「焼きそばなんて、麺が安いんだから儲かるでしょ?」
そう言われることが多い。実際、麺は150gで45円。原価率だけ見れば夢のような商品に見える。
でも月末に通帳を見ると、期待したほど利益が残っていない。
原因は豚肉と油だ。豚バラ40gで80円、油とソースで28円。麺以外のコストが麺の3倍以上かかっている。さらに目分量で盛っていると、日によって原価が50円以上ブレることもある。
焼きそば専門店の利益は、「麺以外」の管理で決まる。
先に結論
- 原価は麺よりも豚肉と油が支配する。 麺45円に対して豚肉+油で88円
- ソースは濃度と使用量で原価が大きく変わる。 自家製は味で差別化できるが、廃棄ロスに注意
- 大盛りは「麺倍率」だけで価格を決めない。 固定コストがあるので上げ幅は控えめでOK
- トッピングは利益の主戦場。 目玉焼き、肉増し、チーズは必ず原価を出して値付けする
- 食材価格は動く前提で、季節ごとに見直す
焼きそばの原価がブレる5つの原因
- 麺量が日によって変わる — 計量せずに目分量で出している
- 豚肉の使用量が目分量 — 「気持ち多め」が1食20円の差になる
- 油の使用量を把握していない — 鉄板にたっぷり引くと10g→20gに倍増
- ソースの濃度がバラつく — 自家製だと仕込みロットで味が変わる
- トッピングの原価を計算していない — 肉増し・目玉焼きの追加コストが見えていない
ソース焼きそば(並)の原価内訳
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 麺 | 150g | 45円 |
| 豚バラ | 40g | 80円 |
| キャベツ | 60g | 18円 |
| ソース | 30g | 20円 |
| 油 | 10g | 8円 |
| かつお節・青のり | 1食分 | 12円 |
| 容器(テイクアウト) | 1食分 | 15円 |
| 合計 | 198円 |
原価率30%で売価を逆算すると:
198 ÷ 0.30 = 660円
売価目安は650〜700円。 イートインなら容器代が不要なので、原価は183円(原価率28%)。
ただし、この数字はすべての食材を標準量で守った場合の話だ。豚バラを50gに増やしただけで原価が+20円、原価率は33%に跳ね上がる。
まず決めるべき3つの基準
焼きそば専門店で最初にやるべきことは、この3つの標準量を決めること。
- 麺の標準量(g)— 並150g、大盛230g、特盛300gなど
- 豚肉の標準量(g)— 並40g、肉増し+30gなど
- ソースの標準量(g or ml)— 並30g、味濃いめ+10gなど
ここがブレると、どんな価格設計も意味がない。計量スプーンと秤を使って統一するだけで、月の利益が1〜2万円変わるケースは珍しくない。
大盛り・トッピングの価格設計
大盛りの原価
- 麺 +80g(150g→230g):+24円
- ソース +10g:+7円
- 油は固定
原価の増分は約31円。価格は+120〜150円で設定すると利益が残る。
「原価が31円しか増えないのに150円も取っていいの?」と思うかもしれないけれど、麺以外の固定コスト(油・ガス代・容器・人件費)は変わらないから、これくらい取らないと大盛りの利益率が並盛より低くなる。
トッピングの原価と値付け
| トッピング | 原価 | 推奨売価 | 粗利 |
|---|---|---|---|
| 目玉焼き | 15円 | +80円 | 65円 |
| 肉増し(+30g) | 60円 | +150円 | 90円 |
| チーズ | 25円 | +100円 | 75円 |
| 海老(3尾) | 90円 | +200円 | 110円 |
| 明太マヨ | 20円 | +80円 | 60円 |
トッピングは焼きそば専門店の利益の主戦場。 1品あたりの粗利が60〜110円で、原価率も低い。メニュー表で目立たせて、セットで提案する価値がある。
価格見直しのタイミング
2025年の食品値上げは20,609品目。2026年も約15,000品目が値上げ予定だ。焼きそばの主要食材——豚肉、小麦粉(麺)、食用油、ソース——はすべて価格が上がっている。
食材価格は動く前提で、3か月ごとに原価を再計算するのが安全だ。特に豚バラ肉は季節で100gあたり20〜30円の変動がある。夏場のBBQ需要期は高くなりやすい。
今週やること
- 麺・豚肉・ソースの標準量をグラムで決める
- 油の1食あたり使用量を計測する(秤で3日間)
- 大盛り・トッピングの追加価格を原価から逆算する
- 並盛の原価率が30%以内か確認する
- トッピングメニューを追加・目立たせる
関連ガイド
麺・肉・ソースを登録すれば、焼きそば1食の原価が自動で出ます。トッピングの原価も含めて管理できる。KitchenCost を使ってみてください。