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ハンバーガー店の原価ガイド:パティ120gの歩留まりと、コンボが利益を食う仕組み

ハンバーガー1個の原価をパティ・バンズ・トッピングに分解。焼き縮みの歩留まり計算、コンボセットの原価率、トッピング価格設計を実例で解説します。

更新 2026年2月7日
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目次

ハンバーガーは「原価が安い」と思われがちです。

パティ120g、バンズ、レタス、トマト。材料はシンプル。ところが実際に利益を圧迫しているのは、パティの焼き縮みと、トッピング・コンボの積み重ねです。

生パティ120gは焼くと95gになる。歩留まり79%。この20%の縮みを原価に反映していないと、毎月数万円の計算ズレが起きます。

さらにコンボセット。ポテトとドリンクをつけると、バーガー単品より100円以上原価が上がる。割引まで入れると、原価率が30%を軽く超えることもあります。

ハンバーガー店の利益管理は、パティの歩留まりとコンボの価格設計で決まります。


まとめ

  • パティは生重量ではなく歩留まり補正後の重量で原価を出す
  • バーガー1個の原価は約293円。コンボにすると398円に跳ね上がる
  • トッピングは利益の柱。原価の2.5〜4倍で価格設定する
  • ポテトの提供量を計量しないと原価が1.2〜1.5倍にブレる
  • 包材コスト(紙袋・包み紙)はテイクアウト比率で変動する

チーズバーガー1個の原価を分解する

例:チーズバーガー単品(税抜1,200円)

項目原価
パティ(合挽き)120g(生)152円
バンズ(ブリオッシュ)1個45円
スライスチーズ1枚28円
レタス + トマト各1枚25円
ピクルス3枚8円
ソース(BBQ系)20g15円
包材(紙袋・包み紙)20円
合計293円

原価率:293 ÷ 1,200 = 24.4%

※ パティ原価は歩留まり79%を反映済み(生120g × 1円/g = 120円 ÷ 0.79 = 152円)。合挽き肉は100gあたり100円(業務用)で計算。

24.4%は飲食店の目安(30〜35%)よりかなり低い。バーガー単品は利益率が高い商品です。ただし、コンボにした瞬間にこの数字は変わります。


パティの歩留まり計算

パティの原価計算で最も多い間違いは、生重量のまま計算すること。

肉種別の歩留まり目安

パティの種類生重量焼成後歩留まり100gあたり原価120gの実原価
合挽き(牛7:豚3)120g95g79%100円152円
牛100%120g90g75%130円208円
粗挽き牛100%150g112g75%140円280円

牛100%パティは味が良いけれど、歩留まりが低く原価も高い。合挽きと比べると1個あたり56円の差。1日50食で月間7万円以上の差になります。

歩留まりが下がる原因

  • 脂肪率が高い肉を使っている(脂が多いほど縮む)
  • 焼き温度が高すぎる(急激に縮んで肉汁が出る)
  • プレス器で押しつぶしている(ジューシーさと重量の両方が失われる)

対策:週に1回、ランダムに5個のパティの焼成前後の重量を量る。 歩留まりが75%を下回ったら、肉の配合か焼き方を見直す。


コンボセットの原価設計

ここがハンバーガー店の利益の分かれ目です。

コンボの原価内訳

項目原価備考
チーズバーガー293円上記の通り
ポテト(冷凍・120g)65円フライドポテト
ドリンク(原液+カップ)30円ディスペンサー
追加包材(紙袋・ストロー)10円テイクアウト
コンボ合計398円

コンボの価格設定パターン

価格設定コンボ価格原価率粗利
単品合計そのまま1,600円24.9%1,202円
コンボ割引100円1,500円26.5%1,102円
コンボ割引200円1,400円28.4%1,002円
コンボ割引300円1,300円30.6%902円

割引を300円つけると原価率が30%を超える。「コンボでお得感を出す」のは戦略として正しいけれど、割引幅は150円以内が安全圏です。

ポテトの量が利益を左右する

ポテトは盛り方で原価がブレやすい代表的な食材です。

手掴みでポテト容器に入れた場合:
スタッフA → 100g(54円)
スタッフB → 140g(76円)
スタッフC → 160g(87円)

差額:33円/食。1日50食で1,650円、月に約42,000円

対策:計量カップまたはスクープを使い、ポテトは120gに固定する。 Sサイズ80g、Mサイズ120g、Lサイズ160gのようにサイズ別に計量器具を決める。


トッピングの価格設計

トッピングはハンバーガー店の利益の柱です。原価が低くて売価を高く設定できる。

トッピング別の原価と推奨価格

トッピング原価推奨価格原価率粗利
チーズ追加28円120円23%92円
ベーコン2枚45円180円25%135円
目玉焼き25円120円21%95円
アボカド半個60円230円26%170円
パティ追加152円400円38%248円
ハラペーニョ12円80円15%68円

注文の40%にトッピングが入るとして、平均トッピング原価40円・売価150円なら、1日50食で月間約83,000円の粗利になります。

トッピングで失敗するパターン

  • 無料トッピングが多すぎる:レタス増量、ソース増量を無料にすると、利益を削るだけ
  • メニュー表でトッピングが目立たない:注文率が下がる
  • 価格が安すぎる:「チーズ50円」は粗利22円しか残らない

バンズの選択と原価への影響

バンズの選択は客単価と原価率の両方に影響します。

バンズの種類1個あたり原価特徴
普通のバンズ(仕入れ)25円安定・低コスト
ブリオッシュバンズ45円バターの風味・単価アップ可
自家製バンズ30〜40円人件費込みだと高くなりがち
プレッツェルバンズ55円差別化向き

普通のバンズからブリオッシュに変えると、1個あたり20円増。これをそのまま吸収すると月に25,000〜30,000円のコスト増です。バンズを変えるなら売価も同時に見直すのが原則。


人件費を含めたプライムコスト

材料費だけでは利益の全体像が見えません。人件費を足した「プライムコスト」で管理します。

1食あたりの人件費計算

時給1,121円(2025年全国加重平均最低賃金)
1時間の提供食数:12食(ランチ帯の目安)
1食あたり人件費 = 1,121 ÷ 12 = 約93円

プライムコスト

コンボ原価398円 + 人件費93円 = 491円
コンボ価格1,350円に対するプライムコスト率 = 36.4%

プライムコスト率は55〜60%以下が目標。36.4%なら家賃や光熱費を引いても利益が残ります。


月次の利益シミュレーション

前提

  • 営業日数:26日
  • 1日の平均食数:50食
  • バーガー単品40%・コンボ60%
  • 平均客単価:1,400円(トッピング込み)
月間売上 = 50食 × 1,400円 × 26日 = 1,820,000円

原価率27%の場合(ポテト計量・トッピング有料):
原価 = 491,400円
粗利 = 1,328,600円

原価率33%の場合(ポテト多め・無料トッピングあり・割引大きめ):
原価 = 600,600円
粗利 = 1,219,400円

差額 = 109,200円/月 = 年間1,310,400円

原価率6ポイントの差が年間131万円の利益差。そのうちポテトの計量ブレと無料トッピングだけで年間60〜80万円を占めることもあります。


今すぐやること

  • パティの焼成前後の重量を計測し、歩留まりを確認する
  • ポテトの提供量を計量カップで固定する(S/M/Lサイズ別に)
  • コンボセットの合計原価率を計算し、割引幅を見直す
  • トッピングの価格を原価の2.5〜4倍になっているか確認する
  • 無料トッピング・無料増量を見直し、有料化を検討する
  • 月次の仕入れ価格を記録し、原価率の変動を追跡する

関連ガイド


パティの歩留まり・トッピング・コンボの原価を登録すれば、1食の利益が自動で出ます。ポテトのサイズ別原価も管理できます。KitchenCost は無料で使えます。

よくある質問

ハンバーガー1個の原価はどれくらい?

パティ120g(歩留まり補正込み152円)、バンズ45円、チーズ28円、野菜25円、ソース15円、包材20円で合計約293円が目安です。販売価格1,200円なら原価率24.4%ですが、コンボ(ポテト+ドリンク)にすると合計398円、コンボ価格1,350円で原価率29.5%に上がります。

パティの歩留まりはどう計算する?

焼成前後の重量を量ります。生120gで焼成後95gなら歩留まり79%。生パティ原価120円÷歩留まり0.79=実質原価152円です。歩留まりを無視すると原価が20〜30円低く見えてしまいます。合挽き肉は牛100%より歩留まりが5%ほど高い傾向があります。

コンボセットの原価管理で注意することは?

ポテトは計量しないと1.2〜1.5倍になりがちです。冷凍ポテト120gで65円、ドリンク原液+カップで30円、追加包材10円。コンボ追加原価105円に対してコンボ割引をつけると原価率が跳ね上がります。割引なしの追加価格設定か、ポテトの量を100gに抑えるのが現実的です。

トッピングの価格はどう決める?

トッピング原価の2.5〜4倍が目安。チーズ追加(原価28円→価格100〜150円)、ベーコン(45円→150〜200円)、アボカド(60円→200〜250円)。無料トッピングは利益を直接削るので、有料にして客単価を上げる設計にします。

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