定食屋にとって、米の価格が上がるのは「おかずの食材が値上がりした」のとは次元が違います。
すべてのメニューに影響する。
2025年は「令和の米騒動」と呼ばれるほどの高騰が続きました。でも「米が上がったからすぐ値上げ」ではなく、まず茶碗1杯のコストを正確に把握するところから始めると、判断がぶれません。
先に結論
- 米はkg管理ではなく「1食何グラム」で管理する。 ここを固定しないと原価がブレ続ける
- 並盛と大盛の差額を知る。 大盛無料なら、差額分がそのまま利益減
- 値上げの前にやれることがある。 盛り量の標準化、大盛り条件の見直し、セット構成の変更
- 米使用量が多いメニューから段階的に改定する。 全品一律は反発を招く
今の米価を数字で見る
農水省の相対取引価格は27,649円/60kg(2025年6月時点)。
米1g単価 = 27,649円 ÷ 60,000g = 0.461円
定食1食あたりの影響
| 盛付量 | 米原価 |
|---|---|
| 並盛 200g | 92.2円 |
| 大盛 300g | 138.3円 |
| 差額 | 46.1円 |
大盛り無料でやっている定食屋なら、大盛りが出るたびに46円の利益が消えています。
1日20食分が大盛りなら、月25日で23,050円。決して「たかが米」の金額ではありません。
値上げの前にできる3つのこと
- 盛り量をグラムで統一する — スタッフによって「大盛り」の量がバラバラな店は多い。計量スプーンや目安容器を決めるだけで、月単位のブレが消える
- 大盛り無料をやめる、または条件をつける — 「+50円」「LINE登録で無料」など。いきなりの有料化が難しければ、新規客から変更するのも手
- セット構成を見直す — ご飯の量を少し減らして、低原価の副菜(漬物、味噌汁具材の変更)で満足度を維持する
今週やること
- 全定食のご飯量を実測して、グラムで記録する
- 並盛と大盛の粗利差を計算する
- 差額30円を超えるメニューを改定候補にリストアップする
- 改定する場合の開始日を決めて、店頭とSNSで同時に告知する準備をする
米の価格はコントロールできません。でも、1杯のコストを把握していれば、打てる手は必ずあります。
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