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クラフトビールバーの原価管理|20L樽から実際に何杯取れるか

クラフトビールバーの樽原価を1杯単位で計算。ロス込みの杯数、価格帯の分け方、回転率の管理方法を整理。

更新 2026年2月18日
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目次

タップを開けて、グラスに注ぐ。泡が多すぎて注ぎ直し——その1杯分のロスが、月末の利益を変えています。

クラフトビールバーは「回転率が利益を作る」業態。ただし、樽の歩留まり(1樽から実際に何杯取れるか)を見誤ると、思った以上に利益が残りません。

2025年の消費者物価指数では食料が前年比**+6.8%**。原価の上昇を前提に、価格設計を見直すタイミングです。

先に結論

  • 樽容量と提供量から杯数を先に出す(ロス分を切り下げる)
  • 目標原価率を決めて価格を逆算する
  • メニューを価格帯で分けて利益を守る(レギュラー/プレミアム/テイスティング)
  • 月次でロス率と回転日数を確認する

樽容量と杯数の基本

樽容量提供量杯数(概算)ロス込み
20L350ml約57杯約55杯
15L350ml約42杯約40杯
10L350ml約28杯約26杯

泡・ライン洗浄・試飲で1〜2杯分はロスになるので、切り下げて計算するのが鉄則です。


価格設定の例:20L樽

前提:20L樽 = 18,000円、350ml提供、55杯計算

1杯あたり原価 = 18,000 ÷ 55 = 327円

ロス2%を加算:

327 × 1.02 = 334円

目標原価率25%なら:

334 ÷ 0.25 = 1,336円

1,300円前後が妥当な価格帯です。「高いかな」と思うかもしれませんが、これを下回ると利益が出にくい。クラフトビールの価値を正しく価格に反映してください。


ロスが起きるポイント

  • 泡の出し直し——ガス圧や温度管理が甘いと頻発する
  • ライン洗浄・試飲——衛生管理に必要だが原価に含めるべきコスト
  • 樽交換時の残量——最後の1〜2杯分は泡だけになることも
  • グラス破損——割れたグラスの補充コストも積み上がる

ロス率を月次で把握し、2〜5%のバッファを価格に織り込んでおくと安定します。


価格帯を分けて利益を守る

  • レギュラー:主力の定番銘柄。回転率重視で利益の柱にする
  • プレミアム:限定・高アルコール・熟成系。高単価で粗利額を確保
  • テイスティング:小量提供で体験価値を作る。新規客の入り口に

同じ原価率でも、杯数の少ない高単価ビールのほうが粗利額は厚いことを覚えておいてください。


テイスティングフライトの価格

フライトは「お得感」が強いので、価格を下げすぎると利益が出ません。

例:5oz × 4杯 = 20oz(約590ml) 16ozパイントが1,300円なら、比例計算は:

1,300 ÷ 16oz × 20oz = 1,625円

1,600〜1,800円が妥当な目安です。パイントより割高に見えますが、「4種類飲み比べできる体験価値」で納得してもらえます。


持ち帰り販売は容器コストを足す

缶・ボトル・グラウラーの持ち帰り販売には容器コストが乗ります。

  • 缶・蓋:30〜50円
  • シール・ラベル:5〜10円
  • 袋やキャリア:10〜20円

容器原価は必ず別枠で加算してください。「店内価格と同じ」にすると利益が削れます。


樽の回転管理

樽は回転が遅いほどロスが出ます(鮮度劣化 → 廃棄)。

  • 月次で「回転日数」(仕入れから空になるまでの日数)を出す
  • 動きが遅い銘柄はハーフパイント or テイスティングに移す
  • 季節限定は早期完売を前提に少量仕入れする

回転率が利益を守る。この意識があると、仕入れの判断が早くなります。


フード・物販で粗利を補強する

ビール単体だけでなく、フード・物販の付帯率が利益を大きく左右します。

  • プレッツェル・ナッツなど簡易ペアリング
  • グラス・グッズの物販
  • 限定缶やボトルの持ち帰り

付帯率を月次で見える化すると、「どの商品が利益を作っているか」が明確になります。


今週やること

  • 主力5銘柄の樽容量と提供量から杯数を計算する(ロス込み)
  • 目標原価率から価格を逆算する
  • 価格帯をレギュラー / プレミアム / テイスティングの3段階に分ける
  • 先月のロス率を棚卸しデータから算出する
  • 回転日数が長い銘柄を特定し、対策を決める

関連ガイド


出典


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よくある質問

20L樽から何杯取れる?

350ml提供なら計算上は約57杯ですが、泡・ライン洗浄・樽交換時の残量で2〜3杯分はロスになります。55杯で計算するのが安全です。

ビールの原価率は何%が良い?

店の設計次第です。高付加価値なら20%、標準で25%、価格重視で30%。樽コストから逆算して決めてください。20L樽18,000円なら、1杯334円(ロス込み)。原価率25%で売価1,336円が目安です。

ロスはどこで起きる?

泡の出し直し、ライン洗浄、試飲、樽交換時の残量が主な原因です。月次でロス率を出し、2〜5%のバッファを価格に入れておくと安定します。

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