2025年、恵方巻の廃棄問題がまたニュースになりました。農林水産省も「需要に見合った販売」を業界に呼びかけています。
作りすぎれば廃棄。かといって足りなければ売上機会を逃す。恵方巻は短期集中で売上が伸びる反面、具材の豪華化と廃棄ロスで利益が消えやすい商品です。「去年より豪華にしないとSNSで映えない」という気持ちはわかりますが、原価を把握しないまま具材を追加すると、売れても利益が残りません。
先に結論
- 原価の中心は具材とロス率(具材だけで原価の60〜70%)
- 海鮮系は価格変動が大きいので「上位価格帯」に分離する
- 予約販売比率を60〜80%に上げると利益が安定する
- 具材は「見た目」より重量で管理する
基本の計算式
恵方巻原価 = 具材 + 米 + 海苔 + 包材 + ロス
原価率 = 恵方巻原価 ÷ 税抜価格
具材構成の基本設計
| タイプ | 具材の特徴 | 価格戦略 |
|---|---|---|
| 定番 | かんぴょう、玉子、きゅうり、しいたけ | 集客価格帯(原価率30〜35%) |
| 海鮮 | まぐろ、サーモン、いくら | 上位価格帯(原価率35〜45%) |
| 肉系 | 焼豚、牛しぐれ、鶏そぼろ | 利益確保枠(原価率低め) |
「全部海鮮」にすると見栄えはいいですが、原価率が45%を超えることもあります。定番を集客の柱にして、海鮮は「特別な1本」として高価格帯で利益を取る設計が安定します。
原価例:恵方巻(1本)
定番恵方巻(税抜980円想定)
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| 米 180g | 60円 |
| 海苔 1枚 | 35円 |
| 具材合計 | 180円 |
| 包材 | 30円 |
| ロス見込み | 25円 |
| 合計 | 330円(原価率33.7%) |
海鮮恵方巻(税抜1,680円想定)
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| 米 180g | 60円 |
| 海苔 1枚 | 35円 |
| 海鮮具材 | 430円 |
| 包材 | 45円 |
| ロス見込み | 40円 |
| 合計 | 610円(原価率36.3%) |
予約販売でロスを減らす
恵方巻最大のリスクは「作りすぎ」。予約販売の仕組みが利益を守ります。
- 予約数を基準に仕込み量を固定する
- 当日販売は「数量限定」にして希少性を演出する
- 予約特典は値引きではなく具材の追加や小鉢のサービスにする(値引きは利益を直接削る)
コスト環境
2025年の消費者物価指数では食料が前年比**+6.8%**上昇しています。特に水産物の価格変動は大きく、海鮮恵方巻の原価は前年から10〜15%上がっている店も少なくありません。季節商材ほど、仕入れ時点での原価チェックが重要です。
今週やること
- 定番・海鮮・肉系それぞれの具材リストと原価を作成する
- 高級食材(まぐろ・いくら等)のロス率を実測して記録する
- 予約比率の目標を設定する(まずは60%を目指す)
- 早割・予約特典を「値引き」ではなく「追加品」で設計する
- 包材(巻き紙・ラベル・袋)のコストを原価に入れる
出典
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