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歩留まり計算をしないと原価が狂う - 可食部計算の重要性

歩留まりが原価に与える影響、主要食材の歩留まり率一覧、正確な原価計算の方法を解説します。

更新 2026年2月6日
歩留まり原価計算可食部食材管理
目次

「計算上は利益が出るはずなのに、なぜか食材費がいつも足りない…」

その答えは、ほとんどの場合**歩留まり(ロス率)**にあります。

玉ねぎを1kg買っても、実際に料理に使えるのは900gです。この10%を計算に入れないと、原価が完全に狂います。


要点まとめ

  • 歩留まり = 原材料から廃棄される割合
  • 魚・果物・野菜は30〜50%のロスが一般的
  • 歩留まりを無視すると実際より15〜40%低く計算してしまう
  • 直接測定が最も正確、四半期ごとの再測定を推奨

歩留まりとは?

歩留まり = 原材料から廃棄される割合

可食部 = 購入量 × (1 - 歩留まり率)

玉ねぎ1kg、歩留まり10%の場合:

可食部 = 1,000g × 0.9 = 900g

なぜ歩留まりが重要なのか

歩留まり無視 vs 反映後の原価比較

例:サーモン1kg = 3,500円

歩留まり無視(❌ 間違った計算)

単価 = 3,500円 ÷ 1,000g = 3.5円/g
サーモン刺身150g原価 = 3.5 × 150 = 525円

歩留まり反映(✅ 正確な計算)

サーモンの歩留まり約40%(骨、皮、頭を除去)

可食部 = 1,000g × 0.6 = 600g
単価 = 3,500円 ÷ 600g = 5.83円/g
サーモン刺身150g原価 = 5.83 × 150 = 875円

差額:350円!

歩留まりを無視すると、1食あたり350円の損失です。1日20食販売すれば、7,000円/日、1ヶ月で21万円の損失。


主要食材の歩留まり早見表

野菜類

食材歩留まり率廃棄部位
玉ねぎ10%皮、根
にんにく15%皮、芯
長ねぎ20%根、外葉、先端
人参15%皮、ヘタ
キャベツ20%外葉、芯
ブロッコリー40%茎の大部分
アスパラガス30%根元

肉類

食材歩留まり率廃棄部位
豚バラ5〜10%脂のトリミング
ヒレ肉15〜20%脂、筋
ロース10〜15%脂身
鶏(丸鶏→もも肉)35〜40%骨、皮
鶏むね肉5〜10%脂、筋

魚介類

食材歩留まり率廃棄部位
魚(丸→フィレ)40〜50%頭、骨、内臓
サーモン35〜40%皮、骨
エビ(殻付き)40〜45%殻、頭
エビ(むきエビ)10〜15%尾、背わた
イカ25〜30%内臓、軟骨、皮
貝類60〜70%

果物類

食材歩留まり率廃棄部位
バナナ30%
オレンジ35%
スイカ45%皮、種
メロン40%皮、種
パイナップル50%皮、芯
いちご5〜10%ヘタ、傷み部分
りんご10〜15%皮、芯

歩留まりが原価に与える影響

同じ購入金額でも実質原価は違う

1,000円分の食材を購入した場合の実質単価:

歩留まり率実質単価追加コスト
0%1,000円0円
10%1,111円+111円
20%1,250円+250円
30%1,429円+429円
40%1,667円+667円
50%2,000円+1,000円

歩留まり40%なら実質原価が1.67倍!


実例:とんかつの原価計算

材料一覧

材料購入量仕入れ価格歩留まり可食部実質単価
豚ロース1kg1,500円15%850g1.76円/g
キャベツ1kg200円20%800g0.25円/g
小麦粉1kg150円0%1,000g0.15円/g
10個200円10%9個22円/個
パン粉500g250円5%475g0.53円/g

とんかつ1人前の原価

項目使用量歩留まり反映原価
豚ロース120g211円
キャベツ80g20円
小麦粉30g5円
1個22円
パン粉40g21円
合計279円

歩留まりを無視した場合

項目使用量歩留まり未反映原価
豚ロース120g180円
キャベツ80g16円
小麦粉30g5円
1個20円
パン粉40g20円
合計241円

差額:38円(16%の誤差)

1日50食販売すれば1,900円、月間で57,000円分、誤った計算で営業することになります。


歩留まり管理の方法

1. 食材ごとの歩留まりを直接測定

直接測定が最も正確です:

歩留まり率 = (購入量 - 可食部) ÷ 購入量 × 100

玉ねぎ1kg購入 → 皮を剥いて900g

歩留まり率 = (1,000 - 900) ÷ 1,000 × 100 = 10%

2. ロスを減らす方法

方法効果
カット野菜を購入歩留まりほぼ0%
皮・端材を活用出汁、ソースの材料に
適正量を発注鮮度維持、廃棄削減
先入れ先出し古い食材から使用

3. 歩留まりの高い食材への対策

  • 加工済み商品を使う:殻付きエビ → むきエビ、丸鶏 → もも肉
  • 端材メニューの開発:鶏ガラ → スープ、野菜くず → 出汁
  • 価格に反映:歩留まりの高いメニューは利益率を高めに設定

よくある失敗

失敗1:「だいたい同じでしょ」

「玉ねぎの歩留まりなんて大したことないでしょ」

現実:玉ねぎ10%、長ねぎ20%、ブロッコリー40%食材によって全然違います。

失敗2:「一度計算したから終わり」

歩留まりは仕入れ先、季節、調理担当者によって変わります。四半期ごとに再測定することをおすすめします。

失敗3:「調理中のロスを無視」

玉ねぎのソテーを例にすると:

  • 皮むき:10%のロス → 1kg → 900g
  • 炒め(水分蒸発):約30%のロス → 900g → 630g

原材料1kgから最終的に630gしか残りません(合計37%のロス)。調理過程での水分蒸発まで考慮しないと、正確な原価は出ません。


まとめ

  1. 歩留まり = 原材料から廃棄される割合
  2. 魚、果物、野菜は30〜50%のロスが一般的
  3. 歩留まりを無視すると実際より15〜40%低く計算してしまう
  4. メニューごとの原価誤差 → 月間数万円の損失につながる
  5. 直接測定が最も正確、四半期ごとの再測定を推奨

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今すぐやること

  • 主要食材3品の歩留まり率を実測する
  • 歩留まりを反映した単価で原価を再計算する
  • 高ロス食材(魚・果物)の端材活用を検討する
  • 四半期ごとの再測定スケジュールを決める

関連ガイド

参考資料

よくある質問

歩留まり率の目安はどこで確認する?

仕入れ先の規格表や過去の仕込み実績が基準になります。自店の実測値を必ず残すのが最優先です。

歩留まりは毎回計測すべき?

主要食材は定期的にテスト計測し、季節や仕入れ先変更時は再チェックします。

歩留まりを原価計算に入れる簡単な方法は?

可食部 = 購入量 × (1 - 歩留まり率) を使い、可食部あたりの単価で計算します。

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