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おでん屋の原価——大根1本30円、卵1個23円。単価が安いからこそ「積み上げ」で利益が決まる

おでん1品の原価は10〜80円。単価が安い分、だしのコスト、売れ残りの廃棄、具材の仕込み数が利益を左右します。おでんの原価を具材別に分解し、セット価格で利益を安定させる方法をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

寒い日に立ち寄るおでん屋。大根に卵、ちくわに巾着。温かいだしと一緒に食べると、それだけで幸せだ。

おでん1品の価格は80〜200円。お客さんにとっては「安くて気軽な食事」だが、店側にとっては1品あたりの粗利が50〜100円しかない。

だからこそ積み上げが全て。だしのコスト、具材の仕込み数、売れ残りの廃棄——小さなズレの積み重ねが、月末の利益を大きく変える。

先に結論

  • おでんの原価は「だし + 具材」の積み上げ。 1品の原価は10〜80円と安いが、粗利も小さい
  • だしは鍋単位で管理。 1杯あたり16〜24円。コストは安いが「味のブレ」が客離れに直結する
  • 売れ残り廃棄が最大のリスク。 仕込み数を曜日別に管理して、追加仕込みで対応する
  • セット販売で客単価を上げる。 5品セットで粗利を安定させる

だしの原価——鍋単位で計算する

おでんの味を決めるだし。原価は意外と安い。

だし1鍋(10L・約50杯分)

材料金額
昆布(30g)90円
かつお節(50g)150円
醤油120円
みりん80円
10円
水(10L)
合計450円
だし1杯(200ml)あたり = 450円 ÷ 50杯 = 9円

もっと贅沢なだし(昆布多め、鰹節を追い鰹)でも1杯20〜25円程度。だしの原価は全体の中では小さい。

ただし——だしは具材を煮込むにつれて味が移り、補充が必要。 追い鰹やだし汁の足し方にルールを作らないと、1日の終わりには「味が薄いおでん」になってしまう。

具材別の原価を把握する

おでんの具材は、原価の幅が大きい。

主要具材の原価と売価設計

具材原価推奨売価原価率粗利
大根(1切れ)15円100円15%85円
こんにゃく(1切れ)12円80円15%68円
卵(1個)23円100円23%77円
ちくわ(1本)25円100円25%75円
厚揚げ(1切れ)30円120円25%90円
はんぺん(1枚)35円120円29%85円
巾着(もち入り)50円150円33%100円
牛すじ串(1本)65円180円36%115円
ロールキャベツ55円150円37%95円
だし巻き玉子45円150円30%105円

大根とこんにゃくは原価率15%。 おでんの利益の柱。逆に牛すじとロールキャベツは原価率35%超えで、粗利額は高いが売れすぎると全体の原価率が上がる。

セット販売で利益を安定させる

おでんは1品ずつの注文だと客単価が安くなりがち。セット販売で客単価を上げるのが基本戦略。

5品セット(税抜500円)の設計例

構成原価
大根15円
こんにゃく12円
23円
ちくわ25円
厚揚げ30円
だし(1杯分)9円
合計114円

原価率:114 ÷ 500 = 22.8%。低原価具材を3品入れることで、セット全体の原価率を抑えている。

ここに日本酒やビールを加えると客単価が一気に上がる。 ドリンクの原価率は15〜20%。おでんセット+ドリンクで1人800〜1,000円、原価率20%台をキープできる。

セット構成のルール

  1. 低原価具材を3品以上入れる。 大根、こんにゃく、卵は必ず
  2. 高原価具材は単品追加で。 「セットに+150円で牛すじ追加」
  3. 季節限定の具材は単品で値付け。 トマトおでん、ロールキャベツなど

売れ残り管理——おでん最大のリスク

おでんは長時間煮込む業態だからこそ、売れ残り(廃棄)のリスクが大きい。

具材別の持ち越し可否

具材翌日持ち越し理由
大根味が染みてむしろ美味しくなる
こんにゃく劣化しにくい
翌日は味が入りすぎるが食べられる
ちくわ膨張して食感が変わる
はんぺん×翌日はぶよぶよになる
ちくわぶ×膨張して崩れる
巾着×餅が溶けて形が崩れる

持ち越せない具材ほど仕込み数を慎重にする。 はんぺんやちくわぶは「追加仕込み」で対応するのが原則。

仕込み数の曜日別管理

曜日来客予測仕込み量
月〜水少ない標準の70%
普通標準の90%
多い標準の120%
最も多い標準の130%
少ない〜普通標準の80%

天候でも大きく変わる。 雨の日は来客が30%減ることもある。天気予報を見て仕込み量を調整するのが実務。

おでんの季節性——冬で年間利益を稼ぐ

おでんの売上は10月〜3月に70〜80%が集中する。

冬(6ヶ月):月売上100万円 × 6ヶ月 = 600万円
夏(6ヶ月):月売上30万円 × 6ヶ月 = 180万円
年間合計:780万円

冬の6ヶ月で年間利益の大部分を稼ぐ計算。だからこそ冬の原価管理を徹底することが重要。

夏場の対策:

  • 冷やしおでんメニュー
  • 一品料理・居酒屋メニューの拡充
  • ランチ営業の追加

今週やること

  • だしの材料費を「1鍋あたり」で計算し、1杯あたりの原価を出す
  • 主要具材10品の原価を出して、売価と原価率を確認する
  • 5品セットの構成と価格を決める(低原価具材3品以上)
  • 曜日別の仕込み数を設定する(月〜水は少なめ、金土は多め)
  • 持ち越せない具材(はんぺん、ちくわぶ、巾着)は追加仕込みルールを決める

おでんは1品の粗利が小さいからこそ、仕込みと廃棄のコントロールが利益を決める。まずは主力10品の原価を出して、セットの構成を見直すところから始めてみてほしい。


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よくある質問

おでんのだしの原価はどう計算しますか?

鍋単位の材料費(昆布・鰹・醤油・みりん等)を出来上がり量で割ります。10Lの鍋でだし原価が800〜1,200円なら、お椀1杯(200ml)あたり16〜24円。だし自体は安いので、具材と仕込み数量のコントロールのほうが重要です。

おでんの売れ残りは原価にどう影響しますか?

おでんは長時間煮込むため、翌日まで持ち越せる具材(大根・こんにゃく)と持ち越せない具材(はんぺん・ちくわぶ)があります。持ち越せない具材の廃棄率が10%を超えると月数万円のロスになります。仕込み数を曜日別に調整し、追加仕込みで対応するのが原則です。

おでんのセット価格はどう設計しますか?

5品セット500〜600円が一般的です。低原価具材(大根・こんにゃく・卵)を3品、中原価具材(ちくわ・厚揚げ)を2品で構成すると、セット原価130〜160円、原価率25〜30%に収まります。高原価具材(巾着・牛すじ)は単品追加にして粗利を確保します。

おでんは冬だけの商売ですか?

売上の70〜80%は10月〜3月に集中します。夏場は売上が激減するため、冬の利益で年間を支える設計にするか、夏メニュー(冷やしおでん・一品料理)で補完するかの選択になります。

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