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モーニングセット350円、コーヒーだけで105円——朝の利益はパンの厚みとおかわりで決まる

モーニングセットの原価は105〜140円。でもコーヒー豆を1杯12gから15gに増やすだけで月15,000円の差が出る。トーストの厚み、バターの塗布量、卵の追加ルール、おかわりの設計まで含めた喫茶店・カフェの朝の利益構造をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

名古屋の喫茶店ではコーヒー1杯でトーストとゆで卵がついてくる。

それが当たり前の文化になっているから、モーニングの原価を計算したことがない店主は多い。「コーヒー代でパンと卵はペイできてるでしょ」と思っている。

本当にそうだろうか。

コーヒー1杯の原価は35円。トースト2枚で30円、バター12gで12円、ゆで卵1個で20円。コーヒー以外の原価は62円。合計97円——いや、ミルクと砂糖の8円を足すと105円だ。

350円で出しているなら原価率30%。ギリギリ安全圏に見える。

でもコーヒーのおかわりを無料にした瞬間、原価は140円に跳ね上がる。原価率40%。朝の3時間で赤字を量産する装置になりかねない。

モーニングは「安く見せて集客する」のが目的だ。だからこそ、1円単位で原価を把握していないと利益が残らない

先に結論

  • モーニングの原価は105〜140円。 コーヒーのおかわり有無で35円変わる
  • コーヒー豆は1杯12gが標準。 15gにするだけで月15,000円の差
  • トーストの厚みは6枚切りか8枚切りで固定。 4枚切りは原価が1.5倍
  • バターは1食12gで計量。 目分量で塗ると15〜20gになりがち
  • 卵の追加は有料が鉄則。 無料対応は月15,000円の利益流出
  • 回転率がモーニングの命。 40〜50分で席が空くことが利益の前提

モーニングセットの原価を分解する

例:モーニングAセット(税抜350円)

項目原価
食パン(6枚切り×2枚)2枚30円
バター12g12円
ゆで卵1個20円
コーヒー(豆12g)1杯35円
ミルク・砂糖1セット8円
合計105円

原価率:105 ÷ 350 = 30.0%

例:モーニングBセット(税抜450円)

項目原価
食パン(6枚切り×2枚)2枚30円
バター12g12円
ゆで卵1個20円
ミニサラダ1皿30円
コーヒー(豆12g)1杯35円
ミルク・砂糖1セット8円
合計135円

原価率:135 ÷ 450 = 30.0%

サラダの追加原価は30円。価格差は100円。追加分の粗利は70円で、原価率は30%。 セット全体の原価率を崩さずに客単価を上げられる。


コーヒー豆のグラム管理

モーニングの利益は、コーヒーの豆量で大きく変わる。

豆量別の原価比較

豆量(1杯)豆の原価月間差(50人/日×26日)
10g25円
12g30円+6,500円
15g38円+16,900円
18g45円+26,000円

※ コーヒー豆は100gあたり250円で計算。抽出用の湯、フィルター代(3〜5円)は別途。

12gと15gの差は1杯8円。小さく見えるけれど:

8円 × 50人/日 × 26日 = 10,400円/月

年間で12万円。豆量を3g変えただけでこの差だ。

豆量を固定する方法

  • 計量スプーンを使う:すりきり1杯=12gになるスプーンを用意する
  • ミルにマーキング:12gの線を引いておく
  • 1日分をまとめて計量:50人分なら600gを朝に量り、12gずつの小袋に分ける(手間はかかるが最も正確)

トーストの厚みが原価を変える

食パンの厚みは「何枚切り」かで原価が変わる。

食パンの枚数別原価

枚切り1枚の厚さ1枚の原価2枚分
4枚切り約30mm23円46円
6枚切り約20mm15円30円
8枚切り約15mm12円24円

※ 1斤(6枚切り)の価格を90円で計算。

4枚切りと6枚切りの差は1食16円。月に20,800円。ボリューム感が必要なら4枚切り1枚(23円)のほうが、6枚切り2枚(30円)より安い。 見た目の満足感と原価のバランスで選ぶ。


バターの計量ルール

バターは目分量で塗ると15〜20gになりがちだ。12gとの差は3〜8gで、1gあたり1円。

5gのバター超過 × 50人 × 26日 = 6,500円/月

バターを計量する方法

  • バターカッターで10gに均等カット
  • 個包装バター(10g入り、1個12〜15円)を使う
  • 朝の開店前に12gずつ小皿に分けておく

手間がかかるように思えるけれど、1回の仕込みで50人分を5分で準備できる。その5分が月6,500円を守る。


おかわりコーヒーの利益設計

おかわり無料は喫茶店の魅力だ。でも利益への影響は大きい。

おかわり率別のコスト

おかわり率追加原価/人月間追加コスト実質原価率(350円)
0%(おかわりなし)0円0円30.0%
20%7円9,100円32.0%
40%14円18,200円34.0%
60%21円27,300円36.0%

おかわり率40%で月18,200円。年間で22万円だ。

おかわりを利益化する3つの方法

  1. 2杯目の豆量を減らす:12g→10gで1杯あたり5円の節約。味の違いに気づく人は少ない
  2. おかわり料金を取る:「おかわり+100円」にすると、原価30円で粗利70円。おかわり率は下がるが利益は増える
  3. セット価格に織り込む:350円→400円にして、おかわり無料を維持。原価率は140÷400=35%

どの方法を選ぶかは店のコンセプト次第だが、「なんとなく無料」が一番危険


セットの段階設計

モーニングは2〜3段階のセット構成が利益を安定させる。

セット構成の例

セット内容原価売価原価率粗利
Aトースト+卵+コーヒー105円350円30.0%245円
BA+ミニサラダ135円450円30.0%315円
CA+サラダ+ヨーグルト165円550円30.0%385円

ドリンクのアップグレード

ドリンク変更追加原価追加価格追加粗利
カフェラテに変更+25円+100円75円
紅茶に変更+5円+0円−5円
ジュースに変更+15円+50円35円

カフェラテへの変更は原価25円増で100円もらえる。 メニューで「+100円でカフェラテに変更できます」と書くだけで注文が入る。


回転率がモーニングの利益を決める

モーニングは原価率が低くても、客単価が安い。だから回転率が利益のカギになる。

回転率別の売上シミュレーション(席数20席)

回転率3時間の客数売上(平均400円)粗利(原価率30%)
1.5回転30人12,000円8,400円
2.0回転40人16,000円11,200円
2.5回転50人20,000円14,000円

回転率を0.5上げるだけで、朝の粗利が2,800円増える。月にすると72,800円。

回転率を上げる方法

  • 提供スピード:モーニングは注文から3分以内に出す。トーストの焼き時間を逆算して仕込む
  • 客席レイアウト:カウンター席を増やす。1人客が多い朝は2人席より回転が良い
  • モーニング終了時間を明示:「モーニングは10:00まで」とPOPに書くと、ゆっくりし過ぎる人が減る
  • 新聞・Wi-Fiを朝だけ制限:滞在時間が長くなる要因を朝は控える

月次の利益シミュレーション

前提

  • 営業日数:26日
  • モーニング客数:45人/日
  • 平均客単価:420円
月間モーニング売上 = 45人 × 420円 × 26日 = 491,400円

【原価率30%(豆量・バター管理あり、おかわり有料)】
原価 = 147,420円
粗利 = 343,980円

【原価率38%(豆量ブレ・おかわり無料・バター多め)】
原価 = 186,732円
粗利 = 304,668円

差額 = 39,312円/月 = 年間471,744円

原価率8ポイントの差が、年間47万円のモーニング利益差になる。


今週やること

  • コーヒー豆の1杯あたりグラム数を決めて、計量スプーンを用意する
  • トーストの枚切りと枚数を固定する(6枚切り×2枚 or 4枚切り×1枚)
  • バターを1食12gで計量する仕組みを作る(カッター or 個包装)
  • 卵の追加料金を設定してメニューに明記する(+60〜80円)
  • おかわりコーヒーのルールを決める(有料/2杯目薄め/セット価格に含む)
  • モーニングの終了時間をPOPで明示する

関連ガイド

出典


トースト・卵・コーヒーの原価を登録すれば、モーニング1セットの原価が自動で出ます。豆の仕入れ値が変わっても、全セットの原価率がリアルタイムで更新。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

モーニングセットの原価率の目安は?

25〜32%が一般的です。トースト+ゆで卵+コーヒーの基本セットなら原価105円で売価350円、原価率30%。ただしコーヒーのおかわり無料にすると実質35〜38%まで上がります。回転率が高い朝だからこそ、低い原価率を維持するのが重要です。

コーヒーのおかわりは無料にすべき?

集客効果はありますが、おかわり率40%で1杯35円の追加原価が発生します。1日50人のモーニングなら月18,200円。無料にするなら2杯目の豆量を10gに減らす(原価25円)か、価格を380〜400円に上げて吸収してください。

卵を2個にしたいという要望にどう対応する?

追加卵は+60〜80円で有料にしてください。卵1個の原価は20円なので、60円なら粗利40円。無料で対応すると1日10件でも月15,000円の原価増です。メニューに『追加たまご +60円』と書くだけで解決します。

モーニングの時間帯を延長すると利益はどうなる?

11時まで延長すると、ランチとの間で客単価が下がるリスクがあります。10時までに区切って、10時以降はランチメニューに切り替えるほうが利益は出やすい。モーニング客の平均滞在は40〜50分なので、回転率を維持するなら7〜10時の3時間が最適です。

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