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飲食店の光熱費を原価に入れる|スープ1杯に隠れた37.5円の正体

電気・ガス・水道は固定費じゃなく実質的な原価。1時間あたりの光熱費を出してメニューに配賦する方法を、実例つきで整理しました。

更新 2026年2月18日
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目次

月末、光熱費の請求書を見て「高いな」と思っても、それで終わりにしていませんか?

電気・ガス・水道は「固定費」と思われがちですが、飲食店では実質的な原価です。5時間煮込むスープ、朝から晩まで動くオーブン、ひっきりなしに開閉する冷蔵庫——どれもメニューの利益を静かに削っています。

先に結論

  • 光熱費は仕込み・調理の原価として扱う
  • 配賦は「時間基準」が最もシンプル(月間光熱費÷稼働時間)
  • 価格改定の前に光熱費の動きをチェックする
  • 四半期ごとに再計算し、燃料費調整が動いた月は即見直し

なぜ光熱費がブレるのか

  • 季節で使用量が変わる——夏はエアコンと冷蔵庫、冬はガスと暖房
  • 長時間仕込みが重なると一気に増える——スープ、低温調理、スモーク
  • 燃料費調整で単価が動く——同じ使い方でも請求額が変わる

燃料費調整は毎月の料金に反映されます。「使い方は変わっていないのに請求が増えた」という場合、たいていこれが原因です。


2025年の物価データ

総務省統計局の2025年平均CPIによると、

  • 食料:前年比 +6.8%
  • 光熱・水道:前年比 +3.6%

食材も光熱費も上がっている。原価の見直しが遅れると、両方から利益が挟み撃ちされます。


基本の計算式

光熱費/時間 = 月間光熱費 ÷ 月間稼働時間
光熱費/バッチ = 光熱費/時間 × 仕込み時間
光熱費/商品 = 光熱費/バッチ ÷ 仕込み量

例:スープの仕込み配賦

  • 月間光熱費:90,000円
  • 月間稼働時間:300時間
光熱費/時間 = 90,000 ÷ 300 = 300円

5時間煮込むスープバッチの場合:

光熱費/バッチ = 300円 × 5時間 = 1,500円

40食分なら:

光熱費/食 = 1,500 ÷ 40 = 37.5円

この37.5円、見落としていませんか。月1,000杯出るなら月3万7,500円。食材原価だけで原価率を計算していると、この分がまるごと利益から消えています。


光熱費が重い業態・メニュー

  • ラーメン店の長時間スープ(8〜12時間)
  • 低温調理・スモーク(6〜24時間)
  • オーブン主体のベーカリー(朝から稼働)
  • 揚げ物中心の店舗(油温の維持)
  • 冷凍庫・ショーケースが多い業態(24時間稼働)

心当たりがあるなら、光熱費の配賦は「やったほうがいい」ではなく「やらないと利益が見えない」レベルです。


削減のポイント

  • 仕込みをまとめて回す(小分けにするほど立ち上げコストが増える)
  • 鍋のサイズと火力を最適化する(大きい鍋に少量は非効率)
  • 冷蔵庫の開閉回数を減らす(導線を見直すだけで変わる)
  • 食洗機はまとめ洗いにする(1回の稼働コストは同じ)

今週やること

  • 過去3ヶ月の光熱費請求書を集めて月平均を出す
  • 月間稼働時間を確認し、1時間あたりの光熱費を計算する
  • 仕込み時間が長いメニュー上位3品を特定する
  • その3品に光熱費を配賦して原価を再計算する
  • 四半期ごとの見直し予定をカレンダーに入れる

関連ガイド


光熱費まで含めて原価を自動計算するなら、KitchenCost を確認してください。


参考資料

よくある質問

光熱費は原価に入れるべき?

入れるべきです。特にラーメンの長時間スープ(5時間で約1,500円)やベーカリーのオーブン稼働は、1食あたり30〜50円の隠れた原価になります。これを無視すると利益計算が3〜5%ズレます。

簡単な配賦方法はある?

月間光熱費÷月間稼働時間で1時間あたりのコストを出し、各メニューの仕込み時間で割り振る方法が最もシンプルです。たとえば月9万円÷300時間=300円/時間。5時間煮込むスープなら1バッチ1,500円です。

見直し頻度はどれくらい?

最低でも四半期ごと。燃料費調整額が大きく動いた月は、その月のうちに再計算するのが安全です。2025年は光熱・水道が前年比+3.6%上昇しています。

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