ブログ

最低賃金1,121円時代をどう回す? 小さな飲食店の人件費率とシフト再設計ガイド(2026)

全国加重平均1,121円を前提に、30分単位で人件費を逆算。値上げだけに頼らず利益を守るシフト設計を解説します。

公開 2026年2月14日
·
更新 2026年2月18日
最低賃金人件費率シフトFLコスト飲食店経営原価管理
目次

時給が上がるのは、働く人にとっては良いこと。でも店を回す側は正直、胃が痛くなります。

2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円。前年から66円のアップ。パート・アルバイトが中心の小さな飲食店では、この66円が月数万円の固定コスト増になります。

先に結論

  • 人件費率は「月次」だけでなく「時間帯別」で見る。 赤字の時間帯を特定しないと改善できない
  • 必要客数を逆算する。 「この時間帯、何人来れば人件費を回収できるか」を数字で持つ
  • 値上げの前に、赤字時間帯の配置見直しでできることがある
  • 30分単位のシフト調整で、月数万円の改善は十分可能

人件費率の見方

人件費率 = 人件費 ÷ 売上 × 100

全体の人件費率だけ見ていると、「高い」「低い」しかわかりません。

時間帯別に見ると、赤字の時間帯が見えてきます。

時間帯人件費 = 配置人数 × 時給 × 稼働時間
時間帯人件費率 = 時間帯人件費 ÷ 時間帯売上
必要客数 = 時間帯人件費 ÷ 1人あたり粗利

試算例:

  • 14〜17時に2人配置、時給1,121円、3時間
  • 人件費 = 6,726円
  • 1人あたりの平均粗利が420円なら、必要客数は16人
  • 実績が12人なら、この時間帯は赤字

30分単位で変わる世界

「14時から17時まで2人」を「14時から15時半まで2人、15時半から17時は1人」に変えるだけで——

変更前:1,121円 × 2人 × 3時間 = 6,726円
変更後:1,121円 × 2人 × 1.5時間 + 1,121円 × 1人 × 1.5時間 = 5,044円
削減額:1,682円/日

月25日で42,050円の改善。 メニューを1円も上げていません。

やってはいけないこと

  • ワンオペ化の無理押し — 人件費は下がるが、欠勤時にお店が回らなくなるリスク
  • 全時間帯を一律削減 — ピーク帯を削ると回転率が落ちて、売上ごと減る
  • スタッフのモチベーション無視 — 「最低賃金ギリギリでこき使う」は離職に直結する

今週やること

  • 先週の売上を30分単位で抽出して、時間帯別の人件費率を計算する
  • 必要客数に満たない時間帯を2〜3コマ特定する
  • その時間帯のシフトを来週1週間だけ試行する
  • 1週間後に同じ計算をして、効果を確認する

最低賃金の上昇は止められません。でも、30分単位の配置を見直すだけで、利益は守れます。数字で判断して、人にもお金にも無理のない運営を。


メニューの原価率と粗利額を正確に出して、価格改定の判断材料にするなら。KitchenCost を使ってみてください。

参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

2025年度の最低賃金は全国平均でいくらですか?

厚生労働省の公表ベースで、全国加重平均は1,121円です(前年度1,055円から+66円)。

人件費率は何%を目安に見ればいいですか?

業態差はありますが、まずは月次で人件費率を把握し、週次で時間帯別採算を確認する運用が実務的です。

値上げしないと無理ですか?

値上げは選択肢の1つですが、30分単位の配置見直しとメニュー整理だけでも先に守れる粗利があります。

シフトはどう組めば赤字時間を減らせますか?

時間帯ごとの必要客数を逆算し、固定配置ではなく可変配置で組むのが基本です。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・利益率・販売価格を自動計算します。