カツカレーは「高単価で利益が取れるメニュー」と思われがちです。
たしかに売値は1,200〜1,500円。でもカツの肉代だけで200円を超え、ルー・ライス・揚げ油・付け合わせを積み上げると1皿500円を超えることは珍しくありません。
しかも厄介なのが、カツの厚みやルーの量が「日によって違う」こと。スタッフが変わるとカツが30g多かった——その30gが月に6万円の差になります。
先に結論
- カツカレーの原価は「カツの重量」で決まる。 120gと150gで月6万円の利益差
- ルーの量はお玉の「杯数」で固定する。 お玉の容量を実測しておく
- 揚げ油は1枚4〜6円。 月に5,000〜7,500円。原価に必ず含める
- ライス大盛りは有料化。 +100gの原価19円を+100〜150円で回収する
カツカレー1皿の原価を分解する
例:ロースカツカレー(税抜売価1,200円)
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 豚ロース肉 | 120g | 216円 |
| パン粉・小麦粉・卵(衣) | - | 15円 |
| 揚げ油(吸油分) | 20g | 5円 |
| カレールー | 150g | 80円 |
| ライス | 200g | 38円 |
| 福神漬け・らっきょう | 20g | 8円 |
| サラダ | 30g | 15円 |
| 合計 | 377円 |
原価率:377 ÷ 1,200 = 31.4%
カレー専門店なら30〜35%は許容範囲。でもカツが150gになった瞬間に——
カツ重量が変わると何が起きるか
豚ロース肉の仕入れ価格を1,800円/kgとすると:
| カツ重量 | 肉原価 | 120gとの差 | 月間差額(80皿/日) |
|---|---|---|---|
| 100g | 180円 | ▲36円 | ▲72,000円 |
| 120g | 216円 | — | — |
| 150g | 270円 | +54円 | +108,000円 |
30g多いだけで月に10万8,000円。 年間130万円です。
カツの厚みは見た目では20〜30gの差がわかりにくい。だからこそ仕込み段階で重量を計って揃えることが必要です。
対策:カツの重量管理
- 仕込み段階で120gにカットし、1枚ずつラップに包む。 叩いて伸ばす前に計量すること
- 歩留まりを計算に入れる。 豚ロースの歩留まりは90〜95%(脂身・筋のトリミング)。1kgから使えるのは900〜950g
- 端材は他のメニューに転用。 カツの切り落としは「一口カツカレー」やまかないに活用
ルー量はお玉で固定する
カレールーの原価は意外と高い。自家製ルーの場合、スパイス・玉ねぎ・トマト・バターを積み上げると、1皿80〜120円かかることもあります。
ルーの量ブレの影響
| ルー量 | 1皿原価 | 150gとの差 | 月間差額 |
|---|---|---|---|
| 130g | 69円 | ▲11円 | ▲22,000円 |
| 150g | 80円 | — | — |
| 180g | 96円 | +16円 | +32,000円 |
| 200g | 107円 | +27円 | +54,000円 |
30g多いだけで月3.2万円。200gまで増えると月5.4万円。
対策: お玉の容量を実測する。一般的なお玉は80〜100ml。カレーの比重は約1.1なので、1杯≒88〜110g。「お玉1.5杯」のようにルールを決めれば、スタッフが変わっても量がブレにくくなります。
揚げ油を原価に含める
カツの揚げ油を原価に入れていない店は意外と多い。
業務用サラダ油18L=約4,500円。1Lあたり250円。カツ1枚の吸油量は15〜25g(衣の厚さと揚げ時間で変わる)。
油代(1枚)= 20g × 0.25円/g = 5円
1日50枚 × 25日 = 月6,250円
さらに、油は3〜5日で交換が必要です。交換頻度で按分すると:
油交換コスト = 4,500円 × 6回/月 = 27,000円/月
1枚あたり = 27,000 ÷ 1,250枚 = 約22円
吸油分(5円)+按分コスト(22円)で、1枚あたり約27円。これを入れると原価率が2ポイント以上変わることもあります。
サイズ別の価格設計
| サイズ | カツ重量 | ライス | 原価 | 推奨売価 | 原価率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小盛り | 100g | 150g | 335円 | 1,000円 | 33.5% |
| 並 | 120g | 200g | 377円 | 1,200円 | 31.4% |
| 大盛り | 150g | 250g | 440円 | 1,500円 | 29.3% |
大盛りが売れるほど粗利率が改善する設計にするのがポイントです。追加原価63円に対して追加売価300円。粗利は237円増えます。
今週やること
- カツを120gに揃えて、仕込み段階で1枚ずつ計量する
- お玉の容量を実測し、ルーの杯数を固定する
- 揚げ油の交換頻度と使用量から、1枚あたりの油コストを計算する
- ライス大盛りを+150円で有料化する
- 売上上位3メニューの原価を再計算する
関連ガイド
出典
カツの重量とルーの量を登録すれば、カツカレー1皿の利益がすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全メニュー自動更新。KitchenCost を使ってみてください。