ブログ

焼き魚定食の原価——鯖1切れ120円、ご飯80円、味噌汁25円。利益は「副菜の数」で決まる

焼き魚定食の原価は、魚の歩留まりと副菜の構成で決まります。鯖の塩焼き定食を分解すると原価は300〜380円。小鉢を1品増やすごとに50円ずつ利益が減る。シンプルな定食こそ原価設計が効く理由をまとめました。

更新 2026年2月18日
焼き魚定食 原価定食屋 原価計算魚 歩留まり定食 価格設定飲食店経営原価率
目次

定食屋の「鯖の塩焼き定食850円」。メニューの中ではごく普通の価格に見える。

でも原価を分解してみると、鯖120円、ご飯80円、味噌汁25円、小鉢2品で80円、漬物15円。合計320円で原価率は38%

「あれ、思ったより高い」と感じたなら、それは魚の仕入れ値か副菜の品数に原因がある。

焼き魚定食はシンプルに見えて、利益を出すにはセット全体の設計が必要だ。

先に結論

  • 魚の原価は「歩留まり込み」で計算する。 焼成で15〜20%縮むし、骨・皮のロスもある
  • 利益を削るのは「副菜の品数」。 小鉢1品追加で原価が30〜60円上がる
  • ご飯は安くない。 2025年の米価高騰でCPI前年比+70.9%。1杯40〜50円になっている
  • 魚のサイズを統一する。 10gの差で原価が20〜30円変わる

鯖の塩焼き定食の原価を分解する

鯖の塩焼き定食(税抜850円)

項目金額
鯖(半身・焼成後80g)120円
ご飯(150g)50円
味噌汁25円
小鉢①(ひじき煮)30円
小鉢②(冷奴)35円
漬物15円
合計275円

原価率:275 ÷ 850 = 32.4%。この構成なら悪くない。

鮭の塩焼き定食(税抜950円)

項目金額
鮭(切り身・焼成後80g)160円
ご飯(150g)50円
味噌汁25円
小鉢①(ほうれん草おひたし)35円
小鉢②(ポテトサラダ)50円
漬物15円
合計335円

原価率:335 ÷ 950 = 35.3%。鮭は鯖より魚代が40円高い上に、副菜にポテトサラダを入れると原価が跳ねる。

同じ「焼き魚定食」でも、魚と副菜の組み合わせで原価率が3〜5ポイント変わる。 この差を把握しているかどうかで利益が変わる。

魚の歩留まり——「仕入れ値」と「使える量」は違う

焼き魚の原価を正しく出すには、仕入れ重量ではなく可食部(提供重量)ベースで計算する。

主な魚の歩留まり

仕入れ形態可食部率焼成収縮実質可食部率
半身85%-15%72%
切り身90%-15%76%
秋刀魚1尾55%-20%44%
ホッケ開き65%-15%55%
鯵(アジ)開き60%-18%49%

秋刀魚は1尾100円で安く見えるが、実質可食部は44%。100円で食べられる部分は44g分しかない

秋刀魚の実質g単価 = 100円 ÷ (150g × 0.44) = 1.52円/g
鯖の実質g単価 = 150円 ÷ (120g × 0.72) = 1.74円/g

g単価で比較すると、鯖と秋刀魚の差は思ったほど大きくない。歩留まりを無視して「安い魚を使えばいい」と判断すると、期待ほど原価が下がらないことがある。

副菜の品数管理——「多ければ多いほどいい」は利益を食う

定食の満足度は副菜の品数で上がるが、原価も品数に比例して上がる。

副菜の原価目安

副菜原価目安
漬物10〜20円
冷奴25〜35円
ひじき煮20〜30円
ほうれん草おひたし25〜40円
きんぴらごぼう25〜35円
ポテトサラダ40〜60円
卵焼き30〜40円
切り干し大根20〜30円

小鉢を1品→2品→3品と増やすと:

構成副菜原価定食原価(鯖)原価率
小鉢1品 + 漬物45円260円30.6%
小鉢2品 + 漬物95円310円36.5%
小鉢3品 + 漬物140円355円41.8%

小鉢を1品追加するごとに原価率が約5ポイント上がる。 3品出すと原価率40%超え。

「お客さんの満足度のために品数を増やしたい」なら、ひじき・漬物・切り干し大根など原価20〜30円の副菜を中心にするのが鉄則だ。

ご飯の原価——もう「安い」とは言えない

2025年、米価はCPI前年比**+70.9%**の急騰を記録した。

以前は1杯30円程度だったご飯が、今は40〜50円に上がっている。

米10kg = 5,000〜6,000円(2025年時点)
炊き上がり倍率 = 2.2倍
ご飯1杯(150g) = 約40〜50円

おかわり自由の店は要注意。 おかわりを2杯する人が全体の20%いるなら:

追加コスト = 50円 × 2杯 × 20% × 来客数
50人/日なら → 50円 × 2 × 10人 = 1,000円/日 = 25,000円/月

月2.5万円。おかわり無料を続けるなら、定食価格に織り込む必要がある。

魚のサイズ統一——これが一番効く

焼き魚定食で最も効果的な原価管理は、魚のサイズ(重量)を統一することだ。

  • 仕入れ時に「1切れ80g±5g」で規格指定する
  • 自店でカットする場合は秤で計量する
  • 端材はまかないか賄い丼に回す

80gと100gの切り身で原価が20〜30円違う。 1日50食出る店なら:

25円 × 50食 × 25日 = 31,250円/月

年間37万円の差。秤1台で防げる金額だ。

今週やること

  • 主力の魚(鯖・鮭)の切り身重量を秤で計量して統一する
  • 焼成後の重量を測って歩留まり率を出す
  • 副菜の品数と構成を固定して、定食1食あたりの原価を計算する
  • ご飯1杯の原価を現在の米価で再計算する
  • おかわり無料を続けるなら、月間コストを試算して定食価格に反映する

焼き魚定食はシンプルだからこそ、1つ1つの原価が利益に直結する。まずは魚のサイズを揃えて、副菜の品数を決めるところから始めてみてほしい。


焼き魚定食のセット原価を一括管理するなら。魚や米の仕入れ値を更新するだけで、定食の原価率がリアルタイムで変わります。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

焼き魚定食の原価で一番大きい要素は何ですか?

魚の仕入れ価格と歩留まりです。鯖の半身は仕入れ150〜180円ですが、焼成で15〜20%縮むため実質原価は175〜215円。秋刀魚は1尾80〜120円と安いですが、骨・頭で可食部は55〜60%しかありません。歩留まりを反映しないと原価を過小評価してしまいます。

定食の小鉢は何品が適正ですか?

利益を考えるなら1〜2品が限度です。小鉢1品あたり30〜60円。3品出すと副菜だけで100〜180円になり、定食全体の原価率が5〜10%上がります。「品数が多い=お得」の印象を作りたいなら、原価の安い副菜(ひじき、漬物、冷奴)を選ぶのがポイントです。

魚のサイズは統一すべきですか?

はい。切り身の重量を10g単位で揃えてください。80gと100gの差で原価が20〜30円変わります。仕入れ時に規格を指定するか、自店でカットする場合は秤で計量するのが確実です。

ご飯のおかわり無料は危険ですか?

ご飯1杯の原価は40〜50円(米価高騰後)。おかわりを2回する人が20%いると仮定すると、月に数万円の追加コストです。「おかわり自由」を続けるなら定食価格に織り込む必要があります。2025年の米価はCPI前年比+70.9%ですから、以前の感覚で考えると赤字になります。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・利益率・販売価格を自動計算します。