値上げの成否は、改定幅よりも**「伝え方」**で決まる。
同じ価格改定でも、実施日・理由・表示方法が曖昧だとクレームにつながる。現場でそのまま使える告知文と運用手順をまとめた。
先に結論
- 告知文は「改定日 + 理由 + 感謝」の3点で十分。 長文は逆効果
- 店内10%/テイクアウト8%の税率差を先に説明する
- 値上げ前に原価率から必要売価を逆算する。 感覚で決めない
- 店頭・SNS・デリバリーの実施日を必ず揃える
まず数字を決める(文章はその後)
感覚で価格を決めると改定回数が増えて逆効果になる。先に上位メニューの必要売価を出す。
必要売価 = 原価 ÷ 目標原価率
例:
- ランチ主力商品の原価:575円
- 目標原価率:35%
- 必要売価:1,643円(575 ÷ 0.35)
実務では1,640円や1,650円のように端数処理し、他商品の価格帯との整合を見て最終決定する。
税率と表示ルールを揃える
日本では店内飲食とテイクアウトで税率が違う。
- 店内飲食:10%
- テイクアウト(軽減税率対象):8%
同じ商品でも利用形態で表示価格が変わるので、告知文には「対象チャネル」と「税込表示」をセットで入れること。
そのまま使える告知テンプレート
店頭貼り紙(短文)
原材料費・運営コストの上昇に伴い、**[日付]**より一部メニュー価格を改定いたします。 品質と提供量を維持するための調整です。いつもご利用ありがとうございます。
メニュー差し込み(丁寧版)
これまで価格維持に努めてまいりましたが、仕入れ価格上昇により、**[日付]**から一部メニューを改定いたします。 今後も品質と提供体験を維持できるよう運営してまいります。
SNS投稿
**[日付]**より一部メニュー価格を見直します。 品質維持のための改定です。日頃のご利用に感謝申し上げます。
スタッフ用ひと言
今週から一部メニュー価格を改定しましたが、品質と量はこれまで通りです。 ご不明点があればすぐご案内します。
運用チェックリスト
- 改定対象メニューを上位販売商品から決める
- 店内/テイクアウトの税込表示を確認する
- 店頭・SNS・デリバリーの実施日を統一する
- スタッフ用説明文を10秒で言える形にする
- 改定後14日間、問い合わせ内容を記録して対応文を微調整する
よくある失敗
- 実施日が媒体ごとにズレる。 POS・店頭・デリバリーアプリの反映日が揃っていないと混乱する
- 原価の内訳を長文で説明しすぎる。 お客様が知りたいのは「いつから」「いくらになるか」だけ
- 税込/税抜の基準が社内で混在する
- 値上げ後の問い合わせ対応を事前準備していない
関連ガイド
公的ソース
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