ブログ

定食屋の原価ガイド——唐揚げ定食1,100円で原価490円。見直すべきは小鉢とご飯

定食屋1食の原価を主菜・副菜・ご飯・味噌汁・漬物に分解して計算。主菜に原価が集中するなかで、小鉢の盛りブレとご飯おかわりが利益を静かに削る理由、主菜別の価格設計、副菜の標準化まで、個人経営の定食屋向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
定食原価計算飲食店メニュー価格セットメニュー飲食店 原価
目次

定食屋で一番ありがちな落とし穴は、主菜の原価は計算しているのに、副菜とご飯を「だいたい」で済ませていることです。

唐揚げ定食1,100円。唐揚げ120gの原価が260円。「まあ原価率24%くらいだな」と安心していませんか?

でも小鉢2品で120円、ご飯・味噌汁で90円、漬物で20円——全部足すと490円、原価率44.5%。想定より10ポイント以上高い。

しかもこの数字は「毎回きっちり同じ量を盛っている」前提。スタッフが変わると小鉢の盛りが1.5倍になったり、ご飯のおかわりが3杯になったり——「セット全体」で原価を管理しないと、定食屋は利益が残りません。

先に結論

  • 定食の原価は「セット全体」で計算する。 主菜だけ見ても利益は読めない
  • 小鉢の盛りブレが月に1.5〜3万円の差を生む。 小鉢を決めて8分目で統一
  • ご飯おかわり無料なら、おかわり率を計測して定食価格に含める
  • 原価率45%超えのメニューは即見直し。 量を減らすか、売値を上げる

定食1食の原価を分解する

例:鶏の唐揚げ定食(税抜売価1,100円)

項目原価
唐揚げ(鶏もも)120g(4個)180円
揚げ油(吸油分)15g4円
衣(片栗粉・小麦粉)-8円
キャベツの千切り30g6円
レモン1/8個8円
小鉢①(ひじき煮)60g18円
小鉢②(おひたし)50g12円
ご飯200g38円
味噌汁180ml25円
漬物15g8円
合計307円

原価率:307 ÷ 1,100 = 27.9%

正確に計算すると27.9%。先ほどの「490円、44.5%」は、実は副菜を多めに見積もりすぎていたケースです。正しい原価を知っているかどうかで、経営判断がまったく変わります。

主菜別の原価比較

定食屋は複数の主菜を日替わりで提供します。主菜によって原価率が大きく違うことを知っておく必要があります。

定食メニュー主菜原価セット原価売価原価率
唐揚げ定食192円307円1,100円27.9%
焼き魚定食(鮭)160円275円1,000円27.5%
生姜焼き定食220円335円1,100円30.5%
豚カツ定食280円395円1,200円32.9%
刺身定食350円465円1,400円33.2%

刺身定食は原価率33%で最も高いが、粗利額は935円で最大。 原価率だけで判断すると間違えます。粗利額の高いメニューが売れる構成を作るのが正解です。

小鉢の盛りブレを防ぐ

定食の利益を地味に削っているのが小鉢です。

盛りブレの影響

副菜標準量ブレ量原価差月間差額(80食/日)
ひじき煮60g90g+9円+18,000円
おひたし50g75g+6円+12,000円
切り干し大根40g60g+5円+10,000円

小鉢1品で月1万〜1.8万円。2品なら最大3.6万円。 これが毎月続きます。

対策

  1. 小鉢のサイズを統一する。 「この器に8分目」がルール。計量不要で、器を決めればブレが小さくなる
  2. 作り置きの小鉢は「1バッチ何食分」で管理する。 ひじき煮を1kg仕込んだら約16食分。これが20食になっていたら、1食の量が多すぎる
  3. 小鉢のラインナップを絞る。 日替わり小鉢が10種類あるより、定番3種類をローテーションするほうが仕込み効率が良く、量も安定する

ご飯おかわりの原価管理

定食屋で「ご飯おかわり無料」は集客力がある。でもおかわり率を把握していないと、見えない赤字の原因になります。

おかわり率1食の実質ご飯原価38円との差月間追加コスト(80食/日)
0%38円
20%46円+8円+16,000円
40%53円+15円+30,000円
60%61円+23円+46,000円

おかわり率40%なら月3万円。 年間36万円の「サービス」です。

やめる必要はないが、この金額を定食価格に含めているかどうかで利益が変わります。

対策: 1週間だけ、おかわりの回数をカウントする。「1日何杯おかわりが出たか」をメモするだけでいい。

今週やること

  • 売上上位3メニューの定食原価を、副菜・ご飯・味噌汁まで含めて再計算する
  • 小鉢の器を統一し、「8分目」のルールを決める
  • ご飯おかわりの回数を1週間記録する
  • 原価率35%を超えているメニューを特定する
  • 日替わり小鉢を3種類に絞る

関連ガイド

出典


定食の構成品ごとに原価を登録すれば、メニュー別の利益が一覧で見えます。仕入れ値が変わったら自動で再計算。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

定食の原価率は何%が目安?

30〜35%が健全なラインです。ただし、ご飯おかわり無料の場合はおかわり率分を上乗せして計算してください。おかわり率40%なら、ご飯の実質原価は1.4倍。これを含めて35%以内に収まるか確認しましょう。

副菜は原価にどう入れる?

小鉢1品ずつの標準量と原価を決めてください。ひじき煮60g=18円、おひたし50g=12円、切り干し大根40g=10円。2品で30円。ここを「適当に盛る」と1品あたり5〜10円ブレて、月に1.5〜3万円の差になります。

ご飯おかわり無料は損?

おかわり率を把握していないと損になります。白米200g=38円。おかわり率40%なら実質53円。月に75,000円の「見えない原価」が発生します。記録して定食価格に織り込めば問題ありません。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・利益率・販売価格を自動計算します。