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カツカレー専門店の原価ガイド——カツ120gと150gで、月の利益が6万円変わる

カツカレー1皿の原価をカツ・ルー・ライス・揚げ油・付け合わせに分解。カツ30gの差が月6万円の利益差になる理由と、ルー量のお玉管理、揚げ油の按分計算、サイズ別価格設計まで、個人経営の専門店向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

カツカレーは「高単価で利益が取れるメニュー」と思われがちです。

たしかに売値は1,200〜1,500円。でもカツの肉代だけで200円を超え、ルー・ライス・揚げ油・付け合わせを積み上げると1皿500円を超えることは珍しくありません。

しかも厄介なのが、カツの厚みやルーの量が「日によって違う」こと。スタッフが変わるとカツが30g多かった——その30gが月に6万円の差になります。

先に結論

  • カツカレーの原価は「カツの重量」で決まる。 120gと150gで月6万円の利益差
  • ルーの量はお玉の「杯数」で固定する。 お玉の容量を実測しておく
  • 揚げ油は1枚4〜6円。 月に5,000〜7,500円。原価に必ず含める
  • ライス大盛りは有料化。 +100gの原価19円を+100〜150円で回収する

カツカレー1皿の原価を分解する

例:ロースカツカレー(税抜売価1,200円)

項目原価
豚ロース肉120g216円
パン粉・小麦粉・卵(衣)-15円
揚げ油(吸油分)20g5円
カレールー150g80円
ライス200g38円
福神漬け・らっきょう20g8円
サラダ30g15円
合計377円

原価率:377 ÷ 1,200 = 31.4%

カレー専門店なら30〜35%は許容範囲。でもカツが150gになった瞬間に——

カツ重量が変わると何が起きるか

豚ロース肉の仕入れ価格を1,800円/kgとすると:

カツ重量肉原価120gとの差月間差額(80皿/日)
100g180円▲36円▲72,000円
120g216円
150g270円+54円+108,000円

30g多いだけで月に10万8,000円。 年間130万円です。

カツの厚みは見た目では20〜30gの差がわかりにくい。だからこそ仕込み段階で重量を計って揃えることが必要です。

対策:カツの重量管理

  1. 仕込み段階で120gにカットし、1枚ずつラップに包む。 叩いて伸ばす前に計量すること
  2. 歩留まりを計算に入れる。 豚ロースの歩留まりは90〜95%(脂身・筋のトリミング)。1kgから使えるのは900〜950g
  3. 端材は他のメニューに転用。 カツの切り落としは「一口カツカレー」やまかないに活用

ルー量はお玉で固定する

カレールーの原価は意外と高い。自家製ルーの場合、スパイス・玉ねぎ・トマト・バターを積み上げると、1皿80〜120円かかることもあります。

ルーの量ブレの影響

ルー量1皿原価150gとの差月間差額
130g69円▲11円▲22,000円
150g80円
180g96円+16円+32,000円
200g107円+27円+54,000円

30g多いだけで月3.2万円。200gまで増えると月5.4万円。

対策: お玉の容量を実測する。一般的なお玉は80〜100ml。カレーの比重は約1.1なので、1杯≒88〜110g。「お玉1.5杯」のようにルールを決めれば、スタッフが変わっても量がブレにくくなります。

揚げ油を原価に含める

カツの揚げ油を原価に入れていない店は意外と多い。

業務用サラダ油18L=約4,500円。1Lあたり250円。カツ1枚の吸油量は15〜25g(衣の厚さと揚げ時間で変わる)。

油代(1枚)= 20g × 0.25円/g = 5円
1日50枚 × 25日 = 月6,250円

さらに、油は3〜5日で交換が必要です。交換頻度で按分すると:

油交換コスト = 4,500円 × 6回/月 = 27,000円/月
1枚あたり = 27,000 ÷ 1,250枚 = 約22円

吸油分(5円)+按分コスト(22円)で、1枚あたり約27円。これを入れると原価率が2ポイント以上変わることもあります。

サイズ別の価格設計

サイズカツ重量ライス原価推奨売価原価率
小盛り100g150g335円1,000円33.5%
120g200g377円1,200円31.4%
大盛り150g250g440円1,500円29.3%

大盛りが売れるほど粗利率が改善する設計にするのがポイントです。追加原価63円に対して追加売価300円。粗利は237円増えます。

今週やること

  • カツを120gに揃えて、仕込み段階で1枚ずつ計量する
  • お玉の容量を実測し、ルーの杯数を固定する
  • 揚げ油の交換頻度と使用量から、1枚あたりの油コストを計算する
  • ライス大盛りを+150円で有料化する
  • 売上上位3メニューの原価を再計算する

関連ガイド

出典


カツの重量とルーの量を登録すれば、カツカレー1皿の利益がすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全メニュー自動更新。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

カツの標準グラムはどのくらい?

ロースカツなら120g(衣込み150g前後)が基本。150g(衣込み185g前後)は「大きめ」の印象。サイズ別に120g/150gの2段階を用意し、+200〜300円で差をつけるのが利益を守る設計です。

ルーは何gで管理すればいい?

お玉の容量を実測してください。一般的なお玉は80〜100ml。カレーの比重は約1.1なので、お玉1杯≒88〜110g。1.5杯=150gが標準の場合、スタッフによってお玉の「すりきり」と「山盛り」で30g以上変わります。

大盛りライスの価格はどう決める?

ライス200gが標準なら、大盛りは300g(+100g)。米原価+19円に対して+100〜150円の売価設定が一般的。大盛りが売れるほど粗利率が改善する設計にできます。

揚げ油は原価に入れるべき?

必ず入れてください。18Lの業務用サラダ油が約4,500円で、カツ1枚の吸油量は15〜25g。1枚あたり4〜6円。1日50食なら月に5,000〜7,500円です。油を替える頻度で按分するのが実務的です。

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