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フルーツサンドの原価——いちご4粒で原価率50%を超える「映え」の代償

フルーツサンドはSNS映えする反面、いちご4粒で原価が200円を超えます。クリーム量の目分量、季節の果物の価格変動、包材コスト。断面の「映え」を維持しながら利益を出すための原価設計をまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

Instagramで見かけた断面がきれいなフルーツサンド。「これなら売れそう」と思って始める人が増えている。

実際、フルーツサンドの市場は伸びている。テイクアウト中心で客席がいらない、1人でも回せる、SNSで拡散されやすい。参入しやすい業態に見える。

でも原価を計算してみると、いちごを4粒入れた時点で原価が200円を超える。クリームを50g絞って、食パンを2枚使って、透明フィルムで包む。1個の原価が350〜400円になるのに、売値は500〜600円——。

「映え」を維持しながら利益を出すには、フルーツの歩留まり管理季節ごとの価格設計が欠かせない。

先に結論

  • フルーツサンドの原価の60〜70%はフルーツ。 可食部(皮・芯・傷みを除いた重量)で計算する
  • クリームは「目分量」を禁止。 10g増えるだけで原価が7〜8円変わる
  • いちごの価格は季節で2倍以上変動する。 季節別の価格設定が必須
  • 包材は1個30〜50円。 テイクアウト前提の業態なので必ず原価に入れる

いちごサンドの原価を分解する

いちごサンド1個(税抜500円)

項目金額
いちご(4粒・60g)120〜200円
生クリーム(50g)40円
食パン(8枚切り2枚)30円
砂糖3円
透明フィルム15円
シール・タグ5円
紙袋10円
合計223〜303円

いちごが安い4月(1パック400円台)なら原価率44%、高い12月(1パック1,000円超)なら原価率60%に達する。

同じレシピなのに、季節だけで原価率が16ポイントも変わる。 これがフルーツサンドの怖さだ。

フルーツの歩留まり——「買った量」と「使える量」は違う

フルーツは皮・芯・ヘタ・傷みなどのロスが出る。仕入れ価格ではなく可食部の原価で計算する必要がある。

主なフルーツの歩留まり

フルーツ可食部率1個あたり可食部仕入れ目安
いちご90〜95%12〜15g/粒30〜80円/粒
キウイ80〜85%70〜80g/個50〜80円/個
マンゴー60〜65%180〜200g/個500〜800円/個
バナナ65〜70%80〜100g/本15〜25円/本
みかん70〜75%60〜80g/個20〜40円/個
シャインマスカット95%8〜10g/粒60〜100円/粒

マンゴーは可食部率が60%しかない。500円で仕入れても、使えるのは300円分の重さしかない計算だ。

シャインマスカットは1粒60〜100円。3粒入れるだけで原価に180〜300円が乗る。「高級フルーツ」をメニューに入れるなら、売価もそれに合わせないと赤字になる。

クリーム量の「気前よさ」が利益を食う

クリームはフルーツの次に原価に効く材料だ。

クリーム量と原価

クリーム量原価
40g32円
50g40円
60g48円
80g64円

40gと80gで32円の差。1日30個売れる店なら:

32円 × 30個 × 25日 = 24,000円/月

「たっぷりクリーム」を売りにするなら価格に反映する。標準メニューなら絞り袋の回数で固定するのが一番確実だ。

季節ごとの価格戦略

フルーツサンドは季節で原価が大きく変わる。同じ価格で通年販売するのは危険だ。

季節別おすすめフルーツと原価帯

季節主力フルーツ1個あたりフルーツ原価推奨売価帯
春(3〜5月)いちご(安値期)、キウイ80〜130円450〜550円
夏(6〜8月)マンゴー、桃、メロン150〜250円600〜800円
秋(9〜11月)シャインマスカット、柿、いちじく120〜200円550〜700円
冬(12〜2月)いちご(高値期)、みかん120〜200円550〜650円

夏と秋は高単価フルーツが主力になるため、「プレミアムライン」として価格を上げるのが自然。「季節限定」の表記があれば、お客さんも高くて当然と受け止める。

逆に春のいちご安値期は回転率で稼ぐチャンス。価格を下げるか、サイズアップして満足度を上げる。

包材は「見た目の投資」——でも原価には入れる

フルーツサンドはテイクアウトが前提。断面を見せるための透明フィルム、ブランドシール、紙袋。これらは「見た目への投資」だが、原価には必ず含める。

包材1個あたり
透明フィルム10〜20円
ブランドシール3〜8円
紙袋(小)8〜15円
保冷材(夏)5〜10円
合計26〜53円

1個あたり30〜50円。月1,000個売れる店なら包材だけで月3〜5万円

今週やること

  • いちごサンド1個の原価を分解する(フルーツ・クリーム・パン・包材)
  • フルーツの可食部率を実測する(買った重量 vs. 使った重量)
  • クリームの使用量を「絞り袋○回」で固定する
  • 今月と来月のフルーツ仕入れ価格を比較して、価格改定が必要か判断する
  • 包材コストを1個あたりで計算し、原価に加える

フルーツサンドは「映え」で売れる。でも「映え」のコストを数字にしないと、忙しいのにお金が残らない状態になる。まずはいちごサンド1個の原価を出してみてほしい。


フルーツサンドの原価をレシピ単位で管理するなら。フルーツの仕入れ値を更新するだけで、季節ごとの原価率がリアルタイムでわかります。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

フルーツサンドの原価で一番高いのは何ですか?

フルーツです。いちごは時期によって1粒30〜80円、マンゴーは1個500〜800円。皮・芯・傷みのロスを含めると、果物だけで原価の60〜70%を占めます。可食部の重量で計算しないと実際の原価がわかりません。

クリームの量はどのくらいが標準ですか?

1個あたり40〜60gが一般的です。60gだとクリーム代だけで40〜50円。見た目を重視して80g以上盛ると原価率が5ポイント以上跳ねます。計量スプーンか絞り袋の回数で固定するのが確実です。

季節によって価格を変えてもいいですか?

変えるべきです。いちごは12月〜1月のピーク時に1パック800〜1,200円、4月以降は400〜600円まで下がります。2倍以上の差があるので、季節別の価格設定か、旬のフルーツに切り替える運用が必要です。

フルーツサンドの適正な原価率は?

テイクアウト中心なら原価率35%以内が目安です。ただしフルーツの季節変動が大きいので、月ごとに原価を再計算してください。旬のフルーツを主力にし、高価格帯の果物はプレミアムメニューとして利益を確保する設計にします。

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