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焼き芋専門店の原価ガイド——500gの芋が焼き上がりで350gになる。利益はサイズ管理で決まる

焼き芋1本の原価をさつまいも・焼成ロス・光熱費・包材に分解。焼成で30%縮む現実と、仕入れサイズの選別、量り売りの価格設計、破損ロスの管理まで、個人経営の焼き芋専門店向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

焼き芋は「さつまいもを焼くだけ」のシンプルな商売です。

でもこのシンプルさが落とし穴になることがあります。仕入れ値そのまま原価を出してしまう店が多いのです。

500gのさつまいもを500円/kgで仕入れたら原価250円——と計算しがちですが、焼くと水分が飛んで350gに縮みます。 実質の原価は250円÷350g = 0.71円/g。生の状態で計算した0.50円/gより40%高い

先に結論

  • 焼き芋の実質原価は仕入れ値の1.4倍。 焼成で30%の水分が飛ぶ
  • 仕入れはサイズ選別が必要。 大小バラバラだと原価管理ができない
  • 量り売りかサイズ別価格が基本。 1本○○円だと利益がブレる
  • 光熱費と包材を忘れずに。 1本あたり15〜20円かかる

焼き芋1本の原価を分解する

例:紅はるか Mサイズ(税抜売価400円)

項目原価
さつまいも(生)300g150円
焼成ロス(▲30%)
焼き上がり210g(実質単価0.71円/g)
光熱費(石焼き60分の按分)10円
包材(紙袋+フィルム)1セット5円
合計165円

原価率:165 ÷ 400 = 41.3%

焼き芋は原価率40〜50%が一般的。メニューの品数が少ないぶん、1本ずつの原価管理が利益に直結します。

焼成ロスの計算

さつまいもの焼成ロスは品種と焼き時間で変わります。

品種焼成前→後の歩留まり甘さの特徴
紅はるか68〜72%強い甘み、ねっとり
シルクスイート70〜75%なめらか、しっとり
安納芋65〜70%蜜が出る、水分多い
紅あずま72〜76%ほくほく、水分少なめ

安納芋は蜜が出る分、焼成ロスが最も大きい。 仕入れ価格が高いうえにロスも多いので、原価率が50%を超えることもあります。プレミアム価格で出すか、数量限定にするのが安全です。

焼成ロスの実測方法

焼成前:500g(生の状態で計量)
焼成後:350g(焼き上がりで計量)
歩留まり = 350 ÷ 500 = 70%
実質単価 = 仕入れ価格 ÷ 歩留まり

最低でも5本分を計量して平均を出す。 芋の太さや焼き時間で変わるので、1本だけでは基準にならない。

仕入れのサイズ選別

焼き芋の仕入れで重要なのはサイズの選別です。

サイズ生重量仕入れ単価焼き上がり売価目安
S150〜200g安い(規格外)110〜140g250円
M250〜350g標準175〜245g400円
L400〜500gやや高い280〜350g550円

Sサイズの「規格外品」は仕入れ単価が安く、原価率を下げられる。 ワゴン販売やイベント向きです。Lサイズは1本あたりの粗利額が大きいので、店舗販売の主力にできます。

光熱費の按分

石焼き芋の場合、ガス代は無視できません。

焼成方法1時間のガス代1バッチの本数1本あたり
石焼き釜150〜200円15〜20本8〜13円
電気オーブン80〜120円10〜15本6〜12円
壺焼き100〜150円8〜12本10〜19円

壺焼きは1本あたりのコストが最も高いが、「壺焼き」のブランド価値で売価を上乗せできます。

量り売りの価格設計

焼き芋はサイズがバラバラなので、「1本○○円」だと原価率がブレます。

量り売り方式(推奨)

焼き上がり100gあたり = 180〜200円
  • Sサイズ(120g):220〜240円
  • Mサイズ(200g):360〜400円
  • Lサイズ(300g):540〜600円

量り売りにすれば、サイズが変わっても原価率が一定に保てます。計量は電子秤で焼き上がりを量るだけ。

サイズ別固定価格方式

量り売りが難しい場合は、S/M/Lの3段階で固定価格にします。ただし、サイズの基準を「生重量」ではなく「焼き上がり重量」で決めること。

破損ロスと廃棄管理

ロスの種類発生率対策
焼き割れ(破損)3〜5%火力と時間を管理。急激な加熱を避ける
売れ残り5〜10%仕込み量を時間帯別に調整
形状不良(曲がり等)2〜3%カット販売やスイーツ(スイートポテト等)に転用

廃棄率10%で月に30,000〜50,000円。 仕込み量を時間帯別に分けるだけで大幅に減らせます。午前中に全量焼くのではなく、「14時までに7割、その後追加」の2回転制が効果的です。

今週やること

  • 主力品種5本分の焼成前後の重量を計量し、歩留まりを出す
  • 仕入れサイズの基準(S/M/L)を決める
  • 量り売りの単価を設定する(焼き上がり100gあたり)
  • 光熱費を1本あたりに按分して原価に含める
  • 破損・売れ残りの転用メニュー(スイートポテト等)を決める

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出典


品種とサイズごとの原価を登録すれば、1本の利益がすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全商品自動更新。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

焼き芋の原価で一番効くのは?

芋の仕入れ単価とサイズです。紅はるか1kgが400〜600円の場合、焼成ロス30%を含めると実質571〜857円/kg。焼き上がり300gの芋は仕入れ価格の1.4倍で計算する必要があります。

焼成ロスは入れるべき?

必ず入れてください。さつまいもは焼成で水分が30%近く飛びます。500gの芋が焼き上がりで350gに。仕入れ価格500円/kgの芋は、焼き上がりベースでは714円/kgです。光熱費(1本8〜12円)も加えると原価が変わります。

小さい芋は安く売るべき?

はい。量り売り(100gあたり○○円)か、S/M/Lの3段階で価格を分けるのが基本。小サイズ(焼き上がり150g)は来店動機に、大サイズ(350g以上)は粗利額で稼ぐ設計がおすすめです。

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