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サラダ専門店の原価計算——野菜は安いのに、原価率50%を超える理由

サラダボウル1杯の原価を野菜・トッピング・ドレッシング・容器に分解。洗いロス、カットロス、売れ残り廃棄まで含めると原価率は想像以上に高い。重量管理とトッピング設計で利益を守る方法をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

サラダは野菜が主役だから原価が安い——と思って始める人は多いですが、実際はそうでもありません。

サラダボウル1杯の原価を分解してみると、野菜ベース150〜200円、タンパク質トッピング100〜200円、ドレッシング15〜35円、容器40〜55円。 合計すると350〜500円になることがざらにあります。

税込990円のサラダボウルで原価が450円なら、原価率は50%。これは飲食業の中でもかなり高い数字です。

理由は3つ。野菜のロスが多いこと、タンパク質トッピングが高いこと、そしてテイクアウト容器が重いこと。

先に結論

  • サラダの原価は野菜だけでなく「トッピング+ドレッシング+容器」で決まる
  • 野菜の洗いロス・カットロスは20〜30%。 仕入れ値の2〜3割が捨てる部分
  • タンパク質トッピング(鶏肉・サーモン・エビ)が原価の40〜50%を占める
  • テイクアウト容器は1食35〜55円。 月に数万円のコスト
  • ドレッシングの「かけ放題」は利益を削る。 計量ボトルか小分けパックで管理

サラダボウル1杯の原価を分解する

例1:グリルチキンサラダボウル(税込990円 → 税抜900円)

項目原価
レタス(ロメイン)80g40円
ベビーリーフ20g25円
トマト40g24円
きゅうり30g12円
アボカド1/4個50円
グリルチキン80g120円
ナッツ10g20円
ドレッシング(自家製)30ml25円
テイクアウト容器1式45円
合計361円

原価率:361 ÷ 900 = 40.1%

例2:サーモンアボカドボウル(税込1,200円 → 税抜1,091円)

項目原価
葉野菜ミックス80g50円
トマト30g18円
アボカド1/2個100円
スモークサーモン60g180円
クリームチーズ15g27円
オリーブ5個15円
ドレッシング30ml25円
容器1式45円
合計460円

原価率:460 ÷ 1,091 = 42.2%

サーモンとアボカドだけで280円。 原価の6割がこの2品目です。

例3:ベジタブルサラダ(税込780円 → 税抜709円)

項目原価
葉野菜ミックス100g55円
にんじん30g8円
きゅうり30g12円
トマト40g24円
コーン20g10円
クルトン10g8円
ドレッシング30ml25円
容器1式45円
合計187円

原価率:187 ÷ 709 = 26.4%

タンパク質トッピングなしなら原価率26%。 野菜だけのサラダは原価率が低い。でもこれだと「お腹がいっぱいにならない」ので客単価が上がらない。

→ 利益の出し方はベジサラダで集客し、タンパク質をトッピングで追加注文させる設計です。


野菜のロス率は想像以上に高い

主な野菜のロス率

野菜仕入れ量使える量ロス率
レタス300g210〜240g20〜30%
キャベツ1kg750〜800g20〜25%
きゅうり100g90〜95g5〜10%
トマト150g130〜140g7〜13%
アボカド200g100〜120g40〜50%
にんじん150g130〜140g7〜13%

アボカドは半分が皮と種。 仕入れ値の50%が廃棄部分です。1個200円のアボカドで使える果肉は100〜120g。実質グラム単価は1.7〜2.0円/g。

レタスも外葉と芯で20〜30%のロス。300gのレタスから使えるのは210〜240g。仕入れ値200円なら、使える部分のグラム単価は0.83〜0.95円/g。

原価計算は「仕入れ量」ではなく「使える量」で計算する。 これを間違えると原価率が5〜10%ズレます。


ドレッシングの原価管理

自家製ドレッシングの例(1バッチ500ml)

材料原価
オリーブオイル200ml180円
酢(バルサミコ)100ml120円
レモン汁50ml40円
塩・胡椒・ハーブ30円
はちみつ30ml45円
合計415円

1食分30mlあたり:415 ÷ 16.7食 = 約25円

ドレッシングの「ひと回し多め」問題

1食30mlが40mlになると、原価は25円→33円。

+10ml × 50食/日 × 25日 = 10,000円/月

対策:計量ボトル(ポンプ式)か、小分けカップ(30ml)で提供する。 お客さんに好きなだけかけさせる方式は原価が読めなくなります。


テイクアウト容器のコスト

サラダ専門店はテイクアウト比率が50〜70%と高い業態です。容器コストが利益に直結します。

容器・資材1食あたり
透明ボウル(500ml)18〜25円
8〜12円
フォーク or 箸3〜5円
ドレッシング小分けカップ5〜8円
手提げ袋5〜8円
合計39〜58円

1日50食テイクアウトなら、月48,750〜72,500円。

店内と同じ価格にすると毎月数万円が消える。 テイクアウトは+80〜100円の価格設定にするか、容器持参割引(−50円など)で対応するのが現実的です。


トッピングの価格設計

サラダ専門店の利益はトッピングの追加注文で決まります。

トッピング原価追加価格原価率
グリルチキン(80g)120円+280円43%
ゆで卵(1個)22円+80円28%
アボカド(1/4個)50円+150円33%
サーモン(60g)180円+380円47%
ナッツミックス(15g)30円+100円30%
チーズ(20g)40円+120円33%
豆腐(80g)15円+80円19%

豆腐とゆで卵は原価率が最も低いトッピング。 メニュー表でこの2つを目立つ位置に置くと、全体の原価率を下げやすくなります。


廃棄を減らす3つのルール

1. カット野菜は当日分だけ仕込む

カットした野菜は翌日には色が変わって使えなくなるものが多い。レタス、アボカド、きゅうりは当日消費が基本。

2. 売れ残りは時間帯で集計する

「何時以降に売れ残るか」を1週間記録するだけで、仕込み量の精度が上がります。

3. 端材はスムージーやスープに回す

レタスの外葉、にんじんの端、アボカドの小さすぎるカット——これらは廃棄するよりスムージーやスープに回した方がコストを回収できます。


今週やること

  • 主力3品のボウル重量を秤で計量し、基準グラムを固定する
  • レタス・アボカドのロス率を実測する(洗い前→使用可能量)
  • ドレッシングを計量ボトルか小分けカップに切り替える
  • テイクアウト容器の1食あたりコストを計算し、テイクアウト価格を見直す
  • カット野菜の仕込み量を前日の販売数ベースで決めるルールを試す

関連ガイド


野菜・トッピング・ドレッシングの原価を登録すれば、サラダボウル1杯の原価が自動で出ます。仕入れ値が変わっても一括更新。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

サラダは何gで標準化すべき?

レギュラーボウルで250〜300g、ラージで350〜400gが一般的です。重要なのは毎回同じ重量を出すこと。10gのブレでも1日50食で月12,500円以上の差になります。秤で計量するか、ボウルに基準ラインを引くかしてください。

ドレッシングは無料にしても良い?

基本量は含めて問題ありませんが、「かけ放題」や「追加無料」は避けてください。自家製ドレッシング1食分30mlで15〜35円。追加1回で原価が15円以上増えます。追加は有料(+50〜80円)にするか、小分けパックで提供すると管理しやすいです。

洗いロスはどう扱う?

レタスなら外葉や芯で20〜30%、きゅうりは両端で5〜10%のロスが出ます。洗い前と洗い後の重量差を一度測って、その歩留まり率を原価計算に組み込んでください。レタス1玉300gで使えるのは210〜240g。仕入れ値を使える量で割り直すのが正確な原価です。

テイクアウト容器のコストは重い?

サラダ専門店はテイクアウト比率が高く、容器コストが効きます。透明ボウル+蓋+フォーク+袋で1食35〜55円。月1,000食で35,000〜55,000円。店内価格と同じにすると確実に利益が減るので、テイクアウトは+80〜100円で設定してください。

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