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粗利率 vs マークアップ:間違えると損をする価格設定の基本

粗利率とマークアップの違い、販売価格の計算式、換算表まで完全解説。価格設定のミスを防ぎましょう。

更新 2026年2月4日
粗利率マークアップ価格設定原価計算
目次

「原価に50%上乗せして売ったのに、なぜ利益が50%じゃないの?」

この質問に答えられないなら、価格設定で損し続けているかもしれません。

飲食店オーナーが最も混同しやすい粗利率とマークアップの違いを明確に整理します。


要点まとめ

  • 粗利率とマークアップは分母が違う(販売価格 vs 原価)
  • 同じ「50%」でも結果の金額が違う
  • 飲食業では**粗利率(販売価格基準)**を使用
  • 「原価に50%上乗せ」= マークアップ50% = 粗利率33%

まず、定義を確認

粗利率(Margin Rate)

販売価格に対する利益の割合

粗利率 = (利益 ÷ 販売価格) × 100

マークアップ(Markup Rate)

原価に対する利益の割合

マークアップ = (利益 ÷ 原価) × 100

重要な違い:分母が違います!

  • 粗利率:分母は販売価格
  • マークアップ:分母は原価

例で理解する

原価500円のメニューを1,000円で販売する場合:

粗利率の計算

利益 = 1,000 - 500 = 500円
粗利率 = (500 ÷ 1,000) × 100 = 50%

マークアップの計算

利益 = 1,000 - 500 = 500円
マークアップ = (500 ÷ 500) × 100 = 100%

同じ商品なのに、粗利率50%、マークアップ100%!


なぜこれが重要なのか?

よくある間違い

店長:「原価に50%乗せて売ろう」

原価 500円
50%マークアップ → 販売価格 750円
実際の粗利率 = (250 ÷ 750) × 100 = 33%

50%儲かると思ったのに、実際は33%しか残らない。

同じ数字、違う結果

目標原価500円の場合の販売価格実際の利益
マークアップ50%750円250円(粗利率33%)
粗利率50%1,000円500円(マークアップ100%)

粗利率50%を目指したのにマークアップ50%で計算すると、250円の損!


粗利率とマークアップの換算表

暗記不要、この表を参照すればOK:

粗利率マークアップ販売価格(原価500円の場合)
20%25%625円
25%33%667円
30%43%714円
33%50%750円
40%67%833円
50%100%1,000円
60%150%1,250円
70%233%1,667円

計算式まとめ

目標粗利率から販売価格を計算

販売価格 = 原価 ÷ (1 - 粗利率)

例:原価500円、目標粗利率40%

販売価格 = 500 ÷ (1 - 0.4) = 500 ÷ 0.6 = 833円

目標マークアップから販売価格を計算

販売価格 = 原価 × (1 + マークアップ)

例:原価500円、目標マークアップ50%

販売価格 = 500 × (1 + 0.5) = 500 × 1.5 = 750円

実例:ケーキ屋のホールケーキ

状況

  • ケーキ原価:1,500円
  • 目標:「50%残したい」

間違えるパターン(マークアップで計算)

販売価格 = 1,500 × 1.5 = 2,250円
実際の粗利率 = 750 ÷ 2,250 = 33%

正しい計算(粗利率で計算)

販売価格 = 1,500 ÷ 0.5 = 3,000円
実際の粗利率 = 1,500 ÷ 3,000 = 50%

750円の差! 月に100個売れば75,000円の差になります。


飲食業界ではどちらを使うべき?

業界標準は「粗利率」

飲食業で原価率や利益率を語る時、ほとんどの場合**販売価格基準(粗利率)**です。

「原価率30%」と言えば:

  • 原価 ÷ 販売価格 = 30%
  • 販売価格が1,000円なら原価は300円

なぜ粗利率を使うのか?

  1. 売上基準で経費管理しやすい
  2. 業界ベンチマークが粗利率基準
  3. 税金・会計処理も売上基準

暗算のコツ

原価率がわかれば粗利率もわかる

原価率 + 粗利率 = 100%

原価率35%なら → 粗利率65%

暗算早見表

原価率粗利率意味
25%75%4倍の価格で販売
30%70%3.3倍の価格で販売
33%67%3倍の価格で販売
40%60%2.5倍の価格で販売
50%50%2倍の価格で販売

実践:メニュー価格表の作り方

Step 1:原価を正確に計算

全ての材料費 + ロス率 + 包装材まで

Step 2:目標粗利率を設定

  • カフェ:70〜75%
  • 一般飲食店:60〜70%
  • デリバリー専門:60〜65%

Step 3:販売価格を計算

販売価格 = 原価 ÷ (1 - 粗利率)

Step 4:市場価格と比較

計算した価格が相場より高すぎる場合:

  • 原価削減の方法を検討
  • 粗利率目標を調整
  • メニュー構成を変更

注意:粗利率 ≠ 純利益率

粗利率70%だからといって、70%が手元に残るわけではありません。

販売価格 1,000円(粗利率70%)
- 原価 300円
= 粗利 700円

ここから更に:
- 人件費
- 家賃
- 光熱費
- 税金
- その他経費

= 純利益(通常、粗利の20〜30%程度)

粗利率70% → 純利益率は約15〜20% が現実です。


まとめ

区分粗利率マークアップ
基準販売価格原価
計算式利益÷販売価格利益÷原価
業界標準✅ ほとんど使用△ 一部使用
価格計算原価÷(1-粗利率)原価×(1+マークアップ)

覚えておくべきポイント

  1. 粗利率とマークアップは違う
  2. 同じ「50%」でも結果の金額が違う
  3. 飲食業では**粗利率(販売価格基準)**を使用
  4. 「原価に50%上乗せ」= マークアップ50% = 粗利率33%

価格設定のたびに電卓を叩くのが面倒なら、目標粗利率を入力するだけで販売価格が自動計算されるKitchenCostを無料でお試しください。


今すぐやること

  • 主力メニュー3品の粗利率を計算する
  • 「原価に○%上乗せ」で計算していないか確認する
  • 目標粗利率を設定し、販売価格を逆算する
  • 換算表を手元に置いて価格設定に使う

関連ガイド

参考資料

よくある質問

粗利率とマークアップはどう違う?

粗利率は販売価格が分母、マークアップは原価が分母です。数字が同じでも結果は変わります。

飲食店の目安はどれくらい?

業態によりますが、粗利率で考えるのが基本です。目標を決めて逆算します。

計算を間違えると何が起きる?

想定より利益が残らず、原価率が高止まりします。

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