路線。価格設定1,200円以上必要
エビ3〜4尾60〜100円シーフードカレーの主役
挽き肉(合挽き)80g30〜45円キーマカレー用。コスト安定
野菜のみじゃがいも・にんじん・ナス等20〜40円ベジタブルカレーは原価率最安

利益率ランキング:

  1. 🥇 野菜カレー — 具材原価20〜40円で原価率15〜25%
  2. 🥈 チキンカレー — 鶏肉の安定した低価格で原価率20〜30%
  3. 🥉 キーマカレー — 挽き肉で肉感を出しつつ原価を抑制

人気メニュー別の原価シミュレーション

1. チキンカレー(売価 850円)

項目原価
ルー(スパイスベース)65円
ライス(200g)50円
鶏もも肉(80g)35円
福神漬け・らっきょう5円
合計155円
原価率18.2%

→ カレー屋のドル箱メニュー。800〜900円の価格帯で最も利益が出る。

2. ビーフカレー(売価 1,000円)

項目原価
ルー(欧風ベース)75円
ライス(200g)50円
牛切り落とし(60g)65円
福神漬け5円
合計195円
原価率19.5%

→ 牛肉使用でも1,000円設定なら原価率20%以下を維持。「国産牛使用」なら1,200〜1,500円も可能。

3. スパイスカレー2種盛り(売価 1,200円)

項目原価
チキンカレー(ハーフ)50円
豆カレー(ハーフ)35円
ライス(200g)50円
副菜3種(アチャール等)30円
パパド10円
合計175円
原価率14.6%

→ 2種盛り+副菜は見た目の豪華さに対して原価が極めて低い。SNS映えで集客効果も。

4. カツカレー(売価 1,100円)

項目原価
ルー(欧風ベース)75円
ライス(200g)50円
とんかつ(豚ロース100g)80〜100円
パン粉・卵・油15円
キャベツ5円
合計225〜245円
原価率20.5〜22.3%

→ カツカレーは客単価が高く、1,000円超でも受け入れられやすい。フライヤーが必要な点に注意。

5. バターチキンカレー(売価 950円)

項目原価
トマトベースのルー55円
バター20円
生クリーム25円
鶏もも肉(80g)35円
ナン(1枚)25円
合計160円
原価率16.8%

→ バターと生クリームのコストが加わるが、ナン提供で「インドカレー体験」の付加価値を演出。原価率は依然として低い。


サイドメニュー・トッピングの利益貢献

カレー屋の利益を最大化するのはトッピングとサイドメニューです。

トッピングの原価と利益

トッピング売価原価原価率粗利
チーズ(30g)150円20〜30円13〜20%120〜130円
温泉卵100円15〜20円15〜20%80〜85円
ほうれん草100円10〜15円10〜15%85〜90円
コロッケ150円25〜35円17〜23%115〜125円
唐揚げ(3個)200円40〜50円20〜25%150〜160円
チキンティッカ200円35〜50円18〜25%150〜165円
辛さ増し50円3〜5円6〜10%45〜47円
大盛りライス100円20〜25円20〜25%75〜80円

利益貢献トップ3:

  1. 辛さ増し — スパイスを足すだけで原価3〜5円。粗利率95%超
  2. チーズ — チーズカレーは人気メニュー。トッピング率30%以上も
  3. ほうれん草 — 冷凍ほうれん草を使えば原価10円で100円の売価

サイドメニューの原価

メニュー売価原価原価率粗利
ラッシー350円40〜60円11〜17%290〜310円
チャイ300円20〜35円7〜12%265〜280円
サラダ250円30〜50円12〜20%200〜220円
ナン(追加)200円25〜35円13〜18%165〜175円
タンドリーチキン400円60〜80円15〜20%320〜340円

ドリンク戦略: ラッシーやチャイは原価が極めて低く、客単価+300〜400円の効果があります。カレーとの相性が良いため注文率も高い。


カレー屋のスタイル別経営比較

3つの経営モデル

項目欧風カレー店スパイスカレー店インドカレー店
客単価800〜1,200円1,000〜1,500円800〜1,300円
原価率28〜35%22〜30%25〜32%
人件費率25〜30%20〜28%22〜28%
メニュー数5〜10種3〜5種(日替わり)10〜20種
調理難易度高(スパイス知識)高(タンドール等)
設備投資低〜中中〜高(ナン窯)
ターゲットサラリーマン20〜30代女性ファミリー・グループ
SNS効果

スパイスカレー店の強み

2020年代にブームが到来したスパイスカレーは、以下の理由でカレー業態の中で最も利益率が高い傾向にあります:

  1. 原価率が低い — スパイスの材料費は1人前15〜30円
  2. 少量多品種 — 2〜3種盛りで客単価1,200〜1,500円が取れる
  3. SNS映え — 彩り豊かな盛り付けが無料の広告になる
  4. 日替わりで飽きさせない — 「今日のカレー」はリピート率向上に効果的
  5. 小スペースで開業可能 — カウンター8席からスタートできる

FLコストと収益構造

カレー屋のFLR比率

コスト理想ワンオペ型チーム型
F(食材費)30%以下25〜30%28〜35%
L(人件費)30%以下10〜15%(オーナーのみ)25〜30%
R(家賃)10%以下8〜12%8〜12%
合計(FLR)70%以下45〜55%62〜72%

ワンオペの威力: カレー屋はワンオペが成立しやすい業態です。仕込みを朝1〜2時間で終わらせ、ランチタイムは「盛る→出す→会計」のシンプルなオペレーション。人件費率が10〜15%になれば、営業利益率15〜20%も夢ではありません。

損益分岐点の計算例

【モデル:カウンター10席・月額家賃12万円のスパイスカレー店】

固定費(月額):
- 家賃:12万円
- 水道光熱費:5万円
- その他経費:3万円
- 合計:20万円

変動費率:食材原価率 28%

損益分岐売上 = 固定費 ÷(1 - 変動費率)
= 200,000 ÷ 0.72
= 278,000円/月(約28万円)

→ 客単価1,100円 × 1日10人 × 26日営業 = 286,000円

つまり、1日平均10食(ランチだけ)で損益分岐をクリア。
※ワンオペの場合の計算(オーナー給与は利益から)

原価を下げる7つの実践テクニック

1. 大量仕込みでスケールメリットを最大化

カレーは20〜50食分をまとめて作れる。1バッチ50食なら、1食あたりの光熱費・手間が1/50に分散されます。

2. 冷凍ストックで廃棄ゼロを目指す

余ったカレーは小分け冷凍。翌日・翌々日に解凍して提供できるため、廃棄ロスをほぼゼロにできます。

3. ベースカレーを共通化する

チキン・ポーク・キーマに共通の「ベースソース」を仕込み、そこから派生させる。材料のムダが減り、仕込み時間も短縮。

4. スパイスはホールで大量購入

スパイスはホール(原型)のまま500g〜1kg単位で購入すれば、小袋の1/3〜1/5の単価に。保存も利くため在庫管理が容易です。

5. 付け合わせで「お得感」を演出

アチャール(漬物)、パパド(薄焼きせんべい)、ラッサム(スープ)——いずれも原価10円以下で「本格感」を演出できます。

6. ライスを選択制にする

「普通盛り(無料)+大盛り+100円+少なめ-50円」——ライスの量をコントロールするだけで、食材ロスと利益率を同時に改善。

7. ドリンクセットで客単価アップ

「カレー+ラッシーセット +250円」のように、カレーとの相性が良いドリンクをセットにして客単価を+200〜350円引き上げる。


開業コストの目安

項目金額目安備考
物件取得費100〜300万円小規模店なら保証金込み
内装工事費100〜300万円カウンターのみなら100万円台
厨房機器50〜200万円タンドール窯ありなら上限近く
食器・備品20〜50万円
運転資金(3ヶ月分)100〜200万円
合計370〜1,050万円

スパイスカレー店なら400万円台で開業可能。 タンドール窯が不要で、カウンター8〜10席のコンパクトな店舗設計ができるためです。


カレー屋の原価管理にアプリを活用する

カレーは「ベースルー→派生メニュー」という構造が特徴的で、原価管理にはレシピの入れ子構造への対応が不可欠です。

原価計算アプリ**KitchenCost**を使えば:

  • 「ベースカレーソース」を**反制品(半製品)**として登録し、各メニューに共通部品として組み込める
  • チキンカレー・ビーフカレー・キーマカレーそれぞれの原価を自動計算
  • スパイスやトマト缶の仕入れ価格が変わったら、全メニューの原価が一括更新
  • ロス率(歩留まり)を考慮した正確な原価——玉ねぎの飴色炒め後の重量変化も反映
  • トッピング・セットメニューの原価もワンタップで確認

特にカレー屋のように「ベースソース→派生」のレシピ構造を持つ業態では、反制品機能による一元管理が経営効率を大幅に改善します。


まとめ

カレー屋の原価管理は、「まとめ仕込み」と「メニュー戦略」の2つが利益の源泉です。

  1. チキンカレーの原価率は18%前後 — カレー屋の最高利益メニュー
  2. スパイス自体の原価は1人前15〜30円 — 原価の大部分は玉ねぎ・トマト・肉
  3. 2種盛り+副菜で客単価1,200円以上 — 見た目の豪華さと利益率を両立
  4. トッピングの利益率が極めて高い — チーズ・辛さ増し・温泉卵が「隠れた利益源泉」
  5. ワンオペ可能な業態 — 人件費率10〜15%で営業利益率15%以上も実現可能
  6. ベースソースの共通化でコスト削減と品質安定を同時達成

「安い材料で美味しいものを作り、見た目の価値で高く売る」——それがカレー屋経営の成功方程式です。


今すぐやること

  • ベースカレーソースの1人前あたり原価を計算する
  • チキン・ビーフ・キーマの原価率を比較する
  • トッピング(チーズ・辛さ増し・温泉卵)の原価と売価を設定する
  • ラッシーやチャイのセット販売で客単価+300円を目指す

関連ガイド:

よくある質問

カレー1皿の原価率はどのくらいですか?

業態によりますが、欧風カレーで25〜30%、スパイスカレーで20〜28%、インドカレー(ナン付き)で28〜35%が目安です。ライスの原価が米価高騰(CPI前年比+70.9%)で上がっているので、2026年は特にライス原価の見直しが重要です。

カレーのルーと具材、どちらが原価に影響しますか?

具材です。ルーやスパイスの1食あたり原価は30〜60円ですが、肉の原価は100〜200円以上になります。肉の種類(鶏→豚→牛の順に高い)と使用量で原価率が大きく変わります。

カレー屋でトッピングは利益に貢献しますか?

はい。チーズ(原価30〜50円、売価150円)、温泉卵(原価20円、売価100円)、揚げ野菜(原価30円、売価120円)など、原価率の低いトッピングで客単価を150〜300円上げられます。メニュー表でおすすめ表示をすると注文率が上がります。

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