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韓国軽食店の原価計算 - トッポギ・キンパ・揚げ物の収益分析

韓国料理メニューの食材原価からデリバリー手数料、人件費まで実際の収益を計算します。韓国料理店開業前に知っておくべき原価構造と客単価戦略を解説。

更新 2026年2月18日
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目次

「韓国料理って儲かるんでしょ?」

新大久保のトッポギ店やキンパ専門店の行列を見て、韓国料理ビジネスに興味を持つ方が増えています。

でも、実際にどれくらい利益が出るのでしょうか? 数字で検証してみましょう。


要点まとめ

  • トッポギの食材原価率は**65〜75%**と高く、単品では利益が出にくい
  • 客単価2,500円以上を確保しないとデリバリーは赤字
  • キンパは人件費込みで原価率70%、思ったより利益が少ない
  • 揚げ物と飲み物が利益を支える柱

飲食店原価率の現状(2025年)

帝国データバンクの調査によると、飲食店の96.0%が仕入れ価格の上昇に直面しています。2025年の飲食店倒産は1,002件で過去最多を記録しました。

従来「30%以下」と言われてきた飲食店の原価率は、食材価格高騰により平均36%前後まで上昇しています。韓国料理も例外ではありません。


トッポギ - 原価率 vs 実際の収益

基本トッポギの食材原価(1人前)

材料使用量単価原価
トック(餅)150g2.5円/g375円
オデン(練り物)50g3円/g150円
コチュジャン20g4円/g80円
砂糖・水飴15g1.5円/g23円
ネギ・キャベツ30g2.5円/g75円
調味料・スープ--50円
合計約750円

販売価格890円の場合:

食材原価率 = (750 ÷ 890) × 100 = 約84%

え、84%? これでは赤字です。

実は新大久保の食べ歩きトッポギは**集客商品(ロスリーダー)**として機能していることが多いのです。セットメニューや追加注文で利益を確保します。


専門店価格での計算

新大久保のトッポギ専門店では1人前700〜1,200円程度。1,100円で計算すると:

食材原価率 = (750 ÷ 1,100) × 100 = 約68%

まだ高いですが、2人前・3人前のシェアメニューなら:

2人前セット 1,800円の場合:

  • 食材原価: 1,300円
  • 原価率: 72%

トッポギ+チーズ+ラーメン追加セット 2,500円の場合:

  • 食材原価: 1,600円
  • 原価率: 64%

セットメニューにしないと厳しい原価構造です。


デリバリー販売の現実

1,100円のトッポギをUber Eatsで販売すると:

項目金額
販売価格1,100円
食材原価750円
容器・袋代180円
配達手数料(35%)385円
決済手数料(3%)33円
残り−248円(赤字)

単品でデリバリー販売すると赤字になります。

これが韓国料理店が「最低注文金額1,500円以上」や「セットメニュー推奨」にする理由です。


客単価が生命線

例:トッポギ+揚げ物+キンパセット 2,980円

メニュー食材原価
トッポギ(2人前)1,300円
揚げ物5個400円
キンパ1本350円
容器代250円
合計2,300円
店内: 2,980 - 2,300 = 680円の利益
デリバリー: 2,980 - 2,300 - 1,043 - 89 = −452円

2,980円でもデリバリーでは赤字。韓国料理のデリバリーは非常に厳しいビジネスモデルです。


揚げ物(ティギム) - 隠れた高収益メニュー

品目別原価分析

品目食材原価販売価格原価率
野菜天ぷら1個60円200円30%
キムマリ(海苔巻き揚げ)1個80円250円32%
さつまいも天1個90円280円32%
イカ天1個150円400円38%
エビ天1個200円450円44%

野菜中心の揚げ物は原価率30%台で比較的良好です。

油代を忘れずに

項目コスト
揚げ油18L約4,500円
1日使用量3〜5L
揚げ物1個あたり油代約25〜40円

実際の原価には1個あたり30円程度を加算してください。


キンパ - 手間がかかるメニュー

キンパ1本の食材原価

材料原価
ご飯 180g90円
海苔1枚45円
たくあん20円
ハム50円
卵1/3個20円
ほうれん草35円
にんじん15円
ごぼう25円
ごま油・ごま25円
合計約325円

販売価格600円の場合:

食材原価率 = (325 ÷ 600) × 100 = 約54%

キンパの本当の問題:人件費

キンパ1本を巻く時間:2〜3分

時給1,200円で換算すると:

  • 1時間にキンパ20〜25本
  • キンパ1本あたり人件費:約50〜60円
項目コスト
食材原価325円
人件費(換算)55円
容器代40円
実質原価420円
実質原価率 = (420 ÷ 600) × 100 = 70%

キンパは手間がかかりすぎるため、人件費を考慮すると利益が非常に少ないメニューです。


メニュー別収益性比較

メニュー食材原価率人件費負担デリバリー適性総合評価
トッポギ65〜75%低いセット必須⭐⭐
スンデ55〜65%低いセット必須⭐⭐
揚げ物30〜40%中程度追加メニュー向き⭐⭐⭐
キンパ50〜60%*高い単品可能
ラーメン40〜50%低い配達不向き⭐⭐
丼物45〜55%中程度単品可能⭐⭐

*人件費含まず

ポイント:日本の韓国料理店は、原価の高いトッポギを集客商品にしつつ、揚げ物と飲み物で利益を確保する構造が多いです。


収益シミュレーション例

前提条件

  • 月商200万円
  • デリバリー20%、テイクアウト30%、店内50%
  • 平均客単価1,500円

コスト構造

項目比率金額
食材原価42%84万円
容器・包装4%8万円
配達手数料7%14万円
家賃10%20万円
人件費(オーナー除く)15%30万円
光熱費・その他7%14万円
コスト合計85%170万円
営業利益15%30万円

月商200万円で営業利益30万円。オーナー自身の労働時間を考えると、時給換算では厳しい水準です。


韓国料理店開業前のチェックリスト

損益分岐点の計算

目標月収:40万円
必要売上 = 40万 ÷ 0.15 = 約267万円
1日売上 = 267万 ÷ 26日 = 約10.3万円
客単価1,500円 = 1日69人

1日69人を安定的に集客できるか?が重要な判断基準です。

現実的な質問

  1. 立地の競合:新大久保なら集客は見込めるが、家賃も高い
  2. 仕入れルート:トック、コチュジャンなど韓国食材を安定的に仕入れられるか
  3. 労働時間:開業当初は12時間以上の労働を覚悟できるか
  4. デリバリー依存度:手数料35%を吸収できる価格設定が可能か

今すぐやること

  • 主力メニュー3品の食材原価率を計算する
  • デリバリーの損益分岐点(最低注文金額)を確認する
  • 揚げ物・飲み物の利益率を確認する
  • セットメニューで客単価アップを設計する

関連ガイド

まとめ

  1. トッポギの**食材原価率は65〜75%**と高く、単品では利益が出にくい
  2. 客単価2,500円以上を確保しないとデリバリーは赤字
  3. キンパは人件費込みで原価率70%、思ったより利益が少ない
  4. 揚げ物と飲み物が利益を支える柱

「韓国料理は原価が安い」は日本市場では当てはまりません。仕入れ価格と為替変動も考慮して、しっかり原価計算をしてから開業を検討してください。


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参考資料

よくある質問

トッポギの原価率はどのくらいですか?

食材原価率だけで65〜75%と高く、単品では利益が出にくい業態です。揚げ物やドリンクなど原価率の低いサイドメニューを組み合わせて、全体の原価率を35〜40%に抑える設計が必要です。

韓国料理店で利益を出すポイントは?

揚げ物とドリンクが利益の柱です。揚げ物は原価率20〜30%、ドリンクは15〜25%と低く、メインメニューの高原価を補えます。客単価2,500円以上を目指し、セットメニューで平均注文額を上げる工夫が効果的です。

キンパの人件費を含めた原価率は?

巻く手間がかかるため、人件費込みの原価率は約70%です。1本あたりの利益が薄いので、大量販売かプレミアム具材で単価を上げるか、いずれかの戦略が必要になります。

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