時給が上がるのは、働く人にとっては良いこと。でも店を回す側は正直、胃が痛くなります。
2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円。前年から66円のアップ。パート・アルバイトが中心の小さな飲食店では、この66円が月数万円の固定コスト増になります。
先に結論
- 人件費率は「月次」だけでなく「時間帯別」で見る。 赤字の時間帯を特定しないと改善できない
- 必要客数を逆算する。 「この時間帯、何人来れば人件費を回収できるか」を数字で持つ
- 値上げの前に、赤字時間帯の配置見直しでできることがある
- 30分単位のシフト調整で、月数万円の改善は十分可能
人件費率の見方
人件費率 = 人件費 ÷ 売上 × 100
全体の人件費率だけ見ていると、「高い」「低い」しかわかりません。
時間帯別に見ると、赤字の時間帯が見えてきます。
時間帯人件費 = 配置人数 × 時給 × 稼働時間
時間帯人件費率 = 時間帯人件費 ÷ 時間帯売上
必要客数 = 時間帯人件費 ÷ 1人あたり粗利
試算例:
- 14〜17時に2人配置、時給1,121円、3時間
- 人件費 = 6,726円
- 1人あたりの平均粗利が420円なら、必要客数は16人
- 実績が12人なら、この時間帯は赤字
30分単位で変わる世界
「14時から17時まで2人」を「14時から15時半まで2人、15時半から17時は1人」に変えるだけで——
変更前:1,121円 × 2人 × 3時間 = 6,726円
変更後:1,121円 × 2人 × 1.5時間 + 1,121円 × 1人 × 1.5時間 = 5,044円
削減額:1,682円/日
月25日で42,050円の改善。 メニューを1円も上げていません。
やってはいけないこと
- ワンオペ化の無理押し — 人件費は下がるが、欠勤時にお店が回らなくなるリスク
- 全時間帯を一律削減 — ピーク帯を削ると回転率が落ちて、売上ごと減る
- スタッフのモチベーション無視 — 「最低賃金ギリギリでこき使う」は離職に直結する
今週やること
- 先週の売上を30分単位で抽出して、時間帯別の人件費率を計算する
- 必要客数に満たない時間帯を2〜3コマ特定する
- その時間帯のシフトを来週1週間だけ試行する
- 1週間後に同じ計算をして、効果を確認する
最低賃金の上昇は止められません。でも、30分単位の配置を見直すだけで、利益は守れます。数字で判断して、人にもお金にも無理のない運営を。
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