「給料明細で食事代を引いているけど、これ違法じゃないの?」
この質問、飲食店の現場でかなり多いです。
先に言うと、天引きしている事実 だけでは違法かどうかは決まりません。
先に結論
- 労基法24条は、賃金の「全額払い」が原則です。
- ただし、法令の定めや労使の書面協定がある場合は、控除できる余地があります。
- 税務の食事判定(3,500円など)と、労務の控除ルールは別で確認してください。
なぜ今このテーマが検索されるのか
2025年の飲食店倒産は 900件 で過去最多。 価格転嫁率は 32.3% で、全業種平均 39.4% を下回っています。
2026年2月の飲食料品値上げは 674品目、 最賃の全国加重平均は 1,121円。
食材費と人件費が同時に重いので、 「まかない費の処理をどうするか」が給与実務の悩みになっています。
コミュニティで繰り返し出る悩み
Yahoo!知恵袋でも、天引き関連の相談が続いています。
- 給食センターで昼休みの食事代が給与控除(q10272644240)
- 会社から食事会費用を給料から出すように言われた(q14323482689)
- 寮の食費を食べなくても強制控除される(q14118457834)
共通する不安は、 「会社都合の控除を、どこまでしていいのか分からない」です。
労基法24条をやさしく言うと
労基法24条には、次の原則があります。
- 賃金は通貨で払う
- 直接労働者に払う
- 全額を払う
ここでいう 全額払い は、
「勝手に差し引いて渡さない」という意味です。
ただし条文には例外もあり、 法令の定め、または労使の書面協定がある場合などは、 賃金の一部控除ができるとされています。
実務でよく出る言葉: 賃金控除協定
賃金控除協定 は、
給与から何を控除するかを労使で書面合意するものです。
難しく見えますが、 現場では「控除する理由と金額のルールを、紙で明確にしておく」と考えると分かりやすいです。
税務ルールは別で確認する
税務では、国税庁 No.2594 のように 食事の価額・従業員負担・会社負担(3,500円税抜)などで判定します。
ここが重要です。
労務で適法 と 税務で非課税 は同義ではありません。
3分判定フロー
1) 控除しているか?
└ はい → 2へ
2) 控除の根拠書類(法令 or 労使書面協定)はあるか?
└ ない → 労務リスク高
└ ある → 3へ
3) 税務の食事判定(No.2594等)を満たすか?
└ 満たさない → 給与課税リスク
かんたん例
例A: 危ない形
- 就業規則や協定の確認なし
- 毎月一律5,000円を食事代として天引き
- 食事記録なし
この場合、説明が難しくなりやすいです。
例B: 整っている形
- 控除ルールの書面あり
- 食事提供日と食事価額の記録あり
- 税務判定を月次で確認
この形なら、労務と税務の説明を分けて対応しやすくなります。
よくある失敗
- 給料明細の表示だけ整えて、根拠書類を作っていない
- 「3,500円以下なら全部OK」と誤解する
- 控除額を固定して、実際の食事提供とずれる
- 労務と税務を同じチェック表で混ぜる
今週やること
- 給与控除の根拠書類を確認する
- 食事提供の実績(日時・価額・本人負担)を残す
- 労務チェック表と税務チェック表を分ける
- 給料明細の項目名を社内で統一する
- 迷う月は社労士・税理士に同時確認する
まとめ
食事代天引きで大事なのは、 「引いているか」より「何を根拠に、どう運用しているか」です。
労基法24条の整理と、税務判定を分ける。 この2本立てにすると、現場の混乱がかなり減ります。
関連ガイド
参考(確認日: 2026-02-17)
- e-Gov法令検索API: 労働基準法(Article 24)
- 厚生労働省: 賃金の額や支払方法などは、労基法等で規制されているのでしょうか?(Q&A)
- 国税庁: No.2594 食事を支給したとき(令和7年4月1日現在)
- 帝国データバンク: 「飲食店」の倒産動向(2025年)
- 帝国データバンク: 「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年2月)
- 厚生労働省: 令和7年度 地域別最低賃金改定状況
- Google Suggest(給料 食事代 天引き 違法)
- Google Suggest(食事手当 労基法 24条)
- Google Suggest(賃金控除協定 食事代)
- Yahoo!知恵袋: 給食センターで昼休みの食事代が給与控除(q10272644240)
- Yahoo!知恵袋: 会社から食事会費用を給料から出すように言われた(q14323482689)
- Yahoo!知恵袋: 寮の食費を食べなくても強制控除される(q14118457834)