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飲食店の損益分岐点売上の計算方法——「いくら売れば赤字にならないか」を数字で知る

売上はあるのに手元にお金が残らない。それは損益分岐点を把握していないから。固定費と変動費率から必要売上を出し、日次目標まで落とし込む手順をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

売上はあるのに、手元資金が増えない。

この状態は、原価率より先に**「損益分岐点売上」(いくら売れば赤字にならないかのライン)**を把握しないと改善しにくい。

固定費と変動費率から必要売上を出し、日次目標まで落とし込む手順を整理した。

先に結論

  • 損益分岐点売上 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
  • 変動費率は「原価率 + 時給人件費率 + 決済/包材/販促の変動費率」で作る
  • 月間目標を営業日で割って日次目標に変換する
  • 数字は税込/税抜を混在させない。税抜売上で統一する

なぜ2026年も月次の再計算が必要か

2025年の食料CPIは前年比**+6.8%(総務省統計局、2026年1月23日公表)。最低賃金は全国加重平均時給1,121円**(前年度比+66円、厚労省2025年9月5日公表)。

仕入れと人件費の前提が同時に動く時期は、年1回の見直しでは遅れる。月1回の損益分岐点更新をルーティンにしよう。

計算の手順

1. 固定費を月次で確定する

固定費は、売上が変わっても大きく動かない費用。

  • 家賃・共益費
  • 管理者給与
  • 保険料
  • サブスク費用
  • 基本光熱費
  • 借入返済

月次表にまとめて毎月同じ粒度で更新する。

2. 変動費率を直近実績で作る

直近30日の実績で計算する。

変動費率 = 原価率 + 人件費率 + その他変動費率
  • 原価率
  • 時給人件費率
  • 決済手数料
  • 包材費
  • デリバリー手数料 など

3. 損益分岐点売上を出す

損益分岐点売上 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)

1 − 変動費率が0以下になる場合は計算不能。その場合は先に変動費率そのものを下げる対策が必要。

例:26日営業の定食店

  • 固定費:230万円/月
  • 原価率:31%
  • 時給人件費率:26%
  • 決済・包材・販促の変動費率:7%
変動費率 = 31% + 26% + 7% = 64%
損益分岐点売上 = 230万 ÷(1 − 0.64)
             = 230万 ÷ 0.36
             = 約639万円

営業日26日なら日次目標は約24.6万円/日。客単価1,100円なら約224人/日

「売上目標」を「必要客数」に変えると、現場で共有しやすくなる。

立地別の目標配分(日本の実務向け)

同じ損益分岐点でも、商圏で日次目標の置き方は変わる。

商圏タイプ平日目標週末目標考え方
都心オフィス街(新橋・大手町型)28万円16.9万円平日ランチ比重が高い。雨天・連休前に平日が落ちやすい
住宅地・郊外(ベッドタウン型)22万円27.6万円週末ファミリー比重が高い。土日客数の確保が最優先

先に「店の型」を決めてから目標を割ると、販促とシフトの打ち手が揃いやすい。

よくある4つのズレ

  1. 税込と税抜が混在している。 月次比較が崩れる
  2. オーナー報酬を月ごとに入れたり外したりしている
  3. クーポン値引きやデリバリー手数料を変動費に入れていない
  4. 店内・テイクアウト・デリバリーを同じ変動費率で見ている

この4点を揃えるだけで、数字の精度がぐっと上がる。

今月やること

  • 固定費の月次一覧を最新化する
  • 直近30日で変動費率を再計算する
  • 損益分岐点売上を月次と日次で算出する
  • 客単価から必要客数まで落とし込む
  • 上位10メニューの粗利率を確認する

関連ガイド

公的ソース(確認日: 2026-02-18)


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よくある質問

損益分岐点は税込売上と税抜売上のどちらで計算すべきですか?

税抜売上で統一してください。税込と税抜が混在すると月次比較が崩れます。消費税は預かっているだけなので、利益計算には入れないのが鉄則です。

再計算の頻度はどれくらいが適切ですか?

最低でも月1回。最低賃金改定(2025年度は+66円)、主要食材の単価変動、家賃や外注費の見直しがあった月は都度更新してください。

損益分岐点が高すぎるとき、何から手を付けるべきですか?

まず固定費と上位メニューの粗利を見直します。売上を追うより損益構造を整えるほうが再現性が高いです。家賃交渉ができなくても、メニューの粗利改善は今日からできます。

デリバリー手数料は変動費率に入れるべきですか?

入れるべきです。店内売上と混ぜず、チャネル別に変動費率を分けると赤字チャネルを早く特定できます。UberEatsの手数料35%は原価率に匹敵するインパクトがあります。

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