生ドーナツを作るとき、クリームの充填量をスプーンで「だいたいこれくらい」とやっていませんか?
その「だいたい」が、1個あたり3〜5gのブレを生みます。クリーム1gは約1.55円。たった3gでも月3,000個なら1万4千円の差。スプーンをやめて量りを使う——それだけで月の利益が変わる業態です。
先に結論
- クリーム量は「スプーン」ではなくグラムで管理する
- 揚げ油は吸油分と交換分を分けて原価に入れる
- 限定フレーバーは追加原価を別価格で回収する
- 週1回、上位商品の原価と売価をチェックする
なぜ今、再計算が必要なのか
2025年の消費者物価指数では食料の上昇が続いています。さらに最低賃金が全国平均1,121円に引き上げられ、製造・販売の人件費も同時に上がっています。
つまり、生地原価だけ固定しても利益は守れません。「材料」「油」「包材」「人件費に連動する製造手間」をセットで見直す必要があります。
基本の計算式
可食量 = 仕入量 × (1 - ロス率)
単位原価 = 仕入金額 ÷ 可食量
商品原価 = Σ(単位原価 × 使用量) + 包材 + その他変動費
必要売価 = 商品原価 ÷ 目標原価率
原価例:カスタード生ドーナツ(1個)
前提:薄力粉 1kg 320円(ロス率2%)、クリーム 1kg 1,550円、使用量38g
薄力粉の可食量 = 1,000g × (1 - 0.02) = 980g
薄力粉の単位原価 = 320 ÷ 980 = 0.33円/g
| 項目 | 計算 | 原価 |
|---|---|---|
| 生地 | 60g × 0.33円 | 19.8円 |
| クリーム | 38g × 1.55円 | 58.9円 |
| 揚げ油(吸油+交換分) | 1個按分 | 14.0円 |
| 仕上げ糖 | 1個按分 | 3.0円 |
| 包材 | 袋・台紙・シール | 22.0円 |
| その他変動費 | 決済・販促按分 | 6.0円 |
| 合計 | 123.7円 |
必要売価 = 123.7 ÷ 0.30 = 412.3円
税込420円前後を起点にし、売れ行きと粗利で微調整するのが実務的です。
商圏別の運用ポイント
駅ナカ・都心テイクアウト型
回転は速いが、低単価帯の競合が多く値上げ幅を取りにくい。プレーンの価格を急に上げるより、限定フレーバーを別価格で設計して利益を守るほうが現実的です。
郊外ロードサイド型
客単価は上げやすいが、家族来店で「もう少し入れて」が起きやすい。製造担当ごとの充填量を毎日記録し、グラムのブレを先に止めるのが効果的です。
今週やること(週1回・20分のルーティン)
- 上位5商品の充填量を実測し、基準グラムに固定する
- 揚げ油の交換ルールを「日数」ではなく「使用量」で決める
- 限定フレーバーの追加原価を計算し、別価格に反映する
- 包材・決済手数料まで含めて必要売価を再計算する
- 翌週に粗利率と廃棄率を並べて確認する
関連ガイド
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