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タイ料理店の原価——グリーンカレー1杯のココナッツミルクとエビで利益が消える仕組み

タイ料理の原価はココナッツミルク・エビ・香草の3つで決まります。グリーンカレー1杯の原価を分解すると、ココナッツミルクだけで70円。エビを3尾盛れば原価率40%超。パッタイ・ガパオとの利益バランスの作り方をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

「タイ料理は原価が安い」と思って開業する人がいる。

たしかにガパオライスの原価だけ見れば200円台。原価率は25%前後で、悪くない数字だ。

でも看板メニューのグリーンカレーにエビを3尾盛った瞬間、原価が跳ね上がる。ココナッツミルクだけで70円、エビ3尾で180円。1杯の原価が400円を超えて、原価率は40%以上になることもある。

タイ料理店の利益は、ココナッツミルクとエビの量をどこまでコントロールできるかで決まる。

先に結論

  • 原価の山は「ココナッツミルク」「エビ」「香草」の3つ。 この3つを管理するだけで原価率が安定する
  • パッタイ・ガパオは低原価。 カレー系の高原価をカバーする役割を持たせる
  • 香草のロス率は30〜40%。 可食部重量で原価を計算しないとズレる
  • 輸入調味料は為替で価格が変わる。 3ヶ月ごとに仕入れ値を確認する

グリーンカレー1杯の原価を分解する

グリーンカレー(鶏肉・税抜900円)

項目金額
グリーンカレーペースト(30g)35円
ココナッツミルク(150ml)70円
鶏もも肉(80g)65円
なす・たけのこ・パプリカ40円
バジル15円
ジャスミンライス(150g)30円
合計255円

原価率:255 ÷ 900 = 28.3%。鶏肉なら悪くない。

グリーンカレー(エビ・税抜1,100円)

項目金額
グリーンカレーペースト(30g)35円
ココナッツミルク(150ml)70円
エビ(3尾・60g)180円
なす・たけのこ・パプリカ40円
バジル15円
ジャスミンライス(150g)30円
合計370円

原価率:370 ÷ 1,100 = 33.6%。鶏肉版より200円値上げしても、原価率は5ポイント高い。

エビをもう1尾追加して4尾にすると、原価率は38%を超える。 「サービスで多めに入れてあげよう」が利益を食う典型パターンだ。

パッタイとガパオで利益を確保する

タイ料理の強みは、低原価メニューと高原価メニューのバランスが取りやすいこと。

主要メニューの原価比較

メニュー原価売価(税抜)原価率粗利
ガパオライス195円850円23%655円
パッタイ(鶏)210円900円23%690円
パッタイ(エビ)330円1,100円30%770円
トムヤムクン350円1,000円35%650円
グリーンカレー(鶏)255円900円28%645円
グリーンカレー(エビ)370円1,100円34%730円
生春巻き(2本)120円500円24%380円
マンゴーもち米150円600円25%450円

ガパオとパッタイ(鶏)は原価率23%。 この2品をランチの主力にして、カレー系やエビメニューは夜の客単価を上げる役割にする——これがタイ料理店の基本の利益設計。

香草——ロス率30〜40%の「見えないコスト」

タイ料理に欠かせないバジル、パクチー、レモングラス。仕入れ値は1束150〜250円と安く見えるが、**実際に使える量は60〜70%**しかない。

香草の実質原価

香草仕入れ可食部率1杯あたり使用量実質原価
バジル150円/束65%5g15円
パクチー200円/束60%8g25円
レモングラス180円/束70%10g12円

1杯に3種全部使うと52円。月1,000杯売れる店なら、香草だけで月5万円以上。

「ちょっと多めに盛ってあげよう」を毎回やると、月1万円以上変わる。 盛り付けの分量を写真で統一するだけで防げる。

ココナッツミルクの管理

ココナッツミルクはタイカレーの命だが、原価に直結する。

  • 缶入り(400ml):250〜300円
  • 1杯あたり使用量:100〜150ml
  • 1杯あたり原価:60〜110円

缶を開けたら冷蔵で2〜3日しか持たない。半端に余らせると廃棄コストになる。

対策:

  • 1日に使う量を予測して開缶する
  • カレーの出数を曜日別で把握する(土日はカレー系が多い、平日はガパオ中心など)
  • 余ったら翌朝のスープに回す

輸入調味料は「為替リスク」がある

ナンプラー、オイスターソース、カレーペースト、ココナッツミルク。タイ料理の調味料の多くは輸入品だ。

円安が進むと、予告なく仕入れ価格が上がる。2024〜2025年の円安局面では、タイからの輸入食品が**前年比+15〜20%**上がった店もある。

3ヶ月ごとに調味料の仕入れ値を確認する。 上がっていたら、メニュー原価を再計算する。

飲食業全体で96.0%の店が仕入れ高騰に直面している。タイ料理店は輸入食材への依存度が高い分、為替の影響をまともに受ける。

今週やること

  • グリーンカレーの原価を分解する(ペースト・ココナッツミルク・肉・野菜・香草)
  • エビの1尾あたり原価を確認して、メニューに何尾入れるか固定する
  • 香草の盛り付け量を写真で統一する
  • ココナッツミルクの曜日別使用量を1週間記録する
  • 輸入調味料の仕入れ価格を直近の納品書で確認する

タイ料理は香りで勝負する業態。でも利益は「エビの尾数」と「ココナッツミルクのml数」で決まる。まずはグリーンカレー1杯の原価から出してみてほしい。


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よくある質問

タイ料理で原価が高いメニューは何ですか?

エビを使うメニュー(トムヤムクン、パッタイのエビ増し、エビのグリーンカレー)が最も高くなります。エビ1尾あたり50〜80円で、3尾盛ると原価が150〜240円跳ね上がります。ココナッツミルクも1缶250〜300円と高く、カレー1杯あたり60〜80円になります。

パクチーやバジルなどの香草は原価に入れるべきですか?

入れてください。バジル1束150円で3〜4杯分、パクチー1束200円で5〜6杯分。1杯あたり30〜50円になります。さらに香草は傷みが早く、ロス率が30〜40%と高い。ロス込みの実質原価で計算しないと、月末に数字が合わなくなります。

パッタイは利益が出やすいですか?

米麺自体は安い(1食分20〜30円)ので、具材の管理次第で原価率25〜30%に収められます。ただし「もやしたっぷり」「エビ追加」を気前よく盛ると原価率が一気に上がるので、具材のグラム数を固定するのが前提です。

タイ料理の仕入れで気をつけることは?

ナンプラー、ココナッツミルク、カレーペーストなどの輸入調味料は為替変動で価格が変わりやすいです。3ヶ月ごとに仕入れ価格を確認して、原価を再計算してください。輸入品の価格改定は予告なしに来ることが多いです。

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