月末の台帳を見て、ひやっとした。
「Aさん、会社負担3,600円。100円オーバーしてる……」
超えてしまった月は焦るけど、大事なのは「なぜ超えたか」を分解して翌月に戻すことです。
先に結論
- 3,500円超えは「原因分解」すれば翌月に戻せる
- 見る数字は「1食価額・食数・本人負担」の3つだけ
- 税務判定は税抜で。端数ルールも揃えておくとブレない
なぜ超えやすくなっているのか
2026年2月だけで飲食料品の値上げは674品目、酒類・飲料は298品目(帝国データバンク)。 仕入れ値が上がれば、まかないの食事価額も自動的に上がります。
最低賃金は全国加重平均1,121円。小さなコストの積み上げを放置できない環境です。
国税庁の基準(ここだけ押さえる)
国税庁 No.2594の非課税条件は2つ。
- 従業員が食事価額の半分以上を負担
- 会社負担が月3,500円以下(税抜)
外れると、超過分が給与課税の対象になります。 判定は税抜ベース、10円未満は切り捨てです。
超えた月の対処(3ステップ)
1) 原因を3つに分ける
- A. 1食価額が上がった → 食材費の高騰
- B. 食数が増えた → シフト増、新人追加
- C. 本人負担が低い → 設定の見直し漏れ
2) 数字で確認する
会社負担(月額) = (1食価額 - 本人負担) × 月食数
前月と今月を並べて、A/B/Cのどれが効いているか特定します。
3) 翌月に1つだけ修正する
- Aが主因 → まかないメニューを低原価に切り替え
- Bが主因 → 提供回数のルールを見直す
- Cが主因 → 本人負担を段階的に上げる
一度に全部変えると現場が混乱します。1つだけ直すのがコツ。
数字で見てみる
前月(OK): 1食360円 / 本人負担180円 / 18食
会社負担 = (360 - 180) × 18 = 3,240円
今月(NG): 1食390円 / 本人負担180円 / 20食
会社負担 = (390 - 180) × 20 = 4,200円
原因は「1食価額アップ」+「食数増加」の複合。
翌月に1食価額を370円に戻して食数を18に調整すると:
(370 - 180) × 18 = 3,420円 → ライン内に戻る
ありがちな失敗
- 超えた理由を確認せず、次月も同じ運用を続ける
- 税込と税抜が混ざって判定を誤る
- まかない台帳と給与データを別管理にして突合しない
- 現金補助で穴埋めして別の課税リスクを作る
今週やること
- 直近2か月の「1食価額・食数・本人負担」を比較する
- 超過の主因をA/B/Cで分類する
- 翌月の調整項目を1つだけ決める
- 税抜で3,500円判定を固定する
- 月次で税理士に確認する項目をメモしておく
まとめ
3,500円を超えた月は「失敗」ではなく「修正のきっかけ」です。
原因を3つに分けて、翌月に1つだけ直す。 このやり方が、一番現場で続きます。