給与明細に「食事代 -5,000円」と書いて天引きしている。 でも、この処理で本当に合っているのか——そんな不安を抱えたまま月末を迎えていませんか。
先に結論
- 給与天引きは「引いた額」だけでなく「残った会社負担」まで見ないと判定できない
- 税務のチェックポイントは「半分以上の本人負担」と「月3,500円ライン」
- 店主本人分と従業員分は台帳を分けること
なぜ今この管理が重要か
飲食店倒産は2025年に900件で過去最多。最低賃金は全国加重平均1,121円。 2026年2月の飲食料品値上げは674品目。
「食事補助をどう管理するか」は、小さな店ほど利益に直結する話です。
国税庁のルール
国税庁 No.2594では、従業員向け食事の非課税条件として2つが示されています。
- 従業員が食事価額の半分以上を負担
- 会社負担が月3,500円以下(税抜)
この2つを満たさなければ、食事価額から本人負担を引いた残額が給与課税の対象になります。
月次で迷わない管理手順
毎日記録する(4項目)
食事価額 / 本人負担(天引き額) / 会社負担 / 食数
月末に計算する
会社負担(月額)= (食事価額 - 本人負担) × 食数
判定する
- 本人負担は食事価額の半分以上か?
- 会社負担は月3,500円以下か?
この順番で見ると「仕訳は合ってるのに税務判定が抜けてた」という事故を防げます。
数字で見てみる
- 1食価額: 420円
- 天引き額: 220円
- 会社負担: 200円
- 月18食
本人負担割合 = 220 ÷ 420 = 52.4%(半分以上 → OK)
会社負担月額 = 200 × 18 = 3,600円(3,500円超 → NG)
本人負担は条件内ですが、会社負担が100円オーバー。 天引き額を1食あたり10円上げるか、食数を調整するか——こうした判断が必要になります。
仕訳で失敗しないコツ
- 先に税務判定用の数字を確定してから仕訳を作る
- 給与計算と食事台帳を同じ人数・同じ月で突合する
- 勘定科目は社内ルールを固定して、毎月変えない
勘定科目の置き方は会計方針次第なので、最終判断は税理士に確認してください。
ありがちな失敗
- 天引きしているから非課税だと思い込む
- 会社負担の月額を計算していない
- 店主本人分が従業員台帳に混ざっている
- 年末にまとめて処理して数字が合わない
今週やること
- 食事台帳を4項目(価額・天引き額・会社負担・食数)で統一する
- 従業員ごとに天引き額と会社負担を分ける
- 月3,500円ラインの自動チェック方法を決める
- 店主本人分を別台帳に分離する
- 月次の締め日に税理士確認する項目を固定する
まとめ
「天引きしてるから大丈夫」ではありません。 大事なのは「引いた額」ではなく「残った会社負担」の方です。
4つの数字を毎月同じ順番でチェックする。これが一番手戻りの少ない運用です。