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カフェデザートの原価計算 - ケーキ1ピースの本当のコストは?

ケーキ、クッキー、焼き菓子の実際の原価計算方法。材料費から隠れたコストまで、現実的な原価率と価格設定ガイド。

更新 2026年2月18日
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目次

要点まとめ

  • デザートは利益率ではなく客単価向上効果で評価する(コーヒー+ケーキで客単価2.4倍)
  • ケーキ1ピースの実際の原価は材料費+包装材+電気代+ロス分で250〜400円程度
  • クッキー・焼き菓子は原価率18〜25%の高利益アイテム
  • 生フルーツデザートは季節によって原価が2倍近く変動するので注意

カフェデザートの原価計算

「ケーキ1ピース650円ですか?」

お客様がメニューを見て驚く表情。カフェやベーカリーを経営していると、よく見る光景です。

実際、ケーキ1ピースを作るのにいくらかかるのでしょうか?材料費だけ見ると「儲かりそう」と思いがちですが、隠れたコストまで考えると話は変わります。


コーヒー vs デザート、どちらが儲かる?

「ドリンクよりデザートの方が利益が出る」と思っている方も多いです。

メニュー販売価格材料費原価率利益
アメリカーノ450円35円8%415円
ケーキ1ピース650円250円38%400円

利益率だけ見るとコーヒーが圧倒的です。 しかしデザートの役割は違います。

ケーキを注文するお客様は、ほとんどの場合ドリンクも一緒に注文します。

デザートなし:450円(コーヒーのみ)
デザートあり:1,100円(コーヒー+ケーキ)

客単価2.4倍アップ

デザートは利益率ではなく、客単価向上効果で評価すべきです。


ケーキ原価計算:2025年価格基準

帝国データバンクの調査によると、2025年のケーキ原材料は大幅に値上がりしています。イチゴは前年比10〜30%、カカオは30%以上の高騰となっています。

例1:チョコレートケーキ(4号、6切れ)

材料費(2025年小売価格基準)

材料必要量単価金額
薄力粉200g0.4円/g80円
砂糖150g0.3円/g45円
バター100g3円/g300円
4個35円/個140円
ココアパウダー30g3円/g90円
生クリーム300ml1.2円/ml360円
チョコレート100g4円/g400円
材料費合計1,415円

1ピースあたりの材料費:

1,415円 ÷ 6ピース = 236円/ピース

隠れたコストを含めると:

項目1ピースあたり
材料費236円
包装材(皿、フォーク)20円
ケーキ箱(按分)15円
電気代(オーブン、冷蔵)20円
ロス(失敗、廃棄)15%45円
実際の原価約335円

販売価格650円の場合:

原価率 = 335 ÷ 650 = 51.5%

⚠️ これは少し高めです。カフェ経営の一般的な目安では、ケーキの原価率は30〜40%が理想とされています。価格設定の見直しが必要かもしれません。

700円で販売した場合:

原価率 = 335 ÷ 700 = 47.9%
利益 = 365円

例2:バスクチーズケーキ(4号、6切れ)

材料必要量単価金額
クリームチーズ400g1.8円/g720円
砂糖150g0.3円/g45円
4個35円/個140円
生クリーム200ml1.2円/ml240円
薄力粉20g0.4円/g8円
材料費合計1,153円
1ピースあたり材料費:1,153 ÷ 6 = 192円
+ 隠れたコスト:75円
= 実際の原価:約270円/ピース

バスクチーズケーキは材料がシンプルで、原価管理がしやすいケーキです。


例3:いちごショートケーキ(季節変動注意)

シーズンによって原価が大きく変わります。

小売物価統計調査によると、2025年11月のケーキ価格は消費者物価指数で前年比8.9ポイント上昇しています。

材料必要量旬(1〜4月)旬外(7〜9月)
スポンジケーキ1台300円300円
生クリーム500ml600円600円
いちご300g500円1,200円+
砂糖50g15円15円
合計1,415円2,115円+
旬(1〜4月)1ピース:約310円
旬外(7〜9月)1ピース:約430円+

⚠️ 旬外のいちごショートケーキは原価率が50%を超えやすいです。季節メニューとして運営するか、他のフルーツに切り替えるのが現実的です。


クッキー・焼き菓子:高利益アイテム

チョコチップクッキー(20枚分)

材料必要量単価金額
バター150g3円/g450円
砂糖100g0.3円/g30円
薄力粉200g0.4円/g80円
1個35円35円
チョコチップ100g2.2円/g220円
ベーキングパウダー5g1円/g5円
合計820円
1枚あたり材料費:820 ÷ 20 = 41円
+ 包装材、電気代:20円
= 実際の原価:約60円/枚

販売価格280円の場合:

原価率 = 60 ÷ 280 = 21.4% ✅
利益 = 220円

クッキーや焼き菓子は**原価率20〜25%**で、カフェの利益を支える商品です。


デザート別目標原価率

デザート目標原価率特徴
クッキー・焼き菓子18〜25%大量生産、日持ちする
パウンドケーキ20〜28%材料シンプル、安定
マフィン20〜28%トッピングで変動
チーズケーキ28〜35%クリームチーズのコスト
生クリームケーキ32〜42%生クリーム、デコレーション
フルーツケーキ35〜48%季節変動大
マカロン25〜32%失敗率を考慮

スイーツの原価率解説によると、一般的にFLコスト(材料費+人件費)は55〜60%が健全な水準とされています。


隠れたコストチェックリスト

原価計算で見落としがちな項目:

1. 包装材

項目単価
ケーキプレート5〜15円
ケーキ箱(ホール)80〜200円
クッキー袋3〜10円
リボン・シール5〜15円
フォーク3〜8円

2. 電気代

月間ベーキング機器の電気代:

  • オーブン:1,500〜3,000円
  • 冷蔵ショーケース:1,200〜2,000円
  • 冷凍庫:1,000〜1,800円
  • ミキサー:500〜1,000円

→ 月4,000〜8,000円、月間生産量で割って計算

3. 廃棄・ロス

失敗した商品:5〜10%
消費期限切れ:5〜10%
試食・サービス:3〜5%
─────────────────────
平均ロス率:13〜25%

このロス分を原価に反映しないと、「思ったより利益が出ない」という結果になります。


価格設定の公式

基本公式

推奨販売価格 = (材料費 + 隠れたコスト) ÷ 目標原価率

例:
実際の原価335円、目標原価率40%
販売価格 = 335 ÷ 0.4 = 838円
→ 800円または850円で販売

メニュー構成戦略

利益を出すメニューミックス:

高利益メニュー(売上の60〜70%):
- クッキー、ブラウニー、マフィン
- 原価率18〜25%

中利益メニュー(売上の20〜30%):
- チーズケーキ、タルト
- 原価率28〜35%

シグニチャーメニュー(売上の10〜15%):
- 生クリームケーキ、季節限定
- 原価率35〜45%
- SNS映え、ブランディング用

季節別メニュー戦略

季節おすすめ理由
春(3〜5月)いちご、桜いちご旬、視覚的効果
夏(6〜8月)マンゴー、桃トロピカルフルーツ旬
秋(9〜11月)さつまいも、栗材料費安定、保存しやすい
冬(12〜2月)チョコレート、抹茶生フルーツ高騰を回避

現実的なアドバイス

1. レシピの標準化

「バター適量」→「バター150g(無塩、室温)」

計量が一定でないと、原価も一定になりません。

2. 大量購入の落とし穴

材料少量大量節約率
薄力粉1kg400円280円30%
バター450g1,400円1,100円21%

ただし、消費期限内に使い切れるかを先に計算してください。廃棄すると節約効果はゼロです。

3. 既製品の活用

自作より買った方がいい場合:

  • スポンジケーキ:品質が安定、失敗リスクなし
  • フィリング・ソース:少量メニュー向け

関連ガイド

まとめ

  1. ケーキ1ピースの実際の原価は、材料費+包装材+電気代+ロス分を含める必要がある
  2. 2025年基準でケーキ1ピースの原価は250〜400円程度
  3. クッキー・焼き菓子は原価率18〜25%の高利益アイテム
  4. 生フルーツデザートは季節によって原価が2倍近く変動
  5. 隠れたコスト**15〜25%**を必ず反映して、本当の利益を把握する

デザートごとの正確な原価と販売価格を計算したい方は、KitchenCostアプリをお試しください。材料を入力すると、1ピースあたりの原価と推奨販売価格を自動計算します。

今すぐやること

  • 看板デザートの材料費を計算する
  • 隠れたコスト(包装材、電気代、ロス)を加算する
  • 目標原価率(30〜40%)で販売価格を再設定する
  • 高利益アイテム(クッキー、焼き菓子)の比率を増やす

参考資料

よくある質問

ケーキ1ピースの原価はいくらが目安ですか?

自家製のショートケーキなら1ピースあたり150〜250円が目安です。ただしバターや生クリームの価格変動が大きいため、主要材料の仕入れ価格を月1回は確認してください。500円で販売して原価200円なら原価率40%で、デザート単体としてはやや高めです。

カフェデザートの適正原価率はどのくらいですか?

デザート単体では25〜35%が目安です。ドリンクとセットで提供する場合、ドリンクの原価率が10〜15%と低いため、セット全体の原価率は20〜25%に収まります。ケーキとコーヒーのセットで利益を設計するのが定石です。

焼き菓子とケーキ、どちらが利益率が高いですか?

焼き菓子(クッキー、マフィン)のほうが利益率は高いです。日持ちするので廃棄リスクが低く、バターや砂糖など安価な材料が中心。原価率15〜25%に収まることが多いです。生ケーキは原価率35〜45%になりやすく、廃棄リスクもあります。

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