定食屋はセットで売る業態。「ご飯・味噌汁・主菜・小鉢」の積み上げで原価が決まる。
主菜が安くても、付随する小鉢やご飯で原価は膨らむ。「回転率で勝つ」と言われるが、原価設計なしの回転は赤字を加速させるだけだ。
要点まとめ
先に押さえる要点は、定食は「単品原価」ではなくセット原価で見る、主菜の原価が高い日は小鉢で調整する、ご飯・味噌汁は「低原価だが必ず出る」固定コスト、回転率を上げても、原価設計がないと利益は残らないです。
定食屋の原価がブレる理由
- 主菜の仕入れ変動が大きい
- 小鉢の内容が日替わりで揺れる
- ご飯・味噌汁は毎回出る
- セット価格でまとめるため単品の歪みが出やすい
- 回転率の高さが原価のズレを隠す
原価計算の基本式
可食部 = 仕入量 × (1 - ロス率)
単価 = 仕入価格 ÷ 可食部
食材原価 = 単価 × 使用量
定食原価 = 主菜 + 小鉢 + ご飯 + 味噌汁 + 付け合わせ
原価率 = 定食原価 ÷ 売価
分母が0のときは0とし、NaN/Infinityは0で扱います。
物価シグナル(2025年平均)
総務省統計局の消費者物価指数(2020年基準、2025年平均)。食料の上昇は定食屋の原価に直撃します。
| 区分 | 指数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 総合 | 111.9 | +3.2% |
| 食料 | 125.8 | +6.8% |
| サービス | 103.1 | +1.5% |
ポイント: 食材高騰期は、主菜・小鉢のバランス調整が重要です。
定食の原価内訳(モデル)
| 要素 | 原価目安 | コメント |
|---|---|---|
| 主菜 | 120〜280円 | 肉・魚で大きく変動 |
| 小鉢 | 30〜80円 | 日替わり調整用 |
| ご飯 | 25〜40円 | 量で差が出る |
| 味噌汁 | 15〜30円 | 具材で変動 |
| 付け合わせ | 10〜30円 | 漬物やサラダ |
| 合計 | 200〜460円 |
例1|生姜焼き定食
前提(モデル)
- 豚ロース:120g
- たまねぎ:60g
- 小鉢:ひじき煮
- ご飯:200g
- 味噌汁:1杯
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| 生姜焼き | 210円 |
| 小鉢 | 40円 |
| ご飯 | 30円 |
| 味噌汁 | 20円 |
| 付け合わせ | 15円 |
| 合計 | 315円 |
原価率35%の売価:
315 ÷ 0.35 = 900円
実売価 900〜1,050円なら安定しやすい。
例2|唐揚げ定食
前提(モデル)
- 鶏もも:150g
- 衣・油:15円
- 小鉢:冷奴
- ご飯:200g
- 味噌汁:1杯
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| 唐揚げ | 190円 |
| 小鉢 | 35円 |
| ご飯 | 30円 |
| 味噌汁 | 20円 |
| 付け合わせ | 15円 |
| 合計 | 290円 |
原価率33%の売価:
290 ÷ 0.33 = 879円
唐揚げは人気メニュー。量を増やすほど原価が跳ねる。
例3|サバ味噌定食
前提(モデル)
- サバ切身:1枚
- 味噌だれ:15円
- 小鉢:ほうれん草おひたし
- ご飯:200g
- 味噌汁:1杯
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| サバ味噌 | 230円 |
| 小鉢 | 40円 |
| ご飯 | 30円 |
| 味噌汁 | 20円 |
| 付け合わせ | 15円 |
| 合計 | 335円 |
原価率35%の売価:
335 ÷ 0.35 = 957円
魚系は仕入変動が大きいので週次で確認が必要です。
定食屋の利益レバー
- 小鉢で調整
- 主菜が高い日は小鉢を低原価にする
- ご飯量の標準化
- 大盛りは必ず追加料金
- 日替わりの原価調整
- 日替わりは利益調整の武器
- 回転率
- 料理提供速度が利益を支える
持ち帰り・デリバリーの注意点
- 容器は1食あたり+30〜60円
- 味噌汁は別売りにする選択肢も有効
- デリバリーでは原価率を2〜4ポイント下げる設計が安全
月次チェックリスト
- 主菜の原価を更新
- 小鉢の平均原価を更新
- ご飯の原価を確認
- セット全体の原価率を確認
- 日替わりで利益調整できているか確認
今すぐやること
- 主菜3品の原価を計算する
- 小鉢の平均原価を出す
- ご飯・味噌汁の1杯あたり原価を出す
- 定食1品あたりのセット原価率を計算する
- 大盛り追加料金を設定する
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