ジュースバーは「ヘルシーで高単価」を作りやすい反面、果物の歩留まり・季節変動・カップ代で利益が消えやすい業態です。
フレッシュジュースの原価構造を分解し、サイズ別に利益が残る価格設計ができるように整理します。
要点まとめ
- 果物の歩留まりが原価率を一気に上げる最大要因
- Mサイズを利益ゾーンに設定するのが基本
- 低原価トッピング(チアシード等)で粗利を押し上げる
- 価格改定は小さく・早めにが鉄則
ジュースバーの原価構造
ジュース系の原価は「果物だけ」では決まりません。
- フルーツ原価:オレンジ、りんご、バナナ、ベリーなど
- 液体ベース:水、牛乳、豆乳、ヨーグルト
- 甘味素材:はちみつ、シロップ、アガベ
- 容器・資材:カップ、蓋、ストロー、シール
- ロス:皮・芯・搾汁ロス、変色廃棄
- トッピング:チアシード、プロテイン、グラノーラ
特に果物の歩留まりは原価率を一気に上げるので、最初に把握すべきポイントです。
目標原価率の目安
| 商品タイプ | 目標原価率 | コメント |
|---|---|---|
| フレッシュジュース | 25〜32% | 果物比率が高いほど上がる |
| スムージー | 28〜35% | 乳製品・トッピングで上がる |
| コールドプレス | 30〜38% | 歩留まりが低いので高め |
**「見た目が良いだけの高原価ドリンク」**を増やしすぎると、粗利が消えます。
原価計算の基本式
原価率(%) = 原価 / 価格 x 100
目標価格 = 原価 / 目標原価率
果物は歩留まりを必ず反映して計算します。
可食量 = 仕入量 x (1 - ロス率)
単価 = 仕入価格 / 可食量
例:オレンジ・キャロット・ジンジャー(350ml)
前提(例):
- オレンジ 1kg = 420円(歩留まり 55%)
- にんじん 1kg = 180円(歩留まり 80%)
- しょうが 100g = 90円(歩留まり 90%)
- 1杯あたり:オレンジ 250g、にんじん 120g、しょうが 8g
| 項目 | 使用量 | 仕入単価 | 原価 |
|---|---|---|---|
| オレンジ | 250g | 420円/kg | 191円 |
| にんじん | 120g | 180円/kg | 27円 |
| しょうが | 8g | 900円/kg | 8円 |
| はちみつ | 10g | 700円/kg | 7円 |
| カップ・蓋 | 1式 | 18円 | 18円 |
| ストロー | 1本 | 3円 | 3円 |
| 合計 | 254円 |
販売価格 780円の場合:
254 / 780 = 32.6%
この水準なら、ジュースバーとして十分に利益が残るゾーンです。
歩留まりが利益を左右する
果物は「ロスが見えにくい」のが最大の落とし穴です。
- 皮・芯・種で**30〜45%**捨てる果物が多い
- 小さめサイズは歩留まりが下がる
- カット後の変色で廃棄が出る
対策
- 仕入規格を固定(サイズ・産地)
- 変色しやすい果物は仕込み量を小さく
- 端材はスムージーやシロップに回す
歩留まり計算の詳細は ロス率ガイド を参考にしてください。
サイズ別の価格設計
| サイズ | 容量 | 価格目安 | 原価率の考え方 |
|---|---|---|---|
| S | 250ml | 480〜580円 | カップ原価が相対的に重い |
| M | 350ml | 680〜780円 | 標準、利益ゾーンを作る |
| L | 450ml | 820〜980円 | 価格差で粗利を稼ぐ |
ポイント:
- Mを基準に原価率を合わせる
- Lは「体感価値」を強めて粗利を作る
トッピングは利益のレバー
低原価トッピングで粗利を押し上げるのが鉄則です。
| トッピング | 追加価格 | 原価 | 粗利 |
|---|---|---|---|
| チアシード | +80円 | 12円 | 68円 |
| プロテイン | +150円 | 40円 | 110円 |
| グラノーラ | +120円 | 35円 | 85円 |
メニュー構成の黄金比
「売れる」だけでなく「利益が残る」構成を作ります。
| カテゴリ | 構成比 | 目的 |
|---|---|---|
| ベーシック | 60% | 回転率と安定利益 |
| 季節限定 | 25% | 話題性と単価アップ |
| プレミアム | 15% | 高粗利ゾーンを作る |
ベーシックは原価率を低めに固定し、季節商品で価格を上げるのが安全です。
仕入れルール(ブレを減らす)
- フルーツは規格(サイズ・産地)を固定する
- 仕入先は最低2社を確保
- 週単位で価格が動いたら即メニューに反映
よくある失敗
- 仕込み量が多すぎて廃棄が増える
- 果物を「見た目重視」で選び、原価が跳ねる
- カップやストローを軽視して実質原価が上がる
週次チェックリスト
- 歩留まりと廃棄率の確認
- 果物の仕入価格の更新
- トッピングの粗利チェック
- Mサイズの原価率を再計算
- 値上げ候補メニューの洗い出し
2025年の食料インフレをどう見るか
総務省統計局の消費者物価指数(CPI、2025年平均・2020年基準)では、食料が前年比+6.8%。
果物価格が動きやすい年は、小さな値上げを早めに入れることが重要です。
値上げ判断の具体策は 価格改定タイミングガイド を参照してください。
まとめ:利益が残るジュースバー運営の要点
- 果物の歩留まりを必ず反映する
- Mサイズを利益ゾーンに設定する
- 低原価トッピングで粗利を作る
- 価格改定は小さく・早めに
今すぐやること
- 主力フルーツ3種の歩留まり率を計測する
- Mサイズの原価率を再計算する
- カップ・蓋・ストローの1杯あたりコストを出す
- トッピング別の粗利を一覧にする
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