アサイーボウルはSNS映えする。注文も入る。
でも月末に利益を計算すると「あれ、こんなに残らないの?」と感じる店が多いです。
原因はシンプルで、フルーツとトッピングが想像以上に高いということ。アサイーピューレ自体が輸入品で1杯150〜220円。ベリーやバナナを足して、グラノーラを乗せて、容器に入れると——原価500円はすぐ超えます。
990円で売って原価500円。原価率50%。これでは利益が残りません。
先に結論
- アサイーボウルの原価はピューレ + フルーツ + グラノーラ + 容器の4層で構成される
- ピューレとフルーツだけで原価の60%以上を占める
- トッピングを「全部無料」にすると原価率が一気に崩れる
- サイズは2段階で、Sサイズで利益を確保する設計がおすすめ
- 輸入食材が中心なので、月1回の仕入れ価格チェックが必須
アサイーボウル1杯の原価を分解する
例:レギュラーサイズ(税抜1,200円で販売)
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| アサイーピューレ(冷凍) | 100g | 180円 |
| バナナ | 1/2本 | 30円 |
| 冷凍ミックスベリー | 50g | 85円 |
| グラノーラ | 35g | 85円 |
| ハチミツ | 10g | 20円 |
| ココナッツフレーク | 5g | 10円 |
| 容器・スプーン | 1セット | 40円 |
| 合計 | 450円 |
原価率:450 ÷ 1,200 = 37.5%
※ 数字は例です。あなたの仕入れに置き換えてください。
一般的な飲食店の原価率目安は30%前後。アサイーボウルは素材の性質上どうしても高くなります。ただし、ドリンクやスムージーの原価率は15〜20%なので、セット販売で全体を30%台に収めることは十分可能です。
原価が崩れる4つの原因
1. フルーツの量が人によって違う
「バナナ半分」と言っても、大きいバナナと小さいバナナで20g以上変わります。ベリー類を「ひとつかみ」で盛ると、ある人は40g、別の人は70g。
1杯あたり30gの差 × 1日30杯 × 25日 = 月に22,500gの差。ベリー類なら約38,000円の差になります。
対策:フルーツはすべてグラムで決める。 カップやスプーンで「1杯=何g」と決めておくと、忙しい時間帯でも安定します。
2. グラノーラを目分量で入れている
グラノーラは見た目のボリュームがあるので少なく見えます。でも実際は重い。
市販のプレミアムグラノーラは100gあたり200〜300円。お客さんが期待する「たっぷり」を目分量で盛ると、40〜50gになることがあります。35gと50gの差はたった15gでも、1杯あたり30〜45円の違い。月30杯 × 25日で22,500〜33,750円。
対策:グラノーラは専用スプーンで1杯分を決める。 容器に先にグラノーラを入れてからアサイーを盛ると、毎回同じ量になります。
3. トッピングが全部「込み」になっている
チアシード、ナッツ、ココナッツ、はちみつ。全部トッピングで乗せると見栄えは良い。でもその分だけ原価が上がります。
| トッピング | 1杯分の量 | 原価 |
|---|---|---|
| アーモンドスライス | 10g | 30円 |
| チアシード | 5g | 15円 |
| ココナッツフレーク | 5g | 10円 |
| はちみつ | 10g | 20円 |
| 全部乗せ | 75円 |
全部乗せると原価が75円増えます。原価率にすると+6%。
対策:ベースに含めるトッピングは2種まで。残りは有料オプションにする。 「トッピング2種追加 +150円」なら、追加分の原価率は50%以下に収まります。
4. アサイーピューレの仕入れ価格をしばらく確認していない
アサイーピューレは輸入品です。為替、物流コスト、原産国の収穫状況で価格が変わります。
業務用の冷凍アサイーピューレは100gあたり150〜250円の幅があります。同じメーカーでも半年で20%近く変動することがあるため、仕入れ先は2社以上を確保しておくのが安全です。
サイズ別の価格設計
アサイーボウルのサイズ展開で利益を守るポイントは、ベース(ピューレ)の量は増やしても、フルーツとトッピングの増量は控えめにすることです。
推奨する2サイズ構成
| サイズ | ピューレ | フルーツ | グラノーラ | 価格(税抜) | 原価 | 原価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S (250ml) | 80g | 少なめ | 25g | 880円 | 310円 | 35% |
| L (400ml) | 120g | 標準 | 40g | 1,300円 | 495円 | 38% |
Sサイズが利益率の柱です。「ちょっと食べたい」「ランチ後のデザートに」のニーズに応えつつ、原価率を35%以下に抑えられます。
Lサイズではピューレを1.5倍にしても、フルーツの増量は20%程度に留めます。お客さんの「たっぷり感」はピューレのボリュームと盛り付けの高さで演出できます。
仕入れ価格の変動に備える
アサイーボウルの原材料はほぼ輸入品です。国産の材料はバナナ(フィリピン産でも比較的安定)くらい。
変動リスクの大きい材料
| 材料 | 変動要因 | 対策 |
|---|---|---|
| アサイーピューレ | 為替、ブラジル産地の天候 | 仕入れ先を2社以上確保 |
| ベリー類 | 季節、輸送コスト | 冷凍品を主力にし、国産旬フルーツを季節限定で併用 |
| グラノーラ | 小麦・オーツ価格 | 自家製グラノーラで原価を40%削減できる場合あり |
| ナッツ | 為替、産地の収穫量 | 高価格時は代替(パンプキンシードなど)を検討 |
総務省統計局の2025年CPI(消費者物価指数)では、食料全体が前年比+6.8%。フルーツ系メニューは影響が大きいため、少なくとも月1回は仕入れ価格を確認して、原価表を更新することをおすすめします。
ドリンクとセットで全体原価率を調整する
アサイーボウル単品は原価率35〜40%。これだけでは利益率が厳しい場合、ドリンクセットで全体の原価率を引き下げるのが有効です。
| セット内容 | 原価 | 価格 | 原価率 |
|---|---|---|---|
| アサイーボウル(S)単品 | 310円 | 880円 | 35% |
| コールドプレスジュース | 80円 | 450円 | 18% |
| セット合計 | 390円 | 1,200円 | 33% |
ドリンクは原価率が低いので、セット価格で少し割引しても全体の原価率が改善されます。
今週やること
- フルーツ盛り量をグラムで決めて、計量カップやスプーンで標準化する
- グラノーラの1杯分の量を決めて、先に容器に入れるオペレーションにする
- トッピングを「ベースに含むもの」と「有料追加」に分ける
- アサイーピューレの仕入れ価格を確認して、先月と比較する
- Sサイズの利益率を計算してみる(一番高いはず)
関連ガイド
フルーツの仕入れ価格が変わっても、レシピを登録しておけば全メニューの原価が自動で更新されます。KitchenCost は無料で使えます。